未来の投影。
小型・中型ディスプレイ用部品で世界一のシェアを誇りながら企業・個人向けの製品展開もスタートしたジャパンディスプレイ株式会社(JDI)が、戦略発表会「JDI Future Trip」の第二弾開催を開催。
前回大きな話題となったHUD(ヘッドアップディスプレイ)付きヘルメット「スパルタ」を更に進化させた外付けHUDなどなど、エッジの効いた製品がもりもり出てきた発表会の様子をご紹介いたします!
2019年:あれにもこれにもHUD
ヘルメットに着脱可能な小型のHUDユニット「XHD-02 KAIKEN(懐剣)」。本体は近未来的なカッコいいデザインのヘルメットではなく、その横に付いてる棒型のユニット。
乗り物向け、工事現場や災害現場などでの使用が想定されているもので、たとえばオートバイなどの乗り物ではスピードやナビ情報などを視線移動をすることなく見られるという優れもの。
車載HUDユニットを応用し、そこからハーフミラーに映像を投影し反射させて見せている構造。ちょっとカメラのレンズ越しの写真では見づらくなっていますが、肉眼ではかなりくっきりと見えていていたのが凄い。
かなり未来の製品な感じですが、なんと驚くことに2019年中には販売開始予定とのこと。まだ、専用マウントを用意して様々なタイプのヘルメットに対応予定で、価格などの詳細は未定。
ちなみにこちらのかっちょいいヘルメットは、外付けHUDのコンセプトモデル(top画像もそう)。いろんなデカールが貼られてカトキハジメのガンダム感ある見た目になっていますが、将来的にはJDIが力を入れていくというセンサー技術を使って脳波によるコントロールができるようにしたいとのこと。いろいろガンダム的だな!
2019年:デジタルなあの子を独り占め
筐体内に立体感のある映像を流し、それを楽曲と組み合わせることでライブのような”見る音楽”を提供するというライブ・パフォーマンス・プレイヤー「XLP-01 MiOn」。
構造としては高精細なディスプレイにボックス型光源を組み合わせたもの。比べて飛び出てくる3D感はないものの、映像がキレイで奥行きはあり、非常に不思議「そこにいる感」が醸し出されています。
サイズ感は筆者が長年愛用するiPhone5と比べてこんなくらいで、机にも置けそうな具合。デモでは初音ミクやアイドルファン風の中年男性などが全力で踊る映像になってましたが、デジタルなペット的なものとして応用できても面白いかも。
こちらは2019年内にクラウドファンディングを実施予定。まだどのサービスを使うかなどは決まっていないそうですが、気になる人はJDIのサイトをチェックしておくといいはず。
2091年*:昔の香りを懐かしむ…
未来を先取りする製品が勢揃いしていた会場で、群を抜いてアヴァンギャルドだったのがこのインテリア。JDIが高級陶器ブランドの鳴海陶器とコラボして生み出したコンセプト製品の第一弾。ディスプレイ付き観賞用陶器「XAQ-01 AQUARIUS」。
お茶を入れながらタイマーとして使ったり、天気やニュースを確認……なんてありきたりな製品ではなく、ディスプレイからは花が咲く映像が流れ、それに合わせて内蔵された装置から花の香りが解き放たれるというパンチの効いた用途のもの。
というわけで、水を入れて火にかけるといったことは一切不可。古式ゆかしい陶磁器にハイテクなディスプレイを組み合わせることで、本来の用途が失われているあたりがイカす。重酸性雨の雨が降り自然が消えた未来では、こうやってかつてありし世界に思いを馳せながら人工の香りを楽しむのがWABI&SABIになるのかもしれない……。
*「2091年」は編集部が勝手につけたものです。実際の販売時期は不明です。
2019年:バス停もどんどんスマートに
こちらはディスプレイに時刻表はもちろん、路線図や広告、さらには災害時の情報などなどを表示できるという、超低消費電力の液晶ディスプレイ搭載したスマートバス停。
通信経由で画面情報を書き換えることで、紙の時刻表のネックである張替え作業をなくしてコストを削減するというもの。実は日本国内の7割以上のバス停には電源がなく、スマートバス停は普及してきませんでしたが、このスマートバス停は超低消費電力の液晶にソーラーパネルとバッテリーで電源問題をクリア。
こちらはすでに実証実験が始まっており、2019年以降、北九州市の西鉄グループ内のバス停で順次導入されていくとのこと。言語の切り替えもできるとのことなので、オリンピックに合わせて東京あたりにも導入されるといいかもしれませんね!
手に届くSF未来なガジェットを一気に見せてくれたJDI。これからの展開も実に気になります。個人的には「KAIKEN」のようなかっちょいいSF路線を突き進んでいただきたい……!
Source: JDI