視覚障害者に喜ばれそうです。
2018年初頭、音響機器メーカーのBose(ボーズ)が、「AR(拡張現実)」や「デジタルアシスタント」といったバズワードを引っさげ、SnapchatのARグラスみたいなコンセプト・モデルを発表しました。
これまでBoseは、異業種に手を出すような挑戦的な会社ではなかったはず。アイウェア開発はもしかすると、彼らにとっての技術的なデモンストレーションだったのかもしれません……ただし、こうして実現するまでは、ですけども。
視覚ではなく、音のAR
このメガネは「Frames」と命名されました。サングラスのかたちでありながらも、視覚のARギミックはなし。代わりに、世界初だという“オーディオAR”なる技術を搭載しています。オーディオを推すのは、Boseだから当然かもしれませんが、ユニークな差別化ですね。
どんな機能?
Framesに搭載された頭の動きを捉える9軸のセンサーと、接続先のスマホのGPSを活用して、現在地に合わせた情報を音声で教えてくれます。つまり自分をナビしてくれる音声ガイドみたいなものなんですね。ほかにもトリビア的な情報を教えてくれたり、普通に音楽の再生もできます。
内蔵マイクが付属し、SiriやGoogle Assistant(Alexaはまだ)を呼び出すことも可能。右のツルには、音楽を制御するための多機能ボタンがあります。
視覚ではなく聴覚を使ったARというこのアイデア。まだ開発中だそうですが、2019年3月にオースティンで開催されるエンタメとテックの祭典、SXSWにて発表される予定です。
QuietComfortより安い
Framesのデザインは、Ray-Ban(レイバン)の定番モデル「ウェイファーラー」のようなスクウェアと、ラウンドの2種類を選べます。どちらのモデルもUVA/UVBを99%カットするスポーツレンズですが、偏光オプションについて何も言及されていません。
Framesのお値段は、ノイズキャンセリングの定番ワイヤレスヘッドフォン「Bose QuietComfort 35 II」のほぼ半値である199ドル(2万2000円)を想定しているようです。
出荷は海外で2019年1月とのこと。サングラスを着ける着けないの問題は抜きにして、オーディオARとは果たして良いものなのか…? 最近、AIアシスタント内蔵のヘッドフォン製品も多くなりましたけど、むしろそっちがメインになったとき、便利になるのか気になります。
Source: Bose