ウチは決してブラックではありません…?
いまや宅配業界においては、増え続ける荷物に追われ、ドライバーの過重労働が大問題となっています。そのなかでも、Amazon(アマゾン)が物流におよぼす影響の度合いは、無視できないものがあります。当のAmazonもそれは承知のうえで、ドローン配送から倉庫ロボットにいたるまで、大量の荷物を従業員への負担を減らしつつさばくために知恵を振り絞ってはいますよね。
いま北米で、Amazonが大いに頼っているのは、個人が手すきの時間に荷物の配送ドライバーとしてアルバイトできる「Amazon Flex」のプログラムです。自動車を持ってさえいれば、空いている時間の登録だけで、商品配達を手伝って小遣い稼ぎできてしまうという、かなり魅力的に聞こえるアルバイトですよ。
Amazon Flexで45kgの減量に成功!
Amazon Flex allowed this woman to lose 100 lbs in 18 months by creating a workout while delivery packages.https://t.co/uBk49fYzFi
— Amazon News (@amazonnews) 2018年12月3日
そんなAmazon Flexを、さらに宣伝して人集めをすべく、このほどAmazon Newsの公式広報アカウントから、Jackie Crowさんのサクセスストーリーが紹介されましたよ。KSHBの報道によると、Crowさんの体重は、以前は300ポンド(約136kg)を超えていました。ところが、「家業の合間にAmazon Flexでアルバイトをし、車から玄関先へ、大きな荷物を抱えつつ走るというエクササイズができたので、1年半で100ポンド(約45kg)も減量することができた」と笑顔で話しているそうです!
どうやらCrowさんは、3年前にリウマチ性関節炎と診断され、体重を減らしながら健康状態を維持していくために定期的な運動をすすめられました。そんなとき、Amazon Flexのアルバイトを始め、仕事を運動に変えるというコンセプトが、非常に功を奏したと語っているみたいですね。
毎日マラソンするようなキツさとも
Amazon Newsでは、いとも晴れやかに、キツい仕事でも、働きながら運動ができてよいのだって宣伝していますけど、実際の現場の声は、Amazonの物流業務ほど悲惨なものはないと訴える声が高まっているようです。非正規雇用なので十分な保障が得られないですとか、そもそも労働に見合った賃金が支払われていない、契約条件がコロコロと変わるなどなど、その不満の内容は多岐におよびます。
医者の見立てでは、まるで週5日間、毎日続けてマラソンを走っているような労働環境です。プロのアスリートでさえ、こんなにも働くことはできません。週末にはサッカーをして、ハイキングに出かけるのが常でしたが、いまはひざが痛み、腰も痛み、そんなエネルギーはどこにも残っていません。
こちらはスペインのマドリード郊外にあるAmazonの工場において、労働条件の改善を求めて訴えを続けるAmazon社員のEduardo Hernandezさんの言葉です。激務でやせる思いをして喜ぶ人なんて少数派で、大抵の社員は、超ブラック企業ともいうべき作業環境に苦しめられていたりするのかもしれませんよね。さてさて、真相はどちらなのでしょうか?
Source: KSHB