密かに起こるデジタル野鳥観察ブーム。
米Gizmodoのマンデルバウム記者いわく、彼がノースダコタ州ファーゴから、80マイル南東にあるミネソタ州の田舎の国道59号線沿いをクリックしていたとき、何かに気が付いたのだそうです。
ふたつの小さなの頭がまるでネス湖のネッシーのように、水の上に現れました。はじめ私はそれらを特定することができませんでしたが、ミネソタという場所と、夏という時期を考えたら、まだ私のFacebookのバードウォッチング・グループで発見されていない、普通のアビという水鳥じゃないかなと思いました。
そしてストリートビューで何時間かかけて、繁殖中のペアを探すことができました
この発見を投稿してみる
そして彼は、このつがいを見つけたことを投稿しました。しかしこれについて、皆のコメントが飛び交います。誰かは「私に鵜のように見えますね」、ほかの人は「鵜だね、アビじゃないよ」、そして野鳥保護団体の全米オーデュボン協会のライターにして、ウェブサイト「The Birdist」の管理人ニック・ランドは「体格に比べて首が長すぎるね。後ろの鳥は別の種かも。断言するのは難しいけど」と書き込みました。
ランドはGoogleストリートビューでバードウォッチングのグループを立ち上げた人物です。出来てからまだ2週間のプライベートなグループで、ストリートビューに写る小さな野鳥たちが何なのか識別する会です。ですがメンバー数は1,000人以上もいて、すでに600種以上の異なる鳥種を特定しているのです。
ランドはこう語ってくれました。
グループを立ち上げたら、皆がたくさんの素晴らしい画像を見つけてくれたんです。驚きですよ
ストリートビュー野鳥観察
ストリートビューは道や建物などを見るサービスですが、彼は2013年から本格的に野鳥観察を始め、画面の中の世界に数十の鳥を見つけました。そして今年、その趣味にほかの人たちが加わることを歓迎したのでした。
いくら遠くて不明瞭であっても、鳥類を特定すれば目標達成なのです。そして世界中からやって来た新たな仲間たちは、ランドのリストをどんどん更新していくのです。
唯一のルールは、「ペットや動物園の鳥は許可されない」ということ。ハイキングコースは許可されており、投稿する写真にはストリートビューの場所へのリンク必要です。Photo Sphere(青い点)ではなく、ストリートビュー(Googleマップの青い線)から来る必要があります。
ストリートビューでは、空港を見つけたり、地球上のどこにいるかを推測するなどのゲームもありますが、このサービスは野鳥観察用に最適化されていないのに、野鳥観察をするにはカンペキなのです。
見つける楽しさ
グループで議長を務めるひとり、ラリー・チェンはこう話してくれました。
ストリートビュー野鳥観察は、私が持つ過去の旅行経験と楽しいものを追求したいという需要を掛け合わせてくれました。それに課題の息抜きや、授業に向かう前にちょっと観察してみるなど、あまりアタマを使わなくても良いんです。
不特定で画質の粗い鳥たちを特定すると、何だか満足感を得られるんですよね
このグループでは、ハクトウワシやフラミンゴ、ダチョウなどたくさんの野鳥を見つけただけでなく、ハチクイやアメリカオオモズ、それに種類の特定まではできないまでも、ハチドリなども見つけています。
「そんなのホンの数ピクセルしか写ってないじゃん」と思うかもしれませんが、そこがウォッチャーの腕の見せどころ。野鳥たちの行動や場所や時期から、知識を総動員して鳥類の確認を行なうのです。
もし投稿内容を訂正されたり、画面の中で何か見つからなくても心配無用です。ランドいわく、「ただ歩き回って野鳥を探しているだけで、賭け金があるわけでもありませんよ」とのことです。
ネットではちょくちょく、ストリートビューで見つかった珍風景が紹介されたりしていますが、まさか野鳥観察まで行なわれているとは思いませんでしたね。これなら望遠鏡や双眼鏡は不要でお手軽。興味のある方はトライしてみたり、入会を申し込んでみてはいかがでしょうか?
Source: Google Street View, The Birdist, Maprunch, GEOGUESSR