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2013.12.08
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カテゴリ:西暦535年の大噴火

くつろいでいる私

今回から久々火山がらみの、長ったらしいお話しをしようかと思います。

相当長い話になるのは確実なので、途中プラモや雑談その他のブログが多々入り、途中中断することもあるかな(苦笑)。というか、無事完結させられるのか、ちょっと自信ありません(汗)。

さて、西暦535年というと、何が思い浮かぶでしょうか?

10年以上前ですが、私と同じ歴史好きの友人の1人に尋ねたところ、「仏教伝来だっけ?」と、惜しい答えが返ってきました(日本への仏教伝来は、538(宣化3)年説と552(欽明13)年説の2つがあります。今のところ538年説が有力です)

歴史に興味のない知人は、「応仁の乱?」という、時代を900年ほど超越する発言をしてくれました(応仁の乱は、1467(応仁元)~1477(文明9)年です)。間違えるにしても、せめて大化の改新(645(大化元)年)位までにして欲しかった・・・。

答えはと言うと、仏教伝来や応仁の乱といったわかりやすい出来事は起きていません。しかし現在、この年に人類史に大きな転機になった有史上最悪の災害が発生したと考えられるようになっています。

それはとある火山の破局噴火(スーパーボルケーノ)でした。

どこの火山が噴火したかについて触れる前に、なぜこの西暦535年に破局噴火が起きたと考えられるようになったかについて、お話ししたいと思います。
この仮説を提唱したのは、地質学、古気象学といった自然科学分野の研究者達でした。

欧州各地の樹木の年輪調査をして、過去2千年位のデータをつきあわせたところ、ほぼ全てのサンプルから、西暦535年から約20年間にわたって、年輪幅が非常に狭い傾向があることに気がついたのです(2千年中、ここまで狭い年代は他にないほどでした)

しかもそれは、ヨーロッパのみならず、アメリカ、チリ、タスマニア島(オーストラリア)など、世界各地の樹木でも共通してみられたのです。

年輪は、1年でどれだけ木が生長したかを示すバロメータですから、年輪幅が狭い場合、太陽の光が弱く気温も低めで、木の生長がほとんど無かったことを示しています。

異変はシベリアの針葉樹も同じでした。535~560年頃の色素が非常に薄く、太陽の光が非常に弱かったことが推測されたのです。

一地域のみならず、北半球の欧州やアメリカのみならず、南半球のチリやタスマニア島でも同じ傾向が確認されたことから、6世紀半ばぐらいに、地球規模の気象異常が起きていたのではないか、と考えられるようになりました。

しかし年輪調査だけでは、何が原因の異常気象があったのか原因を特定することは出来ません。

原因は巨大火山の噴火かもしれませんし、小惑星や彗星の衝突、または太陽の異常が原因かも知れないからです。現に研究家の中には、小惑星や彗星衝突説を唱える人もいます。

しかしここで火山の破局噴火説を、一気に有利にする材料が、グリーンランドで発見されました。

それは1978(昭和53)年の事です。デンマークとアメリカ、スイスの研究機関が、グリーンランドで氷床コアのボーリング調査がおこなわれました。

調査の目的は、当時気象学で提唱され始めていた「地球温暖化」説の解明のため、氷の気泡に含まれている成分(気泡の中には、氷が出来た時代の空気がそのまま保存されています)を分析することで、地球の気温の変化を、経年的に把握しようとしたものでした。

コペンハーゲン大学での分析の結果、532~534年(誤差は±2年程度)の氷床に、大量の硫酸塩や火山堆積物などの、火山噴火の起きた兆候が見つかりました。

南極でも氷床コアのボーリング調査が、1989(平成元)年におこなわれましたが、こちらでも西暦490~540年の層(こちらは50年区切り)に、やはり大量の硫酸塩や火山堆積物が含まれている事が確認されました。

さらに調査が進められると、南極の氷床コアの方が、グリーンランドのサンプルより硫酸塩濃度が濃く、最低でも4年以上、酸性雨が降り続けていた可能性が高いことがわかってきました。

以上の点から、破局噴火レベル、VEI(火山爆発指数)7 以上の巨大噴火が起きたのではないかと考えられるようになりました。

では、どの火山が噴火したかですが、当時の文献には記録は残されていません。

しかし、北半球・南半球とも、等しく樹木の生長が著しく低下している点、グリーンランド・南極双方の氷床から高濃度の硫酸塩が発見され、南極側の方が酸性濃度が濃いことから、赤道より若干南側にある火山が噴火したと推測されました。

赤道直下付近で、南側にある火山はというと、アフリカ東部にあるキリマンジャロ山(標高5895mで、アフリカ大陸最高峰)、南米アンデス山脈中部の火山帯から、ガラパゴス諸島、そしてサモア諸島からインドネシア・スマトラ島に至る約8千kmに及ぶ、環太平洋火山帯の南側地域があげられます。

この内、キリマンジャロ山からサモア諸島までの火山に、2千年以内にVEI7以上の火山噴火の痕跡は見あたりません。その痕跡らしきものが唯一認められるのは、インドネシア・スマトラ島とジャワ島の間、スンダ海峡の中にある巨大火山クラカタウだけでした。

日本ではなじみの薄いクラカタウですが、スンダ海峡にある火山島(現在は無人島)です。もっとも島の部分は崩れかけた山の残骸と言ってよい代物で、火山本体は海の中にあります。

海峡内には最大直径40kmを越す巨大なカルデラがあり(参考までに阿蘇山のカルデラの大きさは25×18kmです)、活発な火山活動は現在も続いています。

このクラカタウが人類史で最後に大噴火を引き起こしたのは、1883(明治16)年の事です(この時のVEI指数は6.5です)。この時の噴火は、島の大半を海没させ、火砕流の一部はスマトラ島に到達しています。

そして島の海没によって引き起こされた大津波は、インド洋と太平洋双方で猛威をふるい(日本でも鹿児島県甲突川で大波が観測されています)、蘭印(現在のインドネシア)を中心に死者3万6千人以上という大災害を引き起こしています。

(続きます)






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Last updated  2013.12.14 21:26:56
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