「包丁なんて、切れればなんでもいい」
確かに一理あるかもしれませんが、それは本当に切れる包丁を使ったことがないからかもしれません。
実際、握りやすさ、軽さ、切れ味など、使うからこそわかることも多々あります。特に日本の包丁は世界でも評判が高く、世界中のシェフが日本製の包丁を愛用しているほど。
そんな品質の高い日本製の包丁をお手頃な値段で購入できるなら、使わないと損ではないでしょうか?
そこで今回は、金属加工で有名な新潟県燕三条の包丁メーカー「藤次郎」の包丁を実際に使用した様子をご紹介します。藤次郎は世界中のシェフから依頼を受けオーダーメイドで包丁を作る側、一般向けの包丁も生産しているメーカー。そんな藤次郎から、8000円以下で購入できる包丁を集めましたよ。
なお、以下の表示価格は執筆現在のもの。変更の可能性もありますので販売ページをご確認ください。
1. Origami シェフナイフ
日本の折り紙からインスピレーションを受け、一枚の金属板を折り上げのみで形作ったOrigami。燕三条の代名詞でもある「ミラー仕上げ」も施されており、まるで鏡のような輝きが目を引きます。世界的にもその美しさが評価され、世界的に最も権威ある工業デザインアワード「iFデザイン賞」を2012年に受賞しています。
従来の包丁とは異なった奇抜なアイデアで作られている一方、手に馴染むグリップや切れ味の良さにもこだわって作られています。たとえば、こちらはトマトを切ってみた動画ですが、藤次郎のOrigamiで切るとトマトのエッジが立ち、中の水分や果実が溢れ出てきません。
これを安い包丁で切った場合、余分な力がかかってしまい、中身が溢れ出てしまうという結果に。さらに口に入れた時の味の広がり方や食感の違いも違い、いい包丁を使うということは、食材の味と見た目にもこだわることだと言えます。
次に玉ねぎでも挑戦。Origamiでは、余分な力を使わずに切れるので、まな板に打ち付ける音も小さいことがわかります。また、Orimigaiは一枚の金属で作っているので、軽さが特徴。その軽さは千切りをするとよくわかりましたよ。
2. エルゴス
エルゴスは、人間工学(エルゴノミクス)に基づいて作られたキッチンナイフ。握りやすさや疲れにくさを意識し、女性でも使いやすいことが特徴。人間工学の専門家として早稲田大学名誉教授野呂影勇氏と、岐阜県生活技術研究所の研究員が開発と実証実験に関わっていることからわかるように、本気で使いやすさを追求した一振りです。
実際に使ってみた感想としては、切れ味は申し分なし。硬いものでも、少しの力で切ることができました。また握りやすさはこだわっているだけあり、こちらも不満な点はなし。力が入りやすいためか、スイスイ切っていくことができました。
毎日使うものだからこそ、出来るだけ体に負担がないものを選びたいものです。
3. パンスライサー
コバルト合金とステンレスを使った、藤次郎オリジナルのパンスライサー。フランスパンや食パンを自宅の包丁で切りボロボロになった経験がある人は多いと思いますが、パンスライサーがあればプロのように切れますよ。
藤次郎のパンスライサーは、刃先を職人が手作業で仕上げており、細部までこだわって作られています。だから、お値段もそれなりにするのですが、通産省グッドデザイン・ロングライフデザイン賞も獲得しており、長く使える包丁です。
この通り、硬いフランスパンもサクッと切れます。ちなみに切る時にコツがあり、ノコギリのようになんども動かすのはNG。できる限り、一瞬で引くようにして切るのがいいんだとか。最初は慣れが必要だとは思いますが、パンスライサーで試してみてはいかがでしょうか?
子ども用クッキングナイフ
子どもが大きくなってくると、「料理をしたい」「自分の包丁が欲しい」と言い始めることも。
藤次郎はプロ向けの包丁を多く作っていますが、中にはこんな子ども用の包丁もあります。刃渡りが115mmと非常にコンパクトで、子どもの小さな手にもフィットするエラストマーハンドルを採用。
食材はきちんと切れますが、刃先は丸みを帯びており、手を切りにくいように配慮されています。対象は小学校3年生以上。子どもと一緒に料理をしたいという人は、検討してみてはいかがでしょうか?
2019.01.26:一部内容を修正いたしました。
Photo: GENE TV