ギズモード・ジャパンの中の人が選ぶ「2018年ベスト映画」

  • 10,990

  • author 編集部
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
ギズモード・ジャパンの中の人が選ぶ「2018年ベスト映画」
Image: ギズモード・ジャパン

みなさん、今年はなんの映画をみましたか?

最近は動画ストリーミングサービスも普及し、消費するコンテンツの量が激増、供給過多に感じることもしばしば。しかしそんな時代の流れでも、映画館のでっかいスクリーン、でっかいサウンドで、物語にどっぷり没入するのは、なににも変えがたい体験ですよね。今回はそんな映画館に足しげく通うギズの中の人たち(+α)に、「2018年で最もよかった映画作品」を選んでもらいました。


ライター 中川真知子『グレイテスト・ショーマン』

Video: Atlantic Records/YouTube

息子がどハマりして7回見に行きました。「Sing Along」バージョンも。子どものミュージカル映画入門編として素晴らしい働きをしてくれたと思います。

同じ音楽関連で今話題の『ボヘミアン・ラプソディ』を選ばなかったのは、私の生きてきた80年代と私がブラウン管越しに見ていたクイーンを描いた作品ではないから。ファンタジーとしてなら良いけれど、バイオグラフィとしては成功していないと感じました(あ、ディスっちゃった)。一方、『グレイテスト・ショーマン』は事実度返しの振り切れたファンタジー感が私的「2018年ベスト」になった理由です。

ライター そうこ『シュガー・ラッシュ:オンライン』

Video: ディズニー・スタジオ公式/YouTube

子どもだけでなく、大人も楽しめるのがディズニー映画。『シュガー・ラッシュ』の「友達=同じじゃなくてもいい!」というテーマは、子どもにとっては新たな学びの機会となり、大人にとっては身につまされて改めてドーンとくるやつ。

同じじゃなくていいって頭ではわかってるけど、つい自分の選択した道だけにフォーカス、偏りがちな今日この頃。特に、20代後半から30代、仕事や結婚、育児など、人生における選択肢が連続して登場し、かつての友人たちと同じ道を同じペースで進めなくなっている年齢層には、友のあり方、接し方を改めて考えるチャンスをくれる映画だと思います。

インターネットのセキュリティを、心の不安定さと絡めるストーリー展開も上手いと思いました。ディズニー映画は、『トイ・ストーリー 4』が来年公開なので、これも今から楽しみ!

ちなみに、『シュガー・ラッシュ』と迷ったのは『クレイジー・リッチ!』。アジア俳優のみのハリウッド映画として話題になっただけでなく、興行的にも大成功。出てくるご飯がめちゃくちゃ美味しそうな上に、俳優陣がセクシー。映画見ながら小声で「きゃー!」って言ってました。エンタメとしておもしろかったけど、ストーリーはあるあるなので、やっぱり心に残ったのは『シュガー・ラッシュ』。

ライター 岡本玄介『死霊館のシスター』

Video: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

他と被ると面白くないので、こちらはホラー部門の『死霊館のシスター』を1番にしたいと思います。これはYouTubeでジャンプ・スケア広告を流し、取り下げる事態に発展した、いわく付きの一作。映画『死霊館』シリーズの最新作にして、時系列で最古となる前日譚です。

ジェームズ・ワンによる本シリーズと『インシディアス』シリーズは、今時分にジェイソンやフレディーのようなホラー界のアイコン的存在を量産する貴重な存在であり、しかも彼らは良くわからない存在のまま登場し、映画がヒットしたら次回作でスピン・オフさせ、やっと伏線を回収する形で毎度成功を収めています。なので今回のシスター・ヴァラクも、過去作でチョイチョイ出ていた謎の存在だったんですよね。

そして両シリーズの特徴は、前作の終わり方を強引な力技で次に繋げる点。最後の最後で「あー! コレがあぁ繋がるのね! 考えたなー!」と納得させられるのです。ちなみに主人公の美少女が『死霊館』の主役ヴェラ・ファーミガの実の妹という配役が秀逸! あとあと作内で2キャラの間に繋がりを作って欲しいところです。

同様に『インシディアス 最後の鍵』もお気に入りですが、キャラの立ったキーフェイスがあっけなくヤラれたのは残念。今作でせっかく過去が明かされたヴァラクも、サクっと地獄に追い返されているので、プリーズ・カム・バック!

ライター 傭兵ペンギン『ザ・プレデター』

Video: 20世紀フォックス映画公式チャンネル/YouTube

『ブラックパンサー』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』などインパクトのある話題の大作ある中、埋もれることがなかったのがこの『ザ・プレデター』。

1987年の『プレデター』、1992年の『プレデター2』の直接の続編として作られた今作。第一作の軍人のチームが謎の宇宙人プレデターと戦うというフォーマットにゆるやかに沿いながら、問題を抱えた男たちがひょんなことから出会って、ジョークを言い合いながら友情を育み共闘していき第一作以上に楽しく熱いチームものとなっています。『リーサル・ウェポン』や『ナイスガイズ』といったバディものの作品を手がけてきたシェーン・ブラックの延長線上のある作品で、刺さる人にはめちゃ刺さる作品です(私には刺さりました)。

舞台は現代でありながらもどことなく懐かしさがあり、テレビで繰り返し再放送がされていそうな、軽快さがなんと言っても魅力。また、ファンでもそうでない人でも楽しめるようにしっかり作られており、近年量産されてるリブート系作品と比べてもかなり輝いていました。「だが、俺は続編を作らねぇぞ!」というシェーン・ブラックの強いメッセージを感じる続編へのバトンをパワフルにぶん投げるオチも最高。ぜひ、シェーン・ブラックに続きを作って欲しいところです。

ライフハッカー編集部 開發『寝ても覚めても』

Video: BITTERSENDinc/YouTube

鑑賞後に人と意見や感想を言い合いたくなるのが良い映画だと思ってまして、そういう意味で本作は今年ナンバー1の映画だと思います。

詳しいあらすじは端折りますが、たとえるなら、結婚式の最中に「ちょっと待ったー!」と元彼が乱入してきて花嫁を連れ去っていくやつ(『卒業』の超有名なシーン)を、奪われる側(つまり新郎新婦)の視点で、しかもその後の話までをしっかり2時間かけて描いた作品という感じです。

一見美談として描かれがちなシチュエーションだけど、奪われる側からしたら本当に最悪の出来事でしかないという…。『ビフォア・サンセット』とかもちょっと思い出しました。

加えて印象深かったのは、東出昌大さんのサイコ演技です。本作で東出さんは一人二役演じているんですが、前述で言うところの”奪う側”・漠(バク)のナチュラルサイコっぷりにやられました。こういう奴が一番人を傷つけると思う。

主人公の行動の是非や、自分だったらどうする? みたいな話で盛り上がることもできるでしょうし、過去の恋愛経験に重ねて余韻に浸ることもできると思うので、是非一度ご覧ください。だだ、現状恋人同士で観るのは…どうなんですかね? 関係性による気がします。

次点として、『ウィンド・リバー』『search/サーチ』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』『ダウンサイズ』『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』『犬猿』『孤狼の血』『菊とギロチン』『止められるか、俺たちを』等を挙げたいです。来年もいっぱい映画観るぞーーー!!!

編集部 吉岡『レディ・プレイヤー1』

Video: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

かーなり個人的な理由もありますが、今年のベストは『レディ・プレイヤー1』。僕は幼い頃からスピルバーグ作品に影響され、ジャンル映画やカルチャーを好きになりました。将来の夢が映画監督だったくらい。

今作はそんないままでの人生で大きな影響を受けた体験を、スピルバーグが一つの映画で全力で思い出させてくれた作品でした。さまざまなポップカルチャーのアイコンが出てくるのはもちろん、少年たちが力を合わせて大人に立ち向かっていく姿や、「これがやりたいんだよ!」という本当に楽しそうなVR世界の見せ方、さまざまな点で昔大好きだったスピルバーグ作品のワクワクが詰まっていました。

そしてきわめつけは、すっごい個人的なことですが僕自身が仕事でスピルバーグに会ってしまったのです! もはや純粋な映画批評にはならないとは思うのですが、僕の人生の伏線が回収されたような気がして、どうしても忘れられない作品となりました。

Source: YouTube(1, 2, 3, 4, 5, 6