※この記事は2016年6月20日に掲載されたものです。
これを踏まえてもう一度見直そう!
日本だけでなく世界中にファンがいる庵野秀明監督のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。ファンを魅了しているのは、キャラクターやストーリー、デザイン、またはコンセプトだけではありません。その演出にも視聴者の心を捉えて離さない秘密があるようなのです。
こちらはGeekTyrantが取り上げた、日本のアニメファンのDigibroさんによる解析の動画。
では、その秘密をおさらいしましょう。
1. ダイナミックなダイアログ
「エヴァンゲリオン」の会話シーンには、会話をしている人物が1つのフレームに入っていることが多く、視聴者が話し手と聞き手のリアクションを同時に見られます。
後方の人が先に話して、手前の人が答える。こういったテクニックを使う事で変哲もない会話シーンにちょっとした刺激を加味しているのです。
2. カッティング・オン・アクション(アクションつなぎ)
ショットの始まりに速い動きを持ってくることがしばしばありますが、これによって視聴者の注意を引き、次の動きまで目を引くことができます。
時にはショットが急にカットされ、次のアクションまで緊張感を維持しようとしているのです。
3. 次のショットを予感させる
キャラクターが目線を送るショットのあとに、その視線の先にある対象物を映すことで、キャラクターとそのものの関係性を強調しています。
4. フレーム外のスペース
一般的なアニメのアスペクト比は4:3や16:9ですが、本作では付けパンでキャラクターを追いかけるようにカメラを動かすこともしばしば。これは大判に背景を描き、スタンダードサイズの作画キャラクターの動きに合わせて背景をスライドさせつつ撮影するというテクニックで再現。こうすることで面白いカメラワークが完成します。
5. インパクトを強める
爆発の前に閃光、パンチの前にキャラクターの顔をチラっと見せるといった小技で、よりインパクトを強めています。
6. カウントダウンで緊張感を高める
本作では頻繁にカウントダウンが使われます。
例えば、9話でシンジとアスカが繰り広げる62秒のシンクロ攻撃では、発進するとともにカウントダウンがスタート。こうすることで、より鬼気迫りますし、リアリティーの演出にも一役買っているようです。
7. 背景から前景へ
本作のユニークな演出テクニックの1つに、キャラクターを前方からとらえたあとに、カットの切り替えで後方からとらえる(その反対もしかり)というシーンがあります。
8. 思わせぶりな表情
多くの会話が、聞き手の不安げな表情、思わせぶりな表情で終わっているのは、今は口に出さないけれど、物語の続きで明かされる何かがあると視聴者に想像させます。
9. 会話の続きを別のキャラクターに話させる
異なる場所、異なる状況に身を置いていても複数のキャラクターが同じ事柄に向かっており、その状態を会話がつながるように別のキャラクターに説明させるという演出が多々使われています。
10. フラッシュイメージ
長尺の静止画で知られる本作ですが、脳の働きを試す勢いで挿入されるフラッシュイメージも有名。
フラッシュイメージの1つ1つが認識できるような尺の場合は、次におこる事柄に対するキャラクターの思いを視聴者に理解してほしいといった意図があると考えられます。短尺の場合、腹にガツンとくるような効果を感じてほしいからでしょう。
Source: GeekTyrant, YouTube