2018年に人類が宇宙で成し遂げた偉業を振り返ってみよう

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  • author 岡本玄介
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2018年に人類が宇宙で成し遂げた偉業を振り返ってみよう
Image: SpaceX/YouTube

驚きも笑いも感動も、いろいろありました。

去年は国際宇宙ステーション(ISS)からの面白ネタや、イーロン・マスクのSpaceXが飛ばしたファルコン・ヘビー、はやぶさ2による小惑星リュウグウ到達、そしてInSight(インサイト)の火星着陸などなど、ロマン溢れるニュースに心の小宇宙(コスモ)を抱きしめた年でした。

今年への期待を込め、去年の宇宙ニュースをザックリとしたカテゴリーに分けて、おさらいしてみましょう。

日本の活躍

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Image: German Aerospace Center, DLR/YouTube

宇宙の宅急便こうのとりも地味に活動していますが、はやぶさ2の動きは特に、かなりの回数に渡りお伝えしてきました。小惑星リュウグウでのミッションはまだ続行中です。そして宇宙エレベーター計画はどうなりますでしょうか?

JAXAが史上最小の衛星打ち上げロケットを実現
MOMOロケットの初打ち上げは失敗

NASAの活動や探査機の活躍

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Image: NASA/JPL Caltech

トランジット系外惑星探索衛星TESSの活躍、OSIRIS-RExが小惑星ベンヌにて水の痕跡を検知ボイジャー2号による星間空間到達など、ロマンがいっぱいでした。今年もさらに、宇宙というフロンティアを拓いていって欲しいですね。

NASA、月ステーション計画を来年本格始動。2025年にはクルーメンバーを月へ
New Horizonが太陽風の届く範囲「ヘリオポーズ」に到達
なんたる冷静さ。NASAの宇宙飛行士が明かす「ソユーズ打ち上げ失敗から生き延びるまで」
おそらく氷の世界。太陽系で最遠の天体「Farout(ファーアウト)」を発見

ケプラー宇宙望遠鏡よ永遠に

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Image: NASA/Ames/Dan Rutter

太陽系内外で4,600もの惑星を見つけ、トラブルに見舞われては復活したりとドラマの多かったケプラー。ついに燃料切れとなり、凍える宇宙の一部となってしまいました。たくさんの発見とインスピレーションに感謝です。

Kepler宇宙望遠鏡が100近くの系外惑星を発見
NASAのケプラー宇宙望遠鏡、あと数ケ月で活動を停止してしまう
Keplerが息を吹き返す
ありがとう、ケプラー。その軌跡を振り返る

イベントフルな国際宇宙センター(ISS)

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Image: Oleg Artemyev/Twitter

宇宙飛行士という職業を、グっと身近なものに感じさせてくれるクルーたち。船内で銀河初の宇宙テニストーナメントを開催したり、チーズバーガーを食べたり、船体にが空いてしまったアクシデントがあったり、宇宙視点で地球の酷暑を観測したり8K配信したりと、ニュースに事欠かない1年でした。

前代未聞のナイフを駆使する宇宙遊泳がライブ配信! ISSに空いていた穴を検査
ソユーズで見つかった小さな穴は「内側」から開けられた。じゃあ、一体誰が…?
球体型相棒ロボット「CIMON」が宇宙デビュー。気分屋でヘソ曲がりさん
2024年に引退後、国際宇宙ステーションは民営化。一般宿泊チケットはおいくら?

火星で起こったドラマ

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Image: NASA/JPL-Caltech

火星にはキュリオシティ先輩眠り姫オポチュニティストイックな新入生インサイトといった探査機が活動していたり、眠っていたりします。遠く離れたお隣さんですが、ここで全部を紹介できないのが残念なくらい、ホントにさまざまなドラマがありました。2033年に火星へと移住する候補者の美少女、アリッサちゃんの今後にも期待大です。

火星の嵐でいまだ眠りつづけている探査機へ、NASAが懸命に信号を送り続ける理由
動かなくなった火星探査機にNASAが毎日送っている、珠玉の目覚まし曲プレイリスト
火星探査中のキュリオシティ先輩「キラキラした岩を見つけたよ!」
探査機「インサイト」は無事に着地! 火星から初画像が届いたよ

NASAのシミュレーションが宇宙の凄さを突きつける

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Image: NASA/YouTube

スパコンを駆使して、人間が見ることが出来ない宇宙の神秘を可視化してくれました。驚きの映像や画像に言葉を失います。

ダークマターの超巨大嵐、太陽系を覆いながら地球を通過中
正気を失いそう。NASAがふたつの超大質量ブラックホールが融合する姿をシミュレートした動画が控えめに言ってヤバい
NASAが2018年8月10日に太陽が放出した磁場をCGで描く
数十億の飛び散る電子! パルサーの秘密を解き明かすコンピューター・シミュレーション

規格外のスペース・デブリ対策

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Image: Dan Solea/Shutterstock

宇宙開発と共に、切っても切れないのが宇宙ゴミ。これをいかに処理するかで各国アグレッシヴな方法がブチ上がったり、アートとして昇華する活動も起きました。今後も変わらず宇宙の厄介者であり、抜本的な解決策が待ち望まれます。

宇宙戦争の引き金? 中国がスペース・デブリ除去に「レーザー」を提案
ロシア、宇宙デブリ問題に「巨大レーザー砲」を持ち出す
危険な宇宙ゴミの掃除屋さん。スペースデブリ対策用人工衛星がISSから旅立つ
宇宙の厄介モノ・スペースデブリをレーザーポインターでアートに変える

国をあげての宇宙戦略

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Photo: Alex Wong/Getty Images

中国の勢いが増してきましたね。ですが失敗してしまったものもありました。アメリカではトランプ大統領も宇宙軍を発表するも、さっそく暗礁に乗り上げてしまいました。リアル『星珠大戦』はまだお預けのようです。

中国初の民間ロケット打ち上げ
はじめて月の裏面へ!中国の探査機「嫦娥4号」飛び立つ
中国初の民間ロケットによる衛星打ち上げは失敗
アメリカで「宇宙軍」設立。公式ロゴも検討中
さらば米宇宙軍(2018-2018)

民間企業も続々と宇宙産業へ

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Image: SpaceX/YouTube

もはや宇宙に行くのは政府機関だけではありません。産業革命家イーロン・マスクも、世界一の大富豪ジェフ・ベゾスも宇宙への進出を目論む中、後発のリチャード・ブランソンが出し抜いてしまったのでした。こうして一連の流れにしてみると、まるで『ウサギと亀』のお話のようです。

でもやっぱりSpaceXの主人公感は強いですね。最強ロケットにテスラ・ロードスターを載せたり前澤CEOの月旅行を発表したり。来年打ち上げられるかもしれない有人ロケットの船内と宇宙服はカッコいいし!

ベゾスの宇宙ビジネスの野望は、月で製造業を行なうこと? 地球と月で人の営みを分業する
Amazonのジェフ・ベゾスCEOが計画中の弾道飛行チケット、最安でも2000万円越え
ニュージランドから新たな民間ロケット「Electron」が商業打ち上げに成功

SpaceXによるファルコン・ヘビー打ち上げは、YouTube史上2番目の320万人が視聴という記録を樹立。荷重として先端に乗せたロードスターはNASAが天体として登録することとなりました。そのロードスターは今どこに?

人工衛星ネットワークで人類をインターネットに

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Image: sdecoret/Shutterstock

7,518個の衛星は地上から335〜346km上空を、そして4,425個の衛星が地上1,110〜1,325kmを飛び、田舎や外洋、地球全体をインターネット利用可能範囲に収めようとしています。全部が打ち上げ完了したらどんなネット生活になるのでしょうか?

さらば、ネット難民…SpaceXの新プロジェクト「Starlink」が新局面に!
SpaceX、インターネットを提供する数千の衛星の運用が許可される
SpaceXに7,500機もの人工衛星打ち上げ認可が下りる。世界が衛星ネット回線で繋がるぞ!

人間界を騒がせた宇宙ニュースあれこれ

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Image: Sion Touhig/Getty Images

ホーキング博士の訃報も、UFO目撃証言も、おもしろニュースもありました。ゴジラ座やムジョルニア座は、サブカル好きにとっては朗報ですかね。

YouTuberが宇宙にパンを打ち上げて食べる
北極でとらえた謎の信号、原因は宇宙の塵?
宇宙一硬い物質は激レア素材の「核パスタ」!

2018年を振り返ってみたものの、ISSは当然のこと、JAXAの「はやぶさ2」も「オシリス・レックス」も、インサイトも2019になってもまだまだ活動が続きます。太陽圏を突破したボイジャー2号に至っては、もしかしたらあと3万年飛び続けるかもしれませんからね。

2019年は、どんな宇宙の神秘に出会えるでしょうか? 乞うご期待!

新年明けまして、冥王星のその先「Ultima Thule」を通り過ぎます、探査機New Horizon

年明けは天文学の新たな夜明けになるのかも。太陽系で最遠の天体「Farout(ファーアウト)」を発見したニュースでもお伝えしましたが、NASAが20...

https://www.gizmodo.jp/2018/12/new-horizon-to-fly-by-ultima-thule.html