宇宙の雪だるま? 探査機ニューホライズンズがウルティマ・トゥーレの画像を送信

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
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宇宙の雪だるま? 探査機ニューホライズンズがウルティマ・トゥーレの画像を送信
Image: NASATV

ニンジンの鼻をくっつけてみたい形です。

冥王星を含む太陽系外縁天体の探査を行なう無人探査機「ニュー・ホライズンズ」が、予定通りカイパー・ベルトにある天体「Ultima Thule(ウルティマ・トゥーレ)」の接近飛行(フライ・バイ)を果たしました。

届いた画像からわかること

(486958) 2014 MU69」とも呼ばれるこの天体。接近前は、直径30kmの二重小惑星(バイナリー・アステロイド)がふたつ隣り合っているのか、もしくはくっついていてひょうたん型なのか定かではありませんでしたが……新しく届いた写真から、ひょうたんよりクビれが鋭角な雪だるま型だったことが判明しました。

探査機は元旦、日本時間の14時33分にターゲットに到達しました。しかし光速で移動する信号は、地球に到達するまで何時間もかかっています。

撮られた写真はボヤけたものでしたが、いくつか奇妙な点が見受けられました。それは反射した光量に変光が見られない点。そして雪だるま型なのがわかったものの、構造までわからないという点です。

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Image: NASATV

これまでで最も遠くから撮った、この新しい写真がその質問に答えます。濃い赤色の「ウルティマ・トゥーレ」は、縦33km横16km。惑星協会によって報告されたように、これは「接触連星」であるものの、どのようにこの形状になったかまでは判明していません。ですがふたつの天体が、周回中に合体したのではないか? と考えられます。

サウスウエスト・リサーチ・インスティテュートの惑星科学者、キャシー・オルキン氏は記者会見にてこう話しました。

15時間程度の周期で回転し、太陽光の6~13%しか反射しないため非常に暗いのです

回転する2つの球体は、探査機から見る角度によって楕円形よりも表面が小さく見えることがあります。そして特徴的なクレーター(つまり隕石が衝突した跡)は見当たりません。

冥王星ミッションの延長

カイパーベルト天体の中で、最大のものは冥王星です。「ニュー・ホライズンズ」は、もともとそれを見に行くために2006年に打ち上げられた探査機でした。

冥王星が特に興味深いのは、太陽系が生まれたときにできた初期の星のひとつで、何十億年もの間ほかの要因に邪魔されずに残ったと考えられているからです。ですが2015年にミッションが達成されたため、エッジワース・カイパーベルト天体「(486958) 2014 MU69(または省略して「MU69」)」を観測するべく任務が延長されたのです。「ウルティマ・トゥーレ」は2018年に公募で募った仮の愛称なのですが、これで定着しそうですね。

「ニュー・ホライズンズ」の科学者たちは、探査機から送られた最初のデータ解析に着手しだしたとのこと。まだまだ各種データや画像が届きます。発表は近日中に行われるでしょう。

Source: PLANETARY