体温充電+太陽電池 。
スマートウォッチのいちばんの不満は、やはりバッテリーの持ちです。だからこそ、人間の体温で駆動するフィットネス機能重視のスマートウォッチMatrix(マトリックス)の「PowerWatch(パワーウォッチ)」と後継モデル「PowerWatch X」は魅力的な製品でした。店頭に並んだPowerWatch Xがパッとしなかったと分かっても、そのコンセプトは控え目に言って好奇心をそそるものだったのです。
ソーラー電池によってパワーを底上げ
そして現在開催中のCES 2019で、Matrixは同製品をさらに進化させた「PowerWatch 2」を披露しています。熱電効果を利用した体温充電はそのままに、最新モデルではベゼル周辺に配置されたソーラー電池によって、ちょっとだけ使い勝手がよくなっています。 PowerWatch Xはスマートウォッチとしての機能が不足していましたが、ソーラー電池のおかげでPowerWatch 2には内蔵GPS、フルカラーの液晶ディスプレイ、コンパスそして心拍数モニタリングを搭載するのに十分な動力が供給されるように。さらに防水性能は水深200メートルまでになりました。
充電不要なのに、ペース、距離、歩数、睡眠そしてランニングのケイデンスにいたるまであらゆることがトラッキングでき、機能が充実しています。消費カロリーの算出はフィットネストラッカーによって精度がまちまちですが、PowerWatch 2は体温を利用する仕組みによって、精度が高くなっています。Apple HealthKitやGoogle Fitといったサードパーティー製のフィットネスプラットフォームにも対応。
最新モデルでは本体の厚みが15mmと、PowerWatch Xの13.5 mmと比べてわずかに分厚くなっています。おそらく前モデルより多くのセンサー類と独自のモジュールが詰め込まれているからでしょう。PowerWatch 2でより良いフィットネス体験を提供するため、Matrixはアプリも刷新。走行ルートのマップ、スプリットやペース、心拍数の平均と最大心拍数を見られるようになりました。
PowerWatch 2は第2四半期に出荷される予定ですが、今なら500ドル(約5万4000円)のところを200ドル(約2万1600円)のディスカウント価格で予約できます。価格は高めですが、充電ケーブルを頻繫になくしたり、フィットネストラッカーが引き出しの底でホコリ被っているような人にとっては、最新モデルPowerWatch 2が頼もしいデバイスになるかもしれません。初代PowerWatchの不満点は価格に見合う機能がなかった、そして電池フリーなスマートウォッチの真新しさがなかったことでした。このモデルもディスプレイや限定的なプッシュ通知といった犠牲になった点はありますが、フィットネス機能が充実したことでPowerWatch 2は一見の価値がありそう。