2017年3月29日の公開記事を再編集して再掲しています。
こんにちは。習慣化コンサルタントの古川武士です。
この春から、英会話、運動、食生活の改善、読書、片付けなど、これまでのライフスタイルにプラスして、新たなアクションを習慣として続けたいと思っているあなた。
夢や目標に向かって、やる気がみなぎっているかもしれませんが、はじめる前に、少し考えてみてください。
習慣が継続できないのは、自分のタイプに気づかないから
と言うのも、なかなか習慣として継続できない人たちの声を毎日のように聞いて感じるのが、気持ちだけが先行している状態でスタートを切ってしまうことです。どのような道のりが待ち受けているのかを考えずに進み出すと、途中で何かが起こっても対処ができません。その都度、解決策を導きだすのは至難の業です。
そこで私が、はじめる前に考えておくべき必須事項としてアドバイスしているのが、「新しい習慣を身に付けていく過程で、モチベーションとなるスタイルが、ワクワク系か、根性系か、ハッキリさせておく」ことです。カウンセリングを行った実際の事例でご説明しましょう。
古川武士(ふるかわ たけし)/習慣化コンサルタント
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約3万人のビジネスパーソンの育成と約500人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。
主な著書に「続ける習慣」「やめる習慣」「早起きの技術」などがあり、全16冊、計70万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。
ワクワク系のAさん、根性系のBさんの違い
Aさんは日々の仕事が忙しく、運動不足になりがちです。ジムに通いランニングや筋トレをはじめましたが、何度も挫折していました。
そして、「友人のBさんは週4回ジムに通い、トレーナーをつけて自分を追い込んでいるのに、どうして自分は続けられないのか」と落ち込んでいたそうです。
私は話を聞いて、Aさんと友人のBさんとでは典型的に継続するタイプが違うと感じました。
Bさんは、多少疲れていてもジムに通う規律を持ち、トレーナーとの予約を入れて自分との約束もコミットする、いわゆる根性系のモチベーションスタイルです。このタイプの方は、みんなに宣言したり、予定を入れて追い込んだりして、継続するためのモチベーションを高めます。
一方、Aさんは楽しさやワクワクすることなど、ポジティブなマインドで継続するためのモチベーションを高めるタイプ。
継続するための大きな原動力となるモチベーションのスタイルを見極めずに、根性系のBさんの行動をマネしても、挫折して、自己嫌悪に陥ってしまうのが関の山なのです。
快楽主義のワクワク系の人は...
もしあなたが、ワクワク系のスタイルだとしたら、「それが楽しいかどうか?」「ワクワクするかどうか?」を常に問いかけてください。
そして、少しでもNOならば、やり方を変えることをおすすめします。
カウンセリングの後、先ほどのAさんは、自分が心から楽しめる運動は何かを考え、もともと好きだった水泳を15分間行うように変えたことで、3年間も継続しています。
そして、1日15分間にした理由を、「1時間泳ごうとすると気が重たくなるけど、15分だともう少し泳ぎたいという気持ちを次の日に残せるから」と後日教えてくれました。
そう、ワクワク系モチベーションの方は、難しいことを考えずに、楽しく継続する工夫を考えてみてください。たとえば...
日記を書くとしたら:
テンションが上がる日記帳にして、気分を表現するシールを貼り、最悪の日だったときだけ書けばいいと決める。
英語を身に付けたいなら:
好きな映画を題材に、映画を再生してセリフの日本語字幕を確認。題材が楽しければやる気が上がります。そして1日15分程度からスタートします。
もう少し勉強したい気持ちを残して終えることで、次の日のモチベーションにします。英語学習の習慣を1カ月で定着させてから徐々にハードルと内容を変えていきます。まずは楽しむことを目標にするのです。
運動を続けるなら:
ジョギングやウォーキングばかりが運動ではありません。水泳、卓球、テニス、ヨガ、ダンスなど、好きな運動を考えてみましょう。
また、朝やるのか夜やるのか、1日でどれぐらいの時間をやるのかも重要です。運動不足などの課題や目的ではなく、カラダを動かすことでワクワクできる運動を選ぶことです。
片づけを面倒臭く思わないようにするなら:
完璧に片づけるというより、「1日15分間の片づけ」にして継続のコツです。まだ整理整頓が終わっていないからと、燃え尽きるまでやらないことがポイントです。
一方、自分を追い込む根性系の人は…
強い意思の力を存分発揮して、自分に厳しく、自分を磨き上げたいという根性系の方は、予定やノルマを設定して自分を追い込んでください。
数々のベストセラーを世に送っている幻冬舎の社長、見城徹氏は、多忙な毎日の中でも継続できるように、都内の複数のジムをと契約して一番近いところでトレーニングができるようにしているそう。やらざるを得ない環境に自分を追い込んでいるわけです。
根性系の方は、徐々に設定したノルマと気持ちも高めて続けてみてください。
さて、あなたが習慣を継続するスタイルは、ワクワク系ですか?根性系ですか?
あわせて読みたい
Image: Gettyimages