世界の見え方が変わりそう!
指をトントン叩くクセって、イラついてる?って周りの人から気にされたり、それが周りのストレス源になったりすることもあったり、できればやめたほうがいい気がします。でもSphero発の「SpecDrums」があれば、イライラからのトントンだって楽しい音楽になって、自分も周りもハッピーにできるかもしれません。
Spheroといえば、彼らが作ったBB-8のトイロボットは一時飛ぶように(転がるようにと言うべきか)売れてましたが、BB-8を含めてディズニーライセンスもののロボットはすべて販売中止になることが年末に発表されました。SpheroはBB-8だけじゃなくR2-D2とか『スターウォーズ』のいろんなキャラクターものを作ってノリノリのように見えてたんですが、映画の上映期間が終わると売上が激減して、山のような在庫だけが残っちゃったんだそうです。彼らは知育おもちゃに集中し直す戦略をとり、2018にはより賢くなったボール型ロボット「Bolt」を発売するかたわら、6月にはSpecdrumsという小さな会社を買収していました。それでこの製品を手に入れたわけですね。
SpecDrumsの使い方はシンプルで、指輪型デバイスを1本または複数の指に着け、何かをタップするだけです。本体は巨大なシリコンの指輪を裏表逆に着けてるような感じで、指輪であれば宝石がはまっている部分に、光学センサーとLED、バッテリーが埋め込まれてます。技術的に言うと、それはモバイルアプリと連動する小型のMIDIデバイスで、センサーが検知した色に基づいてアプリから任意の音を発することが可能です。
SpecDrumsでは、加速度計で物理的なタップを検知したときだけ白色LEDを発光させ、センサーが「見て」いるものを光らせます。下のGIFでは、キーボードをタップした直後の残光が見えると思います。このキーボードは本体とセットで付いてくるものですが、このSpecDrumsの面白さは、専用キーボードだけじゃなく物理的にタップできるものなら何でもその色を検知して、何らかの楽器の音やサンプリングした音、打楽器のビートなどなど、何かしらの音を返してくることです。
米GizmodoはCES2019の前にSpecDrums本体の最終版とアプリのアーリーアクセス版にアクセスできました。動作はシンセサイザーのようで、SpecDrums本体、またはアプリ画面をタップすることで、楽器の音やビート、エフェクトを出すことができます。それ以上の追加機能はまだ限られてましたが、今後の方向性が見える内容でした。
というのは、アプリで音を鳴らすためのデフォルトの色はほぼ何色にでも変えられて、操作も何らかのリアルな物体にSpecDrumsのセンサーをタップさせるだけです。また自分の好きな音をアプリで録音して、それを何らかの色とひも付けて再生させることもできます。逆に自分で編み出さなくても、色と音、音と音の組み合わせのセットはアプリからダウンロードすることもできます。そうした音のコレクションは、ハンズオン時点では多くはありませんでしたが、正式発売後には間違いなくもっと増えてくることでしょう。
そして演奏を記録できるということは、オンラインで自分のサウンドコレクションを共有することも(法的な問題はクリアした形で)いつか可能になるものと思われます。Spheroの他の知育おもちゃだと、ユーザーが作ったプログラムをユーザー同士で交換したり共有したりできるので、それと同じような感じになるかもしれません。
ただこの先、クラブのDJがみんなSpecDrumsをあらゆる指にはめて演奏するようになるかっていうと、これは多分そういう道具じゃありません。SpecDrums本体の反応はかなり良くて、何か本物の楽器を演奏しているかのようにも感じられますが、タップの仕方を間違えるとちゃんと音が出ないこともときどきありました。
たとえばオレンジをタップしようとしても転がってしまってうまくタップできなかったり、仮にコツをつかんでうまくタップできても、付属のキーボードのオレンジとの識別が難しかったりしました。Spheroいわく本体のセンサーでは数千種類の色が識別可能なんですが、デジカメのセンサーほど細かい識別はのぞめないようです。
でも1つ65ドル(約7,100円)、2つペアで買うと99ドル(約1万1000円)というお値段では、まあそれくらいかなと思える範囲です。SpecDrumsはプロのミュージシャン向けの道具というよりは、ミュージシャン志望の人が音で遊んで実験するためのおもちゃと言ったほうがよさそうです。でも少なくとも手遊びのおもちゃとしては、フィジェットスピナーよりは長く楽しめそうな気がします。発売は1月15日(日本国内は未定)です。
Source: Sphero