フリーランスと正社員のそれぞれのメリット、デメリットについては、さまざまな議論があります。フリーランスの数自体は増えていますが、フリーランスになりたがる人の数は減っているようです。
いずれにせよ、フリーランスには明確なデメリットが1つあります。それは、安定性が著しく欠如しているということです。
請負契約市場の「景気後退」を警告するForbesの記事によれば、フリーランスというライフスタイルが難しくなりそうな予兆がいくつか見られるそうです。この記事では、景気後退が始まる時期を、CNBNの記事から引用しつつ、2020年頃ではないかと推定しています。
ウォールストリートのエコノミストの多くが、2020年あたりまでは景気後退は起きないと考えている一方、株式市場の急落に伴う景気の悪化や金利上昇の懸念は高まっているとしています。銀行や証券会社が市場の不安を落ち着かせようとしているなか、S&P 500は2009年以来で最悪の年間市場実績を計上する見込みです。
予算の縮小が必要となったら、企業のマネージャは、正社員の数を減らすよりも、フリーランスの数を減らすことを選ぶはずです。
まだ景気後退の兆しを感じられないとしても、今から対策をとっておくべきでしょう。
1. 正社員の職に就く
もちろんこれは、誰もが選べる選択肢ではありません。正社員のポジションを見つけられないこともあるし、個人的な事情によりフリーランスのライフスタイルが好ましいという人もいるでしょう。
ただ、正社員の職に就けるチャンスがあるなら、やがて到来する景気後退に備えて、この選択肢を選ぶことも考えるべきです。
今しているフリーランスの仕事をどうしても続けたければ、たいていの企業では副業として続けることも認められるでしょう。副業にすれば、ポートフォリオの分散にもなるし、正社員としての恩恵を享受しながら、スキルを磨き続けることができます。
2. 貯金をする
景気後退に備えて予算計画と貯金をしっかりしておくべきだというアドバイスは、フルタイムでフリーランスをしている人にとっては耳慣れたものです。もし、推定どおりだとしたら、まもなく景気後退の波がやってきます。
貯金に対する意識をより高めておく必要があります。「景気後退」とラベルされた準備金をつくっておきましょう。もし実際には景気後退が起きなければ、2年後には自由に使えるお金が貯まっているということになるだけです。
また、生活を厳しい目で見直して、できる限り出費を減らす努力をしてください。そして、債務は早めに返済しておくようにします。こうしたことはすべてファイナンスの基本中の基本ですが、いままで以上に真剣に取り組む必要があるということです。
3. ビジネスの改善に取り組む
自分のビジネスをもっと価値あるものにできるでしょうか?
事業に投じているコストに比べて、どれだけのリターンを得ているでしょうか?
Forbesは次のように書いています。
あらゆる専門性には半減期があります。変化を起こすべきタイミングが来ているかどうかを判断しなければなりません。
あなたのビジネスは、お金の面から見て正しく経営されていますか? それとも、機材や顧客サービス、マーケティングなどに不必要なお金を使っている? もしあなたが、クラウドソーシングサービスを利用して請負仕事をしているなら、そのスタイルが自分のゴールに本当に合致しているか見直し、何かを変えたり、第2、第3のクラウドソーシングサービスを追加する必要がないかを検討しましょう。
商売の手を広げすぎてはいけませんが、企業が予算の削減に取り組み始めたら、どうしても必要ではないサービスからカットされるということは、よく理解しておきましょう。
つまり、今のうちから、自分の使用価値を高めておくべきだということです。
4. クライアントとつながっておく
私自身、フリーランスの仕事をもらっている企業のマネージャと、連絡をとれているかというと嘘になりますので、このアドバイスに従うのは少し難しいかもしれません。
とはいえ、企業の正社員にとっては、自分の上司に、どうやって仕事をすればいいか、どうすれば仕事を改善できるかを尋ねるのは、ごく普通のことです。
フリーランスもそうしてはいけない理由はありません。実際に尋ねてみることで、自分がどの方向に向かって成長すればいいかが明確になるはずです。
「なぜ私に仕事をくれるのですか?」とか「どうなったら仕事をくれなくなりますか?」と尋ねるのは、心穏やかなことではありませんが、思い切って尋ねれば、重要な顧客や市場から、自分がどう見られているのかに関する貴重な情報を得ることができます。
「引き続き、御社のフリーランスチームの重要なメンバーとして見てもらえるには、どのようなスキルを磨けばいいでしょうか?」と率直に聞いてみましょう。
5. ネットワークを広げ、維持する
これも簡単なことではありません。自宅で仕事をしている人ならなおさらです。しかし、いま十分な仕事があるからといって満足してはいけません。
常日頃から、ほかの仕事の可能性についても検討しておくべきです。そうすれば、大きな契約が終了したときにも、慌てずにもすみます。今のうちからネットワークを広げ、良好な関係を保っておけば、新しい仕事が必要となったときに、大きな助けとなるでしょう。
フリーランスをする上で最も困難なことの1つは、いつも仕事探しに追われてしまうところです。でも、そこがエキサイティングなところでもあります。とはいえ、人生がエキサイティングになり過ぎては困ります。今のうちからしっかりと備えをしておきましょう。
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Image: Fancycrave.com/Pexels
Aimée Lutkin - Lifehacker US[原文]