そんなの計測できちゃうんだ。
ニッチな美容系ガジェットを続々と発表しているL’OrealがCESでお披露目した最新作は、お肌のpHバランスを計測するスマートセンサー。米GizmodoのVictoria Song記者によるハンズオンをどうぞ。
去年のCESで、L’Oreal(ロレアル)はオシャレな小型紫外線センサーを発表しました。同製品は浴びた紫外線の量を計測して、環境的な要因に基づきユーザーに合わせたスキンケア方法を提案するはずのものでした。そして、実際にセンサーは謳われたとおりに機能したものの、アプリのコンテンツにおいては物足りなさを覚えたのです。しかし、L’Orealが今年発表した肌のpH値を計測できるセンサーのプロトタイプは期待できそうです。
pHから肌の健康状態がわかる
「The My Skin Track pH」は親指以下のサイズでかなり曲げやすく、シックなデザインの絆創膏のよう。プロトタイプを実際に触ってみると、コンパクトながらも頑丈に感じられたことに驚きました。これはまるで、SF映画の主人公が医者にかかる場面で見るようなタイプのデバイスです。
センサーは、毛穴から出る微量の汗を「マイクロ流体テクノロジー」を使ってとらえることで機能します。腕の内側にセンサーをくっつけて、中央のドット部分の色が変わるまで5~15分ほど置いておきます。その後、専用アプリ「My Skin Track pH」を起動して、センサーの写真を撮影。アプリが肌のpH値を読み取り、汗を分析し評価してお肌の健康状態を把握するという仕組みです。
生物のおさらいになりますが、pHは物質の酸性あるいはアルカリ性の程度を0~14の数値で示す尺度です。ゼロは強い酸性で14が強いアルカリ性、純水はちょうど真ん中の7にあたります。L’Orealによれば健康的な肌はほんのわずかに酸性でpHは4.5~5.5の間なんだとか。基準から外れたpHバランスは乾燥、湿疹そしてアトピー性皮膚炎といった肌の状態を示すことも。
去年のセンサーと同じく、My Skin Track pHはL’Oreal傘下のLa Roche-Posay(ラ ロッシュ ポゼ)がノースウェスタン大学の研究者たちと開発したデバイスです。つまり、不満に思う点も同じ、おすすめされるプロダクトがLa Roche-Posay製品に限定されるということに尽きます。そうはいっても、臨床検査室の機材を使う場合は別として消費者が肌のpH値を測れる機会はあまりないという点を考えれば、My Skin Track pHは画期的な製品です。
L’Orealは私が試してみる用のプロトタイプを用意していませんでしたが、このセンサーに注がれたリサーチの量を考えるとかなり期待できそう…! 同社のテクノロジー・インキュベーター/グローバル・ヴァイス・プレジデント Guive Balooch氏いわく、正確なデータベースを作るため、同デバイスは消費者への流通前に数カ月にわたってテストされるとか。
Balooch氏によれば、このセンサーは今年、全米のLa Roche-Posay提携皮膚科医を通して紹介されるそう。もっとも効果的な結果を得るためにはどんな頻度で肌のpH値を測定すべきかなど、学ぶことはまだたくさんあるので、そのリサーチが鍵となります。紫外線センサーは日に数回の同期が推奨されていましたが、Balooch氏いわくpHセンサーの使用はもっと定期的なものになるようです。月ごとの可能性の方が高いとか。
価格も現時点では未定です。センサーは再利用できないので、毎回使ったら捨てることになります。全体的な計画としては2019年後半のどこかで消費者直結型のデバイスが登場する予定とのこと。
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