近頃では、ホームシアターを自分でセットアップすることがますます容易になってきました。もう破産するほどお金を使う必要もありません。少し工夫するだけで、驚くほど安あがりに実現できます。
ホームシアターを構築するときによくやる過ちは、お金をかけすぎてしまったり、逆に節約しすぎてしまうことです。どの機材はなしでも済ませられるか、どの機材は再利用品でまかなえるか、どの機材は新しく購入すべきなのかを理解すれば、ホームシアター体験の質を犠牲にすることなく、制作費の節約が可能となります。
今回のガイドでは、ホームシアターを安価に構築する方法を解説します。
1. 一度に全部買わないこと!
準備段階における最も重要なアドバイスがこれです。
昨今のテクノロジーの進歩の速さを考えれば、すべての領域で、最先端かつ将来も陳腐化しない機材を一度に揃えることは簡単ではありません。すべての機材を一度に買おうとすれば、中途半端な結果に終わり、思ったよりも早く機材の買い替えが必要となるでしょう。
必要不可欠な機材だけを先に購入して、それ以外の機材はより安価な代替品でまかなうか、スキップしてしまいましょう。不可欠な機材を購入する際にも、耐用年数を調べたうえで、それに応じて予算を決めるようにします。
そのあたりについては追って解説しますが、とにかく、すべての機材を一気に購入するようなことはやめてください。少しずつ間をおきながら計画的に購入したほうが、将来的にも陳腐化しない機材を、ベストなタイミングで購入することができます。
2. いいテレビを買う。スマートOSは気にしなくてよい
4KとHDRの両方をサポートするテレビが理想的です。おそらくスマートテレビになると思いますが、オペレーティングシステムやインターフェースが気に入らなくても問題はありません。Blu-rayプレーヤーやメディアセンターを追加すれば、スマートテレビと同等か、それ以上のことができます。
MakeUseOfが推薦する、お手頃価格のベストな4K HDRテレビをチェックしてください。サイズはあなた次第ですが、ホームシアターにするなら、最低でも55インチは欲しいところです。基本的に、予算が許す限り大きなサイズを購入すればOKです。
3. プロジェクターにお金をかける必要はない
テレビの代わりにプロジェクターを使うこともできますが、全体で見ればコスト高となります。プロジェクターにはバックライトがないので、遮光カーテンや「Homegear 120HD」のようなプロジェクションスクリーンを追加購入しなければなりません。
執筆時点では、4Kの解像度とHDRをサポートする優れたプロジェクターは、同じサイズのテレビよりはるかに高価となっています。いずれにせよ、大画面テレビを買うつもりなら、プロジェクターを買う理由はほとんどありません。
4. 古いPCの再利用を考える
おそらく、家のどこかに使われなくなったPCやノートパソコンが放置されているか、そうなっている知り合いがいるかと思います。そうした古いPCを再利用して、優れたメディアセンターPCを構築することができます。これは、優れたホームシアターシステムを最も安価に手に入れる方法でもあります。
いくつかのアイテムを追加する必要があったとしても、古いPCを再利用するほうが、新しい機材を買うよりも安くメディアユニットを構築できます。新しい機材が「Raspberry Pi」だとしてもそれは同じです。MakeUseOfはRaspberry Piの大ファンですが、「Pi ホームシアター」ではできないことがいくつかあります。
PCが備えている柔軟性は、RokuやChromecastを使っても得られません。PCならRokuやChromecastなどのストリーミングデバイスが実行できるタスクをすべて実行できますが、その逆は不可能です。
さらに重要なのは、PCには拡張性があることです。 4K Blu-rayドライブを追加したり、オーディオカードやCPUをアップグレードすることができます。グラフィックカードを追加してゲームコンソールにすることも可能です。
家に使っていないPCがなければ、「Sony UBP-X700」を購入しましょう。素晴らしい4K Blu-rayプレイヤーで、主要なストリーミングサービスをすべてサポートしています。
5. スピーカーは安いのでよい
「大きければ大きいほどよい」の考え方でスピーカーを買ってはいけません。スピーカーの良し悪しは、セットアップの仕方と、内部コンポーネントの品質で決まります。
自分の部屋に合ったスピーカーを買う必要があります。狭いリビングルームに、9.1チャンネルをセットアップするのはやりすぎです。サテライトスピーカーを後ろに配置するか、側面に配置するかに応じて、バイポールにするのか、ダイポールにするのかを考える必要もあります。
専門用語が多くて混乱するかもしれませんが、重要なのは、自分の環境に合ったスピーカーを買うべきだということです。友人の家にかっこいい「7.1 Boseスピーカー」があったからといって、あなたも同じものを買う必要はありません。
ホームシアターシステムは、デフォルトで 5.1 に設定されています(すなわち、5つのサテライトスピーカと1つのサブウーファがある)。 何を買うかを決める前に、各スピーカーをどこに置くか、配線はどうするかなどを詳しく決めておく必要があります。
6. ユニバーサルリモコン:古いAndroidや安いものでもOK
どんなHTPCにも、接続デバイスを管理する優れたリモコンが必要です。こうしたリモコンは、ユニバーサルリモコンと呼ばれます。ベストな選択肢は「Logitech Harmony 650」ですが、予算を節約したい人は、そのほかの選択肢もあります。
古いAndroidスマホやタブレットが手元にあるなら、PC用のリモコンとして使うことができます。Playストアに行けば、Androidデバイスにさまざまなガジェットを設定できるアプリがたくさん揃っています。唯一の問題となるのは、あなたのAndroidに赤外線送信に対応していない場合です。
再利用できるAndroidがない場合は、わずか数ドルの安いユニバーサルリモコンでもOKです。
7. テクノロジーだけではない
テクノロジーは、ホームシアターを構成する要素の一部でしかありません。機材を収容する素敵なキャビネットや、快適なソファやリクライニングチェア、冷たいビールを入れるミニ冷蔵庫なども必要なはずです。こうしたコストも予算に入れるのを忘れないでください。
幸いなことに、この分野では、無料や格安でアイテムを入手するチャンスがたくさんあります。地元のエステートセールやガレージセール、オンラインの個人取引マーケットなどをチェックしてみましょう。安価で質の高いアイテムを見つけられると思います。
また、地域のCraigslistでFree Stuffセクションをチェックすれば、掘り出し物が見つかるかもしれません。
8. お金をかけてよい唯一の機材:レシーバー
レシーバーはホームシアターのなかで最も過小評価されている最も重要なアイテムです。ここでも節約することはできますが、MakeUseOfとしては反対のことをアドバイスします。
レシーバーを、PCにおけるCPU、車におけるエンジン、ハンバーガーにおけるパティのようなものだと考えてください。レシーバー選びに失敗すると、すべてが台無しになります。適切なレシーバーを入手すれば、ほかの機材で妥協しても、それなりの品質のホームシアターを構築することができます。
多くの人にとって、低予算でベストなレシーバーは「Yamaha RX-V485」です。
ホームシアターをワンランク上へ
MakeUseOfとしては、ホームシアターに不可欠な機材は、画面、レシーバー、メディアプレーヤー(またはPC)、スピーカー、そしてユニバーサルリモコンだと考えています。
とはいえ、こうした機材はあくまでも必要最低限なのであって、ホームシアターは、快適なソファやリクライニングチェアなしには完成しないと言う人もいるし、3Dをサポートしていないのであればホームシアターではないと考える人もいます。
初期費用は安く済ませて、時間をかけながら少しずつアップグレードしてみてください。時間がたてば、リビングルームでIMAX体験ができるような環境ができあがっていることでしょう。
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Image: P11irom/Shutterstock.com
Source: YouTube, Amazon(1, 2, 3, 4)
Original Article: How to Build a Home Theater on the Cheap by MakeUseOf