レビュー

危険な無人島から生還するために全員で協力して必死のサバイバルに挑戦する「Ravine」プレイレビュー


飛行機で無人島に墜落した乗客が、島を探索しながらアイテムを集めて、救出されるまで全員で協力しながら生き延びるという極限状況をカードを使って体験できるゲームが「Ravine」です。Kickstarterで7500ドル(約81万円)の目標金額に対し、316677ドル(約3400万円)を集めて製品化されました。そんな「Ravine」の実物がGIGAZINE編集部に届いたので、実際に遊んでみました。

Ravine
https://www.playravine.com/


「Ravine」のパッケージはこんな感じ。無人島とその渓谷に墜落する飛行機のイラストが描かれています。プレイ人数は3~6人、対象年齢は10歳以上が想定されています。


内容物は説明書とトークンを入れる麻袋、ハートのトークン(手駒)が36個、たき火が描かれたトークンが1個、そして6種類のカード。


ハートのトークンには、表面に黒く塗られたハートマークが、裏面にバツ印の書かれたハートマークが描かれていました。


たき火の描かれたトークンはハートのトークンの倍ぐらいの大きさがあります。また、たき火を裏返すと火が消えてしまったトーチが描かれていました。


使用するカードは6種類。裏に地図とコンパスが書かれているカードは、ゲーム中で生存者が生き延びるために必要な「Forage(探索)」カード。ウサギや魚などの食料や、木の枝や石などの素材が書かれています。


Craft(工作)」カードは集めたForageカードの素材から作ることができる便利アイテムである「石やり」「カゴ」「小屋」が描かれています。


プレイヤーに1枚ずつ配られる「Crafting Guide」は、どんなForageカードを何枚集めればCraftカードがゲットできるのかというレシピを記したもの。


飛行機と航空地図が書かれたカードは「Wreckage(残骸)」カード。表面は旅客機のチケットを模したデザインとなっていて、プレイヤーの名前や飛行機の座席番号と共に、初期アイテム1つとその効果、使用回数が記されています。無人島に放り出された生存者たちは、このWreckageカードに書かれたアイテムを握りしめて、脱出まで無人島を生き延びなければなりません。


しかし、生存者の前に立ちはだかるのは無人島の大自然。「Night(夜)」カードを夜フェイズに引くことでさまざまなイベントが発生します。静かで何もない夜もあれば、大嵐で生存者の体力をごっそりと削っていく夜や、超自然的な何かの呼び声で寿命が縮むような思いをする夜も。ただし、画像左で手に持っている「The Rescue(救出)」を引くことで、生存者全員が無人島から脱出できます。このゲームの目的は、The Rescueを引くまで、時には協力もしながらとにかくライフを失わないこと。


無事に夜を生き延びても、体力が極端に減ってしまったプレイヤーは精神に異常をきたしてしまうため、「Madness(狂気)」カードを1枚引き、書かれているミッションを遂行しなければならないのがこのゲームの大きな特徴。例えば、以下の画像のカードは「Blind Rage(我を忘れるほどの怒り)」というもので、これを引いたプレイヤーは体力が回復するまで目を覆うか閉じるかしなければなりません。


プレイヤーにWreckageカードとCrafting Guideを1枚ずつ、ハートのトークンを6枚配ります。CraftカードとMadnessカードとForageカード、そしてNightカードのうち8~12枚を場に配置します。場に配置するNightカードが多ければ多いほど脱出までの日数が長くなるため、ゲームの難度は枚数で調整可能。


続いてプレイヤーの体力を決定します。ハートのトークン6枚のうち3枚は表を向け、残り3枚はサイコロを振る要領で場に振ります。最終的にトークン表(黒く塗られたハート)の数の合計がプレイヤーの体力となります。例えば以下の画像では、表のハートは1枚だけ出たので、ハートは全部で4つです。


さっそくゲームスタート。最初は「夜フェイズ」から始まるので、Nightカードを1枚めくってみると「Heavy Rain(大雨)」でした。各プレイヤーは体力が2つ減ってしまいます。


しかし、生存者の1人が、墜落した飛行機からTarp(タープ)を持ってきていました。Tarpはプレイヤー1人だけを天候イベントから守ってくれるという初期アイテム。初期体力が低かったため、大雨でいきなり瀕死(ひんし)になりかけた仲間を守るため、Tarpを使ってかばってくれました。このように、アイテムを自分のために使うだけではなく、他人のために使ってお互いを支え合いながら進めていくのがこのゲームの肝となっています。


それでもTarpで守れるのは1人だけ。大雨で体力が残り1つという瀕死状態になった生存者は……


精神に異常をきたしてしまい、Madnessカードを引くことに。「体力が残り1の状態」で夜フェイズが明けてすぐの「ヘルスチェックフェイズ」を迎えた生存者は、Madnessカードを1枚引かなければなりません。


めくったカードは「Tiny Dancer(小さなダンサー)」で、体力を1つ回復するまで決して止まることなく踊り続けなければならないというもの。


仕方なくその場で慣れないステップを続ける生存者。


ヘルスチェックフェイズが終了すると、探索フェイズを迎えます。各生存者は自分の残存体力から最大3つまでハートを消費して……


消費したハートの数だけForageカードを引くことができます。


Forageカードを引くことで、体力を回復できる食糧がゲットできるほか……


ヤリやカゴなどのCraftカードを入手するための素材もゲットできます。例えば以下の画像で交換している「Spear(石やり)」は……


コウモリやクーガーなど、野生の動物が夜中に襲ってきても撃退することができ、生存者1人を守ることが可能です。


また、Wood(木)を1枚消費することで、1晩だけたき火を起こすことができます。


たき火を起こすと、その日の夜に襲いかかる野生動物や超自然的なイベントを無効化することが可能。ただし、雨が降った翌日は火を起こせないといった制限が存在します。


所有する素材は生存者が個人で所有しますが、全員で共有することもできます。3人のもつ素材をかき集めて交換する「Shelter(小屋)」のカードは……


大雨や「The Sleet(みぞれ)」などの悪天候から3人の生存者を守ってくれる超便利アイテム。「さっき大雨で大変な目にあったから作っておきましょう」と声をかけあい、無人島に小屋を建てました。


探索に体力を使い切っても回復ができなかったり、夜中に野生動物や悪天候に襲われて体力をすべて失ってしまった生存者は命を落としてしまい、生き残って島を脱出することができずにゲームオーバーとなります。


ただし、Forageカードに4枚だけ含まれている「Bone Pile(骨の山)」をすべて集めると、無人島の秘められた不思議なパワーによって1人だけ死者を復活させることができます。


探索でゲットできるForageカードは生存者にとって有利なものだけではありません。例えば、Mushrooms(キノコ)は食べると幻覚を見てしまうのか、体力にかかわらずMadnessカードを引かなければなりません。以下の場面でキノコを食べてしまった生存者が引いたカードに書かれていたのは……


手持ちのカードをすべて放り投げて、表になったカードだけ手元に残すことができるというミッションでした。


編集部員5人でプレイしてみたところ、大雨やアライグマの襲撃によって着実に体力を奪われ、5人のうち3人が命を落とし、残り2人が体力1の状態でなんとか生き延びた場面が以下の画像。ヘルスチェックで引いたMadnessカードは「Showdown(対決)」というカードで、指相撲か腕相撲でプレイヤーが戦い、敗者はライフを1失ってしまうというもの。


生存者はお互いに体力が1、負ければ即死亡で無人島からの生還失敗となる状況となりました。「ここまであんなに協力してきたのに最後の最後でなぜこんな戦いをしなければならないのか」と言いながら、本気で腕相撲をする2人の生存者。


腕相撲の結果生き残った編集部員が、次の夜フェイズでNightカードをめくると「The Rescue」カードが登場。最終的に仲間だったはずの生存者を踏みにじっての脱出となり、無事脱出できたもののなんとも後味の悪い結末を迎えました。


実際にRavineをプレイしてみると、食糧やアイテムを共有しながら全員で協力しながら生存を目指すという部分は非常にユニークで、「体力が少ないからぼくの持っている川魚を食べて回復してください」「一緒に小屋を作りませんか」など、生存者同士で積極的に声を掛け合いながらプレイするのが楽しいポイントでした。Nightカードの枚数で難度やプレイ時間を調整できるので、アナログゲームをあまり遊んだことがない人でも楽しめるゲームとなっています。なお、3人~6人でプレイしたところ、人数が増えるほど入手できるアイテムが増えるため、生存しやすい状況になります。

一方で、せっかく「無人島を生き残って脱出を目指す」というシビアな世界観なのに、Madnessカードの内容が世界観に沿ったものではないのが残念な部分でした。中には「相手をハグする」「相手の家族の名前を言い当てる」「隣の人の耳元でささやくようにして会話する」など、宴会の場で行われる罰ゲームのような内容も多く、人によってはかなり嫌悪感を示すものも。そのため、プレイする際はあらかじめMadnessカードを間引いたり、Madnessカードの代わりに別の罰則を用意するなどの工夫をするのもアリ。


Ravineは以下のサイトで、22ユーロ(約2700円)で購入可能です。ただし、日本への送料として別途15ユーロ(約1900円)が必要となります。

Buy Ravine — Ravine
https://www.playravine.com/buy-ravine

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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