1960年に思い描いた「空飛ぶ病院」は、ある意味もう実現しているのでは?

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  • author Matt Novak - Gizmodo PALE OF FUTURE
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1960年に思い描いた「空飛ぶ病院」は、ある意味もう実現しているのでは?
Image: Gizmodo US

当たらずともそう遠からず。

大変だ、急病人だ! 今すぐお医者さんにみてもらわないと。でも、ここは無医村、どうしたらいいの…。こんな時、ひと昔の人が思い描いた未来では、空飛ぶ病院がヒュイーンとやってきてくれます。

1958年から1963年に発行された、想像される未来をイラストで掲載した新聞Closer Than We Think。アーティストのArthur Radebaugh氏が、電気自動車防水ドームハイテク学習机など、さまざまなイラストを描いています。

その中でも1960年4月10日の新聞に掲載されたのは、遠隔地に派遣される空飛ぶ病院。戦地や災害を想定しているのか、イラストでは壊れたビルなどが描かれており、陸の孤島溶かした現場上空に病院が浮かんでいます。1960年に描かれた未来は、今になってもまだ未来だなぁなんて失笑したところで、ふと真顔になりました。当たらずとも遠からず。これ、今の世の中でそこそこ現実になりつつありますよ!

形は違えど未来への第一歩は踏み出している

空飛ぶ病院=空から遠隔地に医療提供と考えたらどうでしょう。先月、バヌアツ政府とUNICEF、オーストラリアのドローン企業のタッグにより、歴史的な医療デリバリーが実現しました。世界初、ドローンで届けられたワクチン接種が行なわれたのです。予防接種を受けたのはJoy Nowaiくん、なんと生後1カ月。

Closer Than We Thinkの記事にある、軽量かつ組み立て可能な空飛ぶ病院実現はまだまだ先、実現されるかもわかりません。が、医療を遠隔地に空から届けるという本質は、すでに絵空事ではありません。今回のワクチン配達は、まさに1960年に描かれた未来の姿への1歩ですよね。

ひと昔に思いえがいた未来の姿やSF映画を侮ってはいけません。すべては、こうなったら便利だな、こうなったらかっこいいなという、人間の妄想、想像力から始まるのです。

Closer Than We ThinkのイラスレーターであるArthur Radebaughさんとその作品については、ドキュメンタリーも制作されています。予告編がこちら。

このイラストで描かれた未来は、思っているより近くにあるんですよ。

Source: Twitter