新しい1年が始まりました。これを機に、オンライン写真を整理したり、アカウントのパスワードをより安全なものに変えたり、ブラウザのブックマークを整理したりなど、デジタルライフを全面的に見直してみてはいかがでしょうか。
アカウントのアクセス権を家族や友人に与えるべき理由
ここでひとつ、検討してもらいたいことがあります。それは、あなたに何かがあったときのために、家族や友人にあなたのアカウントにアクセスする手段を与えておくということです。
言いたいことはわかります。米Lifehackerはこれまで、しつこいくらいにセキュリティの向上を訴えてきました。それなのに、自分以外の誰かにデジタル王国への合鍵を渡せだなんてどういうことだ?と思ったはずです。
しかし、人生は何が起きるかわかりません。2019年のあいだにアカウントをハッキングされて、ログインもできなければ、アカウントの回復もできなくなるという事態に陥らないともかぎりません。
そうなると、あなた自身もデジタルライフから閉め出されてしまうし、他の誰かに迷惑をかけてしまうことにもなります(ハッキングされたことを友人知人に連絡することすらできなくなる)。
ですので、そうした事態に陥ったときに、愛する人や信頼できる友人が、あなたのアカウントにアクセスすできるようにしておくことは、検討に値することなのです。
単純に、信頼できる誰かに、自分のログインIDとパスワード(と2要素認証を通過する手段)を教えておくこともできますが、サービスによっては、アカウントの回復をほかの誰かに手伝ってもらえる機能が用意されています。
以下に、こうした機能を提供している主要サービスと、そのセットアップ方法を紹介します。
この巨大ソーシャルメディアサービスは、何年も前から「信頼できる連絡先」機能を提供しています。あなたのふりをしてログインして、あなたのデジタルライフをあさりまわることなど絶対にないと信じられる家族や友人の1人(あるいは何人か)を指名して、自分ではログインできなくなってしまったアカウントの回復を手伝ってもらうことができます。
この機能を使うと、指定してあった友人や家族に、特別なコードを送ることができます。そのコードを自分宛てに送ってもらい、アカウント回復用のページに入力すれば、アカウントにログインして、パスワードを変更したり、認証セキュリティを追加することができます。
少し重い話になりますが、あなたが突然この世を去ってしまう可能性に備えて、「追悼アカウント管理人」を指名しておくこともできます。
追悼アカウント管理人は、あなたの代わりに、最後のメッセージを投稿したり、友達リクエストに対応したり、プロフィール写真やカバー写真を更新したり、アカウントの削除をリクエストすることができます。
Googleではできることがもう少し制限されています。自分以外の誰かを正式な「再設定用の連絡先」として指定する方法はありません。とはいえ、あなたの電話番号やメールアドレスがすべて使えなくなったときのために、信頼できる友人の電話番号やメールアドレスを再設定用の連絡先として設定しておくことはできます。
また、あなたに悲劇的なことが起きた場合を考え、友人を「アカウント無効化管理者」に指名しておくこともできます。
あなたがGoogleアカウントに一定期間(3カ月、6カ月、12カ月、18カ月)ログインしなかった場合に、Googleから、あなたが選んだ10人までのユーザーに、通知を自動送信してもらうことができます。
また、指定したユーザーにどのGoogleデータを共有するかを選択したり、アカウントが正式に非アクティブになってから3カ月後にアカウントのすべてのデータを自動的に削除するようにリクエストしておくことも可能です。
Apple
法廷で勝つスキルを磨きはじめたほうがいいかもしれません(Appleは遺族による、故人のApple IDパスワードの開示要求を拒否した)。Apple IDには、「アカウントの回復」ができる、自分以外の誰かを正式に指名しておく機能はありません。
もし不幸なことが起きて、あなたのアカウントに遺族がアクセスする必要が生じても、Appleがそれを許す保証はどこにもありません(法的な手段をとる以外では)。Appleの利用規約には次のように書かれています。
別途法令に定めがある場合を除き、お客様は、お客様のアカウントが譲渡不能なものであることおよびお客様が死亡した場合にはお客様のApple IDまたはお客様のアカウント内にあるコンテンツについて一切の権利が消滅することに同意します。
死亡証明書またはそれに準ずる証明書の書面を受け渡した時点をもって、お客様のアカウントを終了し、お客様のアカウント内にあるすべてのコンテンツを削除することができるものとします。さらなる支援については、iCloudサポート(support.apple.com/ja-jp/icloud)までお問い合わせください。
あなたができる最善の方策は、信頼できる人に自分のAppleデバイスへのアクセス許可を手動で与えておくことです。信頼できる人の指紋をTouch IDに登録するか、その人の顔をあなたの「もう一つの容姿」としてFace IDに登録しておきましょう。
あるいは、緊急の場合にのみ使用するMacパスワード教えておくか、その人を心から信頼できるなら、あなたがふだん使っているApple IDパスワードを教えておいてもかまいません(不明なデバイスからログインしたときにAppleから送られる本人確認をパスする手段も提供しておきましょう)。
ログインIDとパスワード(それから、2要素認証をパスする手段)を教えておく以外に、ほかの誰かにアカウントの管理権限を渡す方法はありません。
もし、身近な人が何らかの理由でTwitterにアクセスできなくなった場合(たとえば、この世を去ってしまう)、その人のアカウントを削除するには委任状(または死亡証明書)が必要となります。そうした書類が用意できない場合は、誰であれ故人のアカウントにアクセスすることはできないと、Twitterは言っています。
注意:アカウントのログイン情報は、故人との関係によらず公開できませんので、ご理解いただけますようお願いします。亡くなられた利用者のメディアについては、こちらをご覧ください。
1Password / LastPass
私たち米Lifehackerは強力なパスワードマネージャーの大ファンです。
そして、あなたに何かがあったときに、あなたのデジタルライフ全体へアクセスする権限を誰かに渡すには、ログインIDとパスワードがすべて詰まった保管庫にアクセスしてもらうのが一番であることは言うまでもありません(もちろん、設定されているすべての2要素認証をパスする手段も与えなければなりませんが)。
1Passwordの場合、事前に誰かをファミリーオーガナイザー(family organizer)かチームアドミニストレーター(team administrator)として指名しておけば、アカウントの回復を手伝ってもらうことができます。
言い換えれば、あなたが料金が少し高くなるファミリープランに登録していない通常の1Passwordユーザーである場合は、この選択肢はないということです。
とはいえ、誰かにエマージェンシーキット(Emergency Kit)を渡しておくという方法が残されています。このキット(超重要な「秘密鍵」も含まれる)があれば、ほかの誰かにあなたのアカウントにログインしてもらうことができます。このキットはとても強力なので、絶対に信頼できる人にだけ共有してください。
LastPassの場合、緊急アクセス機能を利用することで、信頼できる人に、あなたの保管庫にあるログインIDやパスワードへのアクセス権限を与えることができます。
緊急の連絡先に指定する相手は、有効なLastPassアカウントを持っている人でなければなりません。緊急の連絡先に指定されたユーザーが緊急アクセス(Emergency Access)をリクエストすると、あなたの元へ通知が送られます。
あらかじめ設定した待期期間内にリクエストを却下しなかったり、できなかった場合は、そのユーザーにあなたの保管庫にあるすべてのログインID、パスワードが開示されます。
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Image: Natasa Adzic/Shutterstock.com
Source: Facebook(1, 2), Twitter, Google(1, 2), Apple Insider, Apple, 1Password(1, 2, 3), Logmein
David Murphy - Lifehacker US[原文]