シビック TYPE Rでも、インテグラ TYPE Rでもなく。
物心がつくと綺麗サッパリ忘れてしまいますが、私たちはお母さんのお腹にいたとき、胎内音をBGMに穏やかな時間を過ごしていました。なので泣いている赤ちゃんをあやすために、スピーカーが仕込まれたぬいぐるみや、動画で、擬似的な胎内音を聞かせる方法もあります。
そこでホンダは、車のエンジン音に秘められた効果を気づきました。胎内音とエンジン音の周波数が似ていたのです。
そんなに不思議なことではない
胎内音とエンジン音の周波数が近い、というのはちょっと意外かもしれません。
ですが、夜泣きする赤ちゃんを車に乗せて近所をドライブするなんてのは育児あるあるで、親に運ばれるときに安心する輸送反応という本能と、車のエンジン音で、赤ちゃんが落ち着くという効果は広く知られています。
子宮で聞こえる胎内音は、血流音や心音などの低い周波数の音なのですが、ホンダ車のエンジン音もまた、250Hz以下の低い周波数を含んでいたのです。
30車以上から選ばれたNSX(2018)
ホンダは30車種以上のエンジン音を調べ、最も胎内音に近い音を3種選びました。全車種気になるかたはこのPDFをご覧あれ。たとえば、検討されたのは、Integra Type R(2001年)や、S2000(1999年)。そして、一番周波数が近かったのが高級スポーツカーのNSX(2018)だったのでした。
ではここで、NSXのエンジン音を聞いてみましょう。
そしてホンダは、NSXのエンジン音が出るスピーカーをクッションに仕込みました。そのクッションから、泣いている赤ちゃんにエンジン音を2分間聞かせ、表情や心拍数の変化を調査。その結果12人中11人に効果が見られ、7人の心拍数が安定したことを確認したのだそうです。クッションにどんな音が仕込まれたのかは、公式サイトで聞けます。
NSXの音がするぬいぐるみ
最終的に、こんなぬいぐるみとして完成しました(どうせならNSXに寄せて欲しかった)。
とても面白い試みですよね。「ウチにも是非欲しい!」と思うご家庭は多そうですが……このクッションは非売品です。なので素直に、胎内音が出るその他のガジェットか、NSXを買いましょう。
Source: HONDA via designboom