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ソニー「α9」大幅機能強化。AI活用で被写体を追尾、α7/7R IIIも

ソニーは、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α9」の大幅なソフトウェアアップグレードを3月より順次実施する。AFや画質の進化に加え、操作性も向上。特にAFでは、AIを活用した最新アルゴリズムにより、動く被写体を高精度に認識し追尾し続ける「リアルタイムトラッキング」を新たに搭載。人間の瞳にAFを合わせる「リアルタイム瞳AF」は、高速・高精度・高追従性をさらに追求、人間だけでなく、動物への対応も予定している。

フルサイズミラーレス一眼カメラ「α9」

また、α7R III、α7 III向けにも、「リアルタイム瞳AF」の動物対応を含むソフトウェアアップデートの予定が発表された。

α9の主なアップグレード内容

3月頃にVer.5.0のソフトウェアアップデートを予定。その後、夏頃にVer.6.0を提供予定。

AFの強化では、狙った被写体を自動検出・追尾し続ける、新開発「リアルタイムトラッキング」を搭載。AIによる物体認識を含む最新のアルゴリズムの採用で、被写体との距離、模様、輝度などの空間情報を高速に検出。複雑な動きやスピードに緩急のある動体でも、高精度に認識して追尾し続けるという。

特に被写体が人物や動物の場合は、AIにより瞳の位置情報を並行してリアルタイムに認識。これは静止画・動画どちらでも利用可能。カスタムキーに「押す間トラッキング」を設定しておけば、狙ったタイミングに追尾を開始することも可能。タッチトラッキングを設定すれば、モニター上をタッチして追尾する被写体を選べる。

AIによる物体認識で、瞳を検出するリアルタイム瞳AF機能が進化。AF-C(コンティニュアスAFモード)時もシャッターボタンを半押しするだけで、瞬時に被写体の瞳を検出し続け、高精度に追従する。

フォーカスする瞳を「オート」「右目」「左目」から任意で選択したり、「右目/左目切替機能」でカスタムボタンを押すたびに左右を切り替える設定も可能。なお、動画撮影時は「瞳AF」に対応しない。

Ver.6.0では、一部の動物にも対応予定。野生動物やペットの瞳も高速・高精度に検出し、追従できるという。

進化したアルゴリズムを採用することで、像面位相差検出AFセンサーの活用領域を拡大。AF-Cかつ連写時にオートフォーカスが可能な絞り値をF11からF16に拡大し、屋内スポーツなど照度の低い環境でも性能が向上。スローシャッター時の絞り値を大きく設定した撮影でも、迅速に自動でフォーカスを合わせる。

動画撮影時には、位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用したファストハイブリッドAFのうち、位相差検出システムをより効果的に活用することで、AFの精度・速度が向上。被写体の手前を何かが横切った場合や、絞り値を大きく設定した撮影時でも、スムーズでふらつきの少ないピント合わせが可能とする。

モニター画面上の被写体にタッチしてフォーカスを合わせるタッチフォーカスに加え、新たに液晶モニター上を指でなぞることでスムーズにフォーカスの位置を変更できるタッチパッド機能にも対応。タッチトラッキング機能を設定しておくと、タッチによる被写体の選択と追従も可能。

カメラ内のJPEG生成アルゴリズムも最適化。より滑らかな階調表現を実現した。連続撮影モード時に、短い間隔の連写を繰り返す場合の、オートホワイトバランスの正確性・安定性も向上。全体的な色再現性が向上する。

前後ダイヤルや背面コントロールホイールの柔軟なカスタマイズに対応する「マイダイヤル」機能も追加。メモリーカードの容量オーバー時に、もう一方のメモリーカードに記録先を自動で切り替えるリレー記録、撮影した静止画に5段階で設定できるレーティング機能、再生時の一覧性が向上する連写グループ表示も追加。

Ver.6.0ではインターバル撮影に対応し、タイムラプス用の画像をカメラだけで撮影可能。撮影後は、PC用アプリ「Remote」、「Viewer」、「Edit」で編集し、タイムラプス動画が作成できる。

プロ向けの画像転送アプリ「Transfer & Tagging add-on」と連携し、FTPバックグラウンド転送や、画像の転送後にモバイル機器上でのIPTCメタデータ付与なども新たにサポートする。なお、アプリに関しては別記事で掲載している。

プロ向けの画像転送アプリ「Transfer & Tagging add-on」
Sony | Imaging Edge | Transfer & Tagging add-on l Realize mobile instant delivery

α7R III/α7 IIIのアップデート内容

α7R III/α7 IIIのソフトウェアVer.3.0へのアップデートは、4月頃を予定。AIを活用した新技術により、リアルタイム瞳AF機能が進化。AF-C時もシャッターボタンを半押しするだけで、リアルタイムに被写体の瞳を検出し続け、高精度に追従する。

さらに、一部の動物にも対応予定。これにより、野生動物やペットの瞳も高速・高精度に検出し、追従できるとする。

インターバル撮影機能も追加。タイムラプス用の画像撮影をカメラだけで撮影可能。撮影後は、PC用アプリ「Remote」、「Viewer」、「Edit」で編集し、タイムラプス動画が作成できる。