もっともメタな企業はどれ?
1月9日から12日まで、ラスベガスで開催された「CES 2019」。ここでは毎年、ワイルドだったりステキだったり、数年以内に我々が目にするであろう、最新技術の限界を押し上げる電化製品が並びます。
ほとんどが私たちを驚かせ、手にするのが待ち遠しくなるなるようなものばかりですが……人々が注目する舞台の脇では、取るに足らないけどジワる光景が広がっていたりするのです。
そこで今回は、独断と偏見で選抜した「完全非公式:CESメタ・アワード2019」をお届けします。
Google:どこにいてもイヤってほど見かけるで賞
2018年のCESより3倍の資金を注ぎ込んだというGoogle(グーグル)。会場内ではローラーコースターも設置されていましたが、その使い途の多くが広告費だったようです。
モノレールやショッピング・モールの電光掲示板、大きな壁面があるところにも「Hey Google」の広告で、ベガスの街を席巻していました。トリビアが詰まった巨大ガチャガチャなども置かれ、何百、何千万人が「Hey Google」を目にすることになったのです。
それは完全に街を離れるまで、Googleから逃れることはできなかったほど。Googleに囲まれて生きる我々の、現実世界とちょっと似ていますね。
Apple:不参加なのに存在感だけアピールしたで賞
CESには参加しないのに、ちゃっかり15mもの巨大な広告を出したApple(アップル)。「iPhoneで起きたことは、iPhoneにとどまる」なんてセキュリティーの高さを謳っていますが……2014年に起こった、iCloudハッキングによる著名人プライベート写真大量流出事件はどうなんでしょうね?
LG:最優秀クラウド賞
多くの大企業はテーマに沿ってブースを作っていました。たとえば今年のSamsung(サムスン)は、スマート・ミニ・シティーで、ソニーは映画のセットのようでした。そして波打つディスプレイを床から天井まで敷き詰めたLGは、「雲」だったのでした。ラップトップが置かれた台も、綿あめみたいなフワフワに包まれていました。
すっごく眠たかったで賞
机と椅子だけで眠りこけている、「Shenzhen 3iRobotics Co, LTD」ブースのオッサンしかり、来場者にバレないようブースの間の暗い通路で眠る人しかり、大規模なイベントでは出店者も来場者も疲れて眠くなるのは良~くわかります。
とりわけこのふたりは、中央ホール横で煌々と明かりが照らし、9m先ではライヴ・ステージが派手な演出をし、尚かつ何千人もが往来する大廊下のベンチでグッスリ。そこはかとなく漂う哀愁が胸を打ちます。
Haier:最厚絨毯賞
いかにして始まったのか定かでないものの、毎年このコンベンション・センターでは、どこの企業がもっともブ暑い絨毯を敷くかという秘密の競争が行なわれています。ブースからブースへと渡り歩くとき、マッシュルームの上を歩いているような気分にもさせる彼らの絨毯。
HisenseもAlibabaも厚めでしたが、一番ブ厚かったのは5cmほどあったHaier。ホテルのベッドよりもフカフカでした。
……どれも中国の企業なのが興味深いですね。
Ozobot:ブースが無駄遣いだったで賞
CESでブースを借りるのは結構なお金がかかります。しかしながら、今年は例年よりスペースの有効活用ができていないブースが多い気がしました。
そのさいたる例が、およそ46平方mあるOzobotのブース。そこは小さなCESの殿堂みたいなもので、2014年に登場した小さなロボットを、台座に小ぢんまりと展示した場所でした。
なんだか美術館の一部屋みたいに芸術的で崇高な気もします。ある意味、効果的な展示方法だったかもしれませんね。