知らぬ間に違う商品を注文したことに操作できちゃうから、だそうです。
2015年、Amazon(アマゾン)がDashボタンを販売し始めたとき、それはエイプリル・フールの冗談のように思えました。すべてをアホみたいに簡単に購入しやすくさせることで築かれた帝国から、さらに考えなしにボタンひとつで消費欲を満たせるドーパミン発生装置が生まれたのです。
当初、Wi-Fi接続ボタンで購入できたのは洗剤、ペーパータオル、マカロニ&チーズ、ボトル入り飲料水などの基本的な家庭用品や食料品などでした。しかしAmazonはそれ以来、ビーフジャーキーからレッドブル、それにカルバン・クラインの下着まで、何十種ものボタンを追加しています。
そこでドイツの消費者擁護団体であるVerbraucherzentrale NRWは、このボタンでAmazonの製品を購入するのが容易になり過ぎたと考え、Amazonに対する訴訟をドイツの裁判所に持ち込みました。
訴訟内容と判決
Reutersによると、訴訟内容は「Amazonの条件では、注文された製品をAmazonがほかのものに切り替えることを可能にするので、買物客がまったく知らされていないものを買わされることを防ぐ法律を破る」というもの。
公式の声明文では、リーダーのWolfgang Schuldzinski氏がこう述べています。
私たちは常に技術革新に対してオープンです。しかしその技術革新が消費者を不利にし、価格比較を困難にすることを意味するのであれば、我々はそれと闘わねばなりません
そしてミュンヘンの裁判所は、Dashボタンは消費者保護の規則に違反していると判決を下しました。Verbraucherzentrale NRWの声明では、Amazonがこの決定に対して上訴することはできないだろう、と書いています。
Amazonも黙ってはいない
しかし、Amazonの広報担当者は米Gizmodoに対し、「ボタンとアプリはドイツの法律に違反しないと考えている」と語り、Amazonは控訴する予定だと話しています。
この決定は技術革新に反対するだけではなく、消費者がDashボタンのように情報を提供された選択肢を持つ、便利なサービス利用することを妨げるものです
彼らはロイターにも似た声明を出していますが、広報はこの判決を「革新に対して敵対的だ」と表現しています。さて今後どうなりますでしょうか?
Source: Reuters, Tech Crunch, Verbraucherzentrale