韓国側のデータが無ければ判断できないというのなら、日本側は何を根拠に火器管制レーダーを照射されたと主張しているのかな?

この件。

官房長官「日韓双方のデータ提示が不可欠」 レーダー照射問題

1/15(火) 17:54配信 産経新聞
 菅義偉官房長官は15日の記者会見で、韓国海軍の駆逐艦海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題をめぐり、韓国国防省がレーダーのシステム情報に関する日本側の要求を「非常に無礼だ」と批判したことについて「客観的、中立的な事実確認を進める上で双方が必要なデータを示すことは不可欠だ」との認識を示した。
 日韓防衛当局は14日、2回目の実務者協議をシンガポールで開催した。日本側は情報などの交換を提起したが、「韓国の同意は得られなかった」(菅氏)という。菅氏は「主要な論点を議論したが、認識の隔たりを解消するには至らなかった」とも話した。
 海上自衛隊トップの村川豊海上幕僚長も記者会見で「日韓が把握する事実を突き合わせて何が真実か、どう解決していくかを話し合う必要がある」と述べ、日韓が事実関係を明らかにすべきだとの考えを示した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190115-00000580-san-pol

韓国駆逐艦から火器管制レーダーを照射されたと訴えているのは他ならぬ日本側です。
つまり、日本側は韓国側から新たに情報を得なくても、間違いなく韓国駆逐艦の火器管制レーダー(STIR-180)であるという証拠を持っている、ということで無ければなりません。
韓国側から情報を提示してもらわなければ事実関係を確認できないのであれば、日本側の今までの主張は何だったんだ、ということになります。
どうにもおかしな主張ですね。

「「過去に収集した当該駆逐艦のデータと、今回のレーダーの周波数特性が合致している」というのが日本側の主張」*1と言っている記事もありますが、そうなると“日本は広開土大王艦のSTIR-180の周波数特性をいつどこで収集したのか”という疑問が出てきます。韓国艦からFCRの照射を受けたのは今回が初めてのはずですしね。合同演習中に盗み取りでもしたなら別ですが。そもそも日本側が確かに広開土大王艦のSTIR-180だと断定できるだけのデータを持っているのなら、韓国側にデータ提供を求める必要性そのものがありません。

そうして考えると日本側の狙いは、広開土大王艦のSTIR-180の周波数特性の情報を哨戒機を使った収集ではなく、交渉テーブルで収集することのようにも取れます。

といっても発狂した日本側には理解しにくいでしょうから、逆の立場で考えてみましょう。

(仮定)
ある日、韓国軍哨戒機が日本のイージス艦周辺を飛び回り、その翌日、日本のイージス艦からFCRを照射されたと主張したとします。もちろん日本側はそれを否定しますが、韓国側は証拠があると主張します。
当然、日本側は証拠があるなら提示せよと求めます。
すると韓国側は、「データを出すなら相互主義だろう。お互いがデータを出し合い、照合して白黒つけよう」*2と言い出し、交換条件としてイージス艦のFCRデータの提示を日本側に求めます。

上記のような事態になった場合、日本はイージス艦のFCRの周波数特性のデータを韓国側に提供しますかね?
多分、絶対そんなことしないと思いますけどね。

何故なら、もし日本側がデータを提供して、その結果、疑惑が晴れたとしても、日本側のイージス艦FCRの周波数特性は韓国側に提供されてしまったという事実は変えられないわけで、一方的に日本が損するからです。

日韓立場が逆なら絶対応じないことを韓国に対してはやって当然のような態度を示すのは、そりゃ「無礼」でしょうね。