辛党。
トマトソースのパスタが大好き。アラビアータならもっと好き。さらに、タバスコやら辛いオイルやらたっぷり入れる派です。たぶん、とある科学者軍団もこういうタイプが多いんでしょうね。トマトそのものを辛くできないか、ブラジルとアイルランドの科学者チームが研究中です。
ブラジルとアイルランドの科学者チームがTrends in Plant Scienceにて公開したある論文、話のマトとなっているのは最新のゲノム編集技術を使うことで、辛いトマトを作れるのかどうかということ。辛いトマトの実現は、辛党を喜ばせるためではありません。米Gizmodoの取材にて、論文を執筆したブラジルのヴィソーザ連邦大学Agustin Zsögön氏は、トマトをバイオ工場とするアイディアを語ってくれました。「トマトがバイオ工場になれば、産業や製薬業界において新たな応用方法が生まれると考えています」
辛さの秘密はカプサイシンという化合物。食べ物だけでなく、関節リウマチ患者に処方される痛み止めクリームにカプサイシンを利用することもあります。カプサイシンは植物(トウガラシ)などに入っていますが、種類や環境によってその量は様々。
さて、カプサイシンのバイオ工場としてトマトが注目されているのは、なにも辛いトマトソースが美味しいからではありません。トマトは扱いやすい素材として、すでに遺伝子組み換え研究において多く利用されています。また、トマトは唐辛子の近縁であり、カプサイシンを作り出す遺伝子をもともと秘めているのです。
Zsögön氏いわく「トマトはすでにその遺伝子を持っているのです。あとはそれをしかる場所でアクティブ状態にしてあげればいいだけ」ないところに外から加えるのではなく、すでにあるやつの力を引き出せばいい。トマトが選ばれたポイントはここ。
辛いトマトは今すぐできるのか? いえ、まだ先の話です。研究を進めるには、カプサイシンを作る辛遺伝子CRISPR/Cas9は内部的に編集可能なのかなど、調べることはまだまだたくさんあるそうです。でも、辛党には楽しみな研究ですよね。辛いトマト、食べてみたいし!
Source: Trends in Plant Science