2人目の子どもをつくるかどうか。

または、いつ、どのようにして産むか。

こうした決断には、多くの要因が関係してきます。理想の家族の人数、年齢、子どもを産む能力、近親者が近くにいるか、人生で他に求めているものがどれくらいあるか、などです。

けれども、自分の「心の健康」に与える影響について、考えたことはありますか?

私はいつも、どんな子どもでも、育てるのは本当に難しいと感じてきました。一人っ子を育てることも含めてです。

里親になって感じた1人と2人の違い

息子が4歳の時、私たち家族は初めて、元気な3歳の男の子の里親になりました。ある日までは、就学前の子ども1人を育てていたのに、翌日には2人を育てることになったのです。特に、最初の数週間は、控えめに言っても、なかなか慣れませんでした。

それでも、時が経ち、子どもが2人いる生活に慣れていたら、私はおそらく、2人の子どもを育てるのは、1人を育てるのに比べてそれほど難しいわけではないと言っていたでしょう(児童福祉システムの手続きに伴う独特のストレスと、それに注ぎ込む時間を別にすれば、ですが)。

けれども、1年後に里子が血のつながった家族のもとに戻り、育てる子どもが再び1人になった時には、人生は以前とはまったく違うものに感じられました。

感情面で言うと、確かに私たち家族は心が揺れ動いていました(あの小さな男の子は、これからも特別な存在として、いつまでも私たちの心の中に留まるでしょう)。けれども、私たちにとって当たり前のものになっていた日々の心配や時間的制約が、思いもよらず軽くなったのでした。

里子が去った数週間後に、ある友人(2人の子どもを持つ母親)に、「子どもが1人だとどんなに楽か、いったん子どもが2人になってから1人に戻って、初めて気づいたわ」というメールを送ったことを、はっきりと覚えています。

2人目を持つとプレッシャーが大きくなる

それは、「オーストラリアの家庭、収入、労働の変化」に関するデータにもとづく最新の研究でも説明できるでしょう。この研究は、2人目の子どもを持つと、両親にかかる時間的プレッシャーが、短期的なものだけでなく、長期的にも大きくなると結論づけています。

そして、時間的プレッシャーが大きくなると、両親、特に母親の心の健康に悪影響が出るというのです。

母親の心の健康は、第一子が生まれた直後に改善され、その後数年間は安定していることがわかりました。しかし、第二子が生まれると、母親の心の健康は急激に悪化し、思わしくない状態が続きます。

その理由は、第二子が生まれると、母親が時間的プレッシャーを強く感じるようになるからです。母親が第二子を産んだ後にそれほど強い時間的プレッシャーを受けていない場合は、心の健康は、実際には母親になるとともに増進することが、私たちの研究で示されました。

父親の心の健康も、第一子が生まれると好転しますが、第二子が生まれると悪化します。ただし、母親とは異なり、父親の心の健康は、長期的に見ると横ばいです。

人生が難しくなる割合は、子どもが0人から1人になるほうが、1人から2人(もしくは2人から3人)になるより多い、と考えるのは論理的です。

なんと言っても、親になることで、その人の人生にまったく新しい役割が持ち込まれるのですから。けれども、親としての経験を積んで技量を磨いたとしても、さらに、もう少し子どもが大きくなって独立性が上がっても、子どもが増えることでもたらされる時間的プレッシャーは軽減せず、両親の心の健康に長期間重圧を及ぼしかねないことが、この分析によってわかったのです。

母親は助けが必要だ

オーストラリアの読者向けに書かれたこの記事は、結論として、おそらく私たちみんなが時折感じていることを書いています。両親は――そして、よくあることですが、特に母親は「もっと助けを必要としている」ということです。

子どもが母親の時間的プレッシャーに与える影響は、短期間に留まらず、慢性的なストレスになって、ゆっくりと母親の心の健康を害していきます。そういうものだからこそ、母親の時間的プレッシャーを、心の健康に関する専門家や政策立案者の最重要課題にしなくてはいけません。

第二に、母親には、子どもの世話を分担できる仕組みが必要です。子どもの世話を集団で行うことで、母親の心の健康を増進できるかもしれません。

例えば、スクールバスやランチプログラム、父親の参加を可能にするフレックスタイム勤務の活用などです。

出産後に心の健康が悪化すると、子どもに悪い結果をもたらしかねません。したがって、ストレス要因を減らし、母親と子どもと家族が健やかに生活できるようにすることは、国全体の利益につながるのです。

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Image: globalmoments/Shutterstock.com

Source: The Conversation(1, 2), Wiley Online Library(1, 2

Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文