私はいつも群衆の中にいると、トイレに行きたい衝動にかられてしまいます。これはよくある心理作用の1つですが、おかげで、群衆の中を通り抜けていくコツを大いに学ぶこととなりました。
誰もが一度は経験したことがあるはずです。人で埋め尽くされた空港、地下鉄の駅、コンサート会場を通り抜けようとしたときに、まったく道を空けてもらえなかったということが。
まったくなんて奴らだ!
でも、ラッキーなことに、ちょっとしたコツ(とエチケット)を身につければ、群衆の中を楽に通り抜けられるようになります。
今回は、群衆の安全に関する専門家Paul Wertheimer氏に、群衆の中をできるかぎり効率的に通り抜ける方法と、人に触れる(肩をやさしくタッチする)のが道を空けてもらうための良いやり方ではない理由について伺いました。
周辺部を歩く
動かない群衆の中にいて、ステージの前まで行こうとしている場合は、「最も抵抗が少ない道、すなわち会場の周辺部を歩くように」とWertheimer氏は言っています。
会場の周辺部は密度が低くなる傾向があり、ステージに向かって前進できる可能性が高くなります。
ある程度進んでから、群衆の中に横から入っていくと道が開けるはずです。横から入っていけば、スペースをあまりとることもなく、周囲の人にも気づいてもらいやすくなります。
「群衆の中に横方向から入っていきましょう」とWertheimer氏。
後ろからではないので、人を無理にどかせたり、不意打ちでびっくりさせることはありません。あなたがこちらへ向かってくるのを目視できますから。
進行方向をジェスチャーで示す
群衆の中に入っていくときに、相手をわずわらせずに自分の存在に気づいてもらうには、シンプルなハンドジェスチャーで進行方向を示すようにします。
こうすることで、もう1つありがたい心理作用も働きます。
人びとも、あなたが自分の前で立ち止まるつもりはないということがわかるので、前を通してくれやすくなります。
群衆の中をジグザグに進む
群衆の周辺部に行っても前に進めなかったとします。
その場合は、前にいる人を押しのけるかわりに、群衆の中をジグザグに進むようにしてください。「必ずしもまっすぐ進む必要はありません」と同氏。
私は「すみません」と声をかけ、人が動いたら、右か左か、スペースが空いたほうに進むようにしています。その都度、空いたスペースを使いながら、群衆の中を縫うように進む感じです。
誰かの後をついていく
自分が行きたい方向へ進んでいる人が近くにいませんか?
いたら後ろをついていきましょう、とWertheimerはアドバイスしています。「流れに従ってください」と同氏。
あなたの行きたい方向へ進んでいる人がいたら、わざわざ別に道をつくろうとするかわりに、その人がつくった道をたどって前進しましょう。つまり、それが最も抵抗の少ない道だということです。
遠くの目的地を見つめる
状況を少し変えてみます。
人でごった返す街路や地下鉄のプラットフォームで、動いている群衆の中に閉じ込められている場合はどうしたらいいでしょうか?
Wertheimer氏は、ペースを一定に保ちながら、群衆の中を縫うように進むことが、最善の戦略だと言っています。立ち止まってはいけません。後ろから来る人の邪魔になってしまいます。
遠くの目的地を見つめ、次の一歩をどうするかを考えながら歩けば、人にぶつからずに進めます。あなたの視線を見ればあなたが行こうとする方向がわかるので、周囲の人びとも自然と道を空けてくれるはずです。
人の体に触れてはいけない
肩をやさしく叩けば、道を空けてもらえると思うかもしれませんが、それは、必ずしも良い行動とはいえない、とWertheimer氏は言っています。
「体を触る相手がどんな人なのか、あなたは知りません」と同氏。
跳び上がるほど驚かせてしまうかもしれません。
また、ショーやコンサートの最中なら、体を触られるだけで迷惑となります。体に触るかわりに、自分が行きたい方向をジェスチャーで指し示すようにしましょう。
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Imaeg: Win McNamee/Getty Images
Josh Ocampo - Lifehacker US[原文]