映画に登場するヴィンテージガジェットってどこから来てるの?

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  • author Raul Alexander Marrero
  • [原文]
  • 中川真知子
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映画に登場するヴィンテージガジェットってどこから来てるの?

映画スタジオにプロップ保管室があるのかと思ってた…。

映画やドラマには古いガジェットが出てきますが、ああいうのってどこからきているのでしょうか? 私はパラマウントとか20世紀フォックスとか、ユニバーサルみたいな大手撮影スタジオの中にプロップ保管室があって歴代のプロップがしまわれているのかと思っていたのですが、必ずしもそうではないみたい。

先日、米Gizmodoは、ブルックリンにある電子機器を保存する大規模倉庫を訪れました。そこに保存されているヴィンテージ・ガジェットはプロップとして映画やテレビに使われることもあるそうですよ。

ニューヨークを拠点に1987年に設立された非営利団体ローワーイーストサイドエコロジーセンターの一部であるE-Waste Warehouseは2012年以来、ニューヨーカーの「不用品」を引き取ってきたのだそうです。中には芸術とも言える素晴らしいガジェットもあり、そういったものを保管するうちに、映画やテレビのプロップマスターやセットデザイナーがレンタルを申し込んでくるようなプロップライブラリーになったと言います。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

倉庫では、大量の電子機器がリサイクル用に選別、解体、出荷されます。倉庫で働いているリユーステクニシャンのNicole Swientさんは「ここではすべての物品を維持し、運用しています」と語ります。「アイテムを修復して適切に再利用することで、庭に埋めて環境汚染することなく社会に戻すことができるんです。これらの電子機器に第二の人生を歩ましてやることができるのです。使う人のことも幸せにできます」とGIZMODOに話しました。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

ローワーイーストサイドエコロジーセンターは、古い電子機器を新たなユーザーにつなぐことに加え、ポケットベルやロイヤルタイプライター、パーソナルコンピューター、CRTモニター、ニュースカメラ、ヴィンテージマッキントッシュ、コモドール、ネオジオ、スロットマシーンなどを含む2000を超えるヴィンテージアイテムが、過去80年の技術開発の発展を伝えるべくディスプレイされています。コレクションはプロップライブラリーとして、映像制作者たちからも重宝がられています。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

「時代設定などを聞き、具体的にどんなアイテムを必要としているのか、プロップマスターやセットデザイナーが頭の中で考えているイメージをすり合わせながらピッタリのガジェットを選ぶんです」とリユース・テクニシャンのTroy Hannaさんは言います。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

プロップ貸し出しをした作品には、大ヒットしたドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』や『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』、『ジ・アメリカンズ(The Americans)』などが含まれるのだとか。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

ローワーイーストサイドエコロジーセンターの共同創設者兼エグゼクティブディレクターのChristine Dats-Romeroさんが説明するように、この組織はコレクションの歴史的重要性を理解した上でこのミッションを実現しています。

「このプロップライブラリを開発し始めたのは、古い技術のいくつかを維持することで、過去10〜20年間の技術がどれくらい急速に進歩したかを伝えることができると感じたからです。」

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

プロップひとつひとつにいろんなストーリーが込められているんですね。次にヴィンテージ・ガジェットを見かけたら、それがどこからやってきているのか、誰かの家で見つかってローワーイーストサイドエコロジーセンターに持ち込まれたものなのか考えると思います。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)