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Googleのエッジデバイス向けTPU「Google Edge TPU」がついに発売か、気になる価格は?



Googleが長らく開発を続けてきたTensorFlowを用いた機械学習を効率良く行うためのカスタムASICが「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」です。このTPUをIoTなどのエッジデバイス向けに特化した「Google Edge TPU」が、ついに発売となるようです。

Edge TPU Devices
https://aiyprojects.withgoogle.com/edge-tpu

Google Edge TPU Coral Dev Board with a removable SOM - Seeed Studio
https://www.seeedstudio.com/Google-Edge-TPU-Coral-Dev-Board-with-a-removable-SOM-p-2900.html

Googleはこれまで、クラウド側での推論に特化した第1世代TPUや……

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第1世代TPUでは不可能だった、ニューラルネットワークの「トレーニング」処理まで可能な第2世代TPU。

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さらには、第2世代TPUと比べて約8倍高速となり、液冷システムも導入した第3世代TPUを発表してきました。

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これまでGoogleが発表してきたTPUは主にクラウドサービス側での使用を想定したものでしたが、Googleはエッジデバイス向けの新しいTPUとして、「Google Edge TPU」を2018年7月に開催されたGoogle Cloud関連の開発者向けイベント「Google Cloud Next '18」の中で発表しています。Google Edge TPUはその名の通り、IoTなどのエッジデバイスでの使用を想定して開発されたTPUで、Googleは「4TOPS(Trillion Operations Per Second)/2Whという高電力効率な推論性能を有する」としていました。

そんなGoogle Edge TPUを搭載したSoMが、IoT製品を取り扱うSeeed Studio上で販売されていました。Google Edge TPU搭載SoMは2019年3月20日の発売に向けて事前予約を行っていると記されており、販売価格は149.99ドル(約1万7000円)ですが、記事作成時点で既に売り切れとなっていました。

Google Edge TPU Coral Dev Board with a removable SOM - Seeed Studio


Googleによると、Google Edge TPUは低消費電力デバイス向けに高性能ML(機械学習)推論を提供するもので、例えばMobileNet V2のような最先端のモバイルビジョンモデルを、電力効率の良い方法かつ100fps以上で実行できるようになるとのこと。

なお、Google Edge TPU搭載SoMおよびベースボードの詳細なスペックは以下の通り。

◆Google Edge TPUモジュール(SOM)の仕様
CPU:NXP i.MX 8M SOC(クワッドCortex-A53、Cortex-M4F)
GPU:統合GC7000 Liteグラフィック
MLアクセラレータ:Google Edge TPUコプロセッサ
RAM(メモリ):1GB LPDDR4
フラッシュメモリ:8GBのeMMC
無線:Wi-Fi 2x2 MIMO(802.11b/g/n/ac 2.4/5GHz)、Bluetooth 4.1
寸法:40mm×48mm

◆ベースボードの仕様
フラッシュメモリ:MicroSDスロット
USB:Type-C OTG、Type-C電源、Type-A 3.0ホスト、Micro-Bシリアルコンソール
LAN:ギガビットイーサネットポート
オーディオ:3.5mmオーディオジャック(CTIA準拠)、デジタルPDMマイク(2個)、ステレオスピーカー用2.54mm 4ピン端子
ビデオ:HDMI 2.0a(フルサイズ)、MIPI-DSIディスプレイ用39ピンFFCコネクタ(4レーン)、MIPI-CSI2カメラ用24ピンFFCコネクタ(4レーン)
GPIO:40ピン拡張ヘッダ
電力:5V DC(USB Type-C)
寸法:85mm×56mm

サポートOS:Debian Linux
サポートフレームワーク:TensorFlow Lite

なお、記事作成当初は見えていたSeeed Studio上の販売ページですが、記事公開時点では閲覧不可となっています。Google Edge TPUの開発ボード上では、Google Edge TPU搭載SoMのステータスは「間もなく登場」のままとなっているので、Seeed Studioが発売のタイミングをフライングしてしまったという可能性も十分に考えられます。


なお、Archive.todayで閲覧可能だったタイミングの販売ページをチェックすることができます。

Google Edge TPU Coral Dev Board with a removable SOM - Seeed Studio
https://archive.is/NQvG0

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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