MITが脳波から子供の考えを当てる、ホグワーツ「組み分け帽子」風ウェアラブル・システムを開発中

  • author 岡本玄介
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MITが脳波から子供の考えを当てる、ホグワーツ「組み分け帽子」風ウェアラブル・システムを開発中
Image: Judith Sirera i Pulido/mit media lab

科学は得てして魔法のようでもあります。

『ハリー・ポッター』でホグワーツ魔法魔術学校の新入生たちを4つの寮の中から最適なものに振り分けてくれる「組み分け帽子」。しわくちゃで古めかしい帽子が喋りながら、主人公ハリーをグリフィンドールに決めたのが印象的なシーンでしたよね。

そんな組み分け帽子から着想を得た脳波を読み取る帽子MIT Media Labが開発している、とhackster.ioが伝えています。

その名は「Thinking Cap」。帽子の中には脳波計のEEGヘッドセットが仕込まれており、アルゴリズムで子供の脳波のパターンを認識、そして機械学習を使用して彼らが想像していることを検出。内蔵のBluetoothスピーカーを通して何を想像しているのかを伝えるのです。

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Image: Nataliya Kosmyna/mit media lab

開発の目的は?

それは技術的介入を使って、心理的に考え方を変えることができるかどうかを調査すること。うまくいけば、子供たちは帽子が自分の頭の中を理解していると信じ込み、帽子が子供を褒めることで、宿題やお手伝いにヤル気を出すようになるようです。

いわゆる「信じる者は救われる」ってやつですかね。有名な映画に倣って、魔法の帽子が褒めて自信をつけさせてくれるというが粋です。

使い方は?

MIT Media Labでは、この「帽子の介入」の前後に子供たちの自尊心を測定し、子供たちの自己認識の変化を観察して経過を判断するとのこと。最初、子供たちには簡単な動きや物体を想像してもらい、帽子が子供の脳のパターンを認識していきます。そして徐々にその子の思考パターンを学習するに従い、子供からの信頼も深めていくのです。

まだまだ開発中であるものの、この帽子を被るには最低でも8歳でないといけないそうです。もちろん、その前に『ハリー・ポッター』で帽子のことを予習していないといけませんね。

Source: hackster.io via MIT Media Lab