疲れて帰ってきた日は、夕食の献立を考えるのも、作るのも億劫。
ついつい外食やお惣菜、コンビニ弁当に頼りがちですが、カラダのことを考えると本音は、もうちょっとヘルシーな手作りごはんが食べたい! という人も多いはず。それなら、難しく考えずに「YGM」にしてみませんか。
YGMって何? そして、料理家ワタナベマキさんにボリュームたっぷりのみそ汁レシピを2つ教えていただきました。
献立に悩んだら、YGMでいいじゃない
YGMとは、夕食(Y)はごはん(G)とみそ汁(M)だけあればOK! という、株式会社ミソド代表で味噌の普及活動をしているミソガール藤本智子さんが提唱しているプロジェクト。
たくさんの献立を用意しなくても、具沢山のみそ汁とごはんさえあれば、調理の負担も少なく、栄養バランスも良い食事ができる! という忙しい共働き夫婦や子育て中の方、ビジネスマンにもぴったりの提案です。
夕食は、ごはんとみそ汁があればOK!
グラフィックデザイナーを経て、現在は人気料理家として女性誌などでも幅広く活躍中のワタナベマキさんもYGMをおすすめしている一人。
3月4日には『何も作りたくない日は ご飯と汁だけあればいい』というレシピ本も上梓されています。
小学生の息子さんを育てるワーキングマザーでもあるワタナベさんに、究極のみそ汁を作るコツと、お子さんにも好評だというボリューム満点のみそ汁レシピを教えていただきました。
満足度の高いみそ汁を作るコツ
ご飯とみそ汁だけと聞くと、「それだけじゃ物足りなさそう…」というイメージが。それを解消するには、最初の工程と素材の切り方を変えるといいそう。
「最初に出汁を取るのではなく、具材を油を使って炒めることで、コクが出て満足感がアップ。また、野菜をいちょう切りではなく乱切りにするなど、いつもより大きめに切ると、食べ応えも出ます」
出汁は、無理せず、市販の顆粒だしを使えばコクと相まって十分美味しく仕上がります。それでも汁物に物足りなさを感じるなら、具材にイモ類を加えるのもボリュームを出すコツだそう。
さらに、普段使っている汁碗ではなく、違う器に盛りつけるだけでも“みそ汁だけ”という見た目を払拭できると言います。
旨味のために欠かせない具材は?
さらに、栄養バランスの面や旨味をアップするために絶対に入れたほうがいい具材があるとワタナベさん。
「玉ねぎや長ネギ、セロリは、熱を加えると味に深みが出るのでどれかは必ず入れるようにしています。また、お肉やちくわなどの“たんぱく質”を加えると、栄養価も高くなるし、出汁の役割を果たしてさらに旨味が増しますよ」
ちなみに、日頃自炊の習慣がなく、外食が多く、飲みすぎたり、脂っこい食事が続いていたり…そんな時は、キノコやワカメといったミネラル成分が多いものを具材にプラスすると良いそう。
さらに、カレー粉などのスパイスを加えると味にパンチが出て、物足りなさも払拭できます。
みそ汁は作り置きできる?
せっかく作るなら多めに作りたい方や、何度かに分けて食べたい時は「味噌を入れる前、具材が煮えた段階で取り分けて冷凍しておくと風味も飛ばず美味しく保存できます」とワタナベさん。
さらに、味に変化をつけるために、コチュジャンや豆板醤、山椒などの辛味、カボチャや豆乳などの甘みを徐々にプラスしていくと、数日飽きずに楽しめるそうです。
ワタナベマキ流ボリュームみそ汁レシピ2品
どちらも10〜12分ほどでできる簡単で、ご飯にぴったり、メインのおかずになるみそ汁です。
1. れんこんと豚肉の赤みそ汁レシピ・作り方
▼材料(2人分)
- 豚バラ薄切り肉……120g
- れんこん……120g
- 玉ねぎ……1/3個
- 小松菜……2束
- 卵……2個
- しょうゆ……小さじ1
- 豆みそ……大さじ2
- 白いりごま……小さじ1
- 水……500ml
- 和風だしの素……2g
- ごま油……大さじ1
▼作り方
(1)れんこんはたわしでよく洗い、皮つきのまま乱切りにする。
豚肉は3cm幅に切る。玉ねぎは繊維に沿って薄切りにする。
(2)鍋を中火にかけごま油をいれ、(1)の具材を入れて、玉ねぎが透き通るまで炒める。
(3)水と和風だしの素を加えてひと煮立ち(2〜3分)させ、アクをとり、弱火にし、みそを加えフタをして弱火で約8分煮る。(れんこんが柔らかくなるまで)
(4)1cm幅に切った小松菜、しょうゆを加え、卵を鍋の端の方にそっと落し入れ、白身が固まるまで煮て出来上がり。
食べる直前にすりつぶした白いりごまをふる。
2. ナスとトマトのチーズみそ汁レシピ・作り方
▼材料(2人分)
- 水……500ml
- 和風だしの素……2g
- 茄子……1個
- セロリ……1/3
- ミニトマト……2個
- 玉ねぎ……1/3個
- ブロッコリー……4房
- 味噌……大さじ2
- パルミジャーノレッジャーノ(粉チーズでも可)……20g
- 太白ごま油……少々
▼作り方
(1)ナスは1cm角に切り水にさっとさらす。
セロリは筋をとり1cm角に切り、玉ねぎ、ブロッコリーも1cm角に切る。
(2)鍋を中火で熱しごま油をいれ、(1)をいれて全体が透き通るまで焦がさないように炒める。
(3)水と和風だしの素を加えてひと煮立ちさせ、アクをとり、弱火にし、横に2等分にしたミニトマトと、1cm角に切ったブロッコリーを加え、フタをして約3分煮る。
(4)みそを加えて溶き、器に盛り、食べる直前にチーズをふる。
ルール不要!みそ汁を自由に楽しもう
どちらも食材を刻んで、炒めて、ゆでて、みそを入れるだけという手軽さ。
ちなみに、みそを入れるタイミングが異なるのは、味噌の種類が違うから。
最初のレシピで使っている豆みそ(赤みそ)は、煮込めば煮込むほどまろやかになり、2つ目で使っている一般的なみそ(米こうじのみそ)は煮込んでしまうとその香りが飛んでしまうから。
また、沸騰した時にアクを取るちょっとしたひと手間さえきちんとやれば、手間なく簡単に美味しいボリュームみそ汁ができます。
みそ汁は、こうじゃなきゃという固定概念を取っ払って自由に楽しめば、YGMでも十分満足いくメニューになりそうです。
それでも、もう一品欲しかったら
家族やパートナーに「ごはんとみそ汁だけなの!?」と言われてしまった場合は、
「ぬか漬けやキムチ、豆もやしをポン酢で和えたものなど、ほぼ調理のいらない副菜を添えると手間もかからずバランスもアップしますよ」と、力強いワタナベさんからのご回答をいただきました。
ワタナベマキさん
グラフィックデザイナーを経て、「サルビア給食室」として料理家の活動をスタート。現在テレビや、雑誌、書籍などで、作りやすくバランスのよいレシピを提案している。小学生の息子の母としての顔も。3月4日にKADOKAWAより『何も作りたくない日は ご飯と汁だけあればいい』を出版。Instagram@maki_watanabe
Source: YGM,株式会社ミソド,『何も作りたくない日は ご飯と汁だけあればいい』(KADOKAWA)
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