仮想通貨交換所の創業者が急死。創業者以外アカウントのパスワード知らず… 消えた200億円…

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仮想通貨交換所の創業者が急死。創業者以外アカウントのパスワード知らず… 消えた200億円…
Photo: Dan Kitwood (Getty)

また1つデジタル通貨の怖い話が。

カナダの仮想通貨交換所QuadrigaCX(QCX)が、予想しなかった事態に直面しています。なんと、何億何十億という仮想通貨にアクセスするためのパスワードを知る唯一の人物=創業者が急死してしまいパスワードがわからなくなっているというのです。

創業者が急死、パスワードがわからなくなる

創業者Gerald Cotten氏は、昨年12月、インドで孤児たちのための住宅提供や難民支援活動中に病に倒れ他界。30歳という若さでした。

QCXでは、日々の仮想通貨取引ではホットウォレット形式(ネットに接続された保管場所で仮想通貨を管理する)で行なわれているものの、資金の大部分はコールドウォレット(ネットに接続されていない保管場所)にて管理されており、このコールドウォレットにアクセスするためのパスワードを持っているのはCotten氏のみ。

ウォレットの中身も問題だらけ

Cotten氏の死から1ヶ月後、QCXがFacebookにてCotten氏急死を明らかにするも、事態はとても複雑なことに。これ、「パスワードがわからない!」という単純な話ではなかったのです。QCXの会計監査を担当するErnst & Yougの調査では、QCXのウォレットのビットコイン残高履歴を見ると、0から最大2776ビットコインだったことが明らかになりました。これは、全顧客から預かっている2万6500ビットコインのたった1/10程度。しかし、この残高もCotten氏が死亡する8ヶ月前に引き出され空っぽになっていたのです。さらに、支払いプロセスに問題があるとして、カナダ帝国商業銀行から2018年1月に2000万ドルの資金凍結措置がとられています。

QCXの顧客は、現在アカウント凍結状態で何もできず。自分の資金がどこかに消えてしまったかもしれないという不安と戦いつつ、調査続報を待っているところです。QCX資金調査はまだ始まったばかり。はたして、消えたビットコインの行方は明らかになるのでしょうか…。