いい温泉が湧いていて、幸せねこが暮らす温泉地「ねこ温泉」。
全国の「ねこ温泉」を巡っている温泉ライター西村が、選りすぐりの3ヵ所を紹介します。お湯にふやけて、看板ねこにほっこり。好きな人にはたまらないステキな温泉旅が楽しめますよ。
「ねこ密度」(たぶん)日本一。霧島の名湯・妙見温泉!【鹿児島】
鹿児島空港から車で15分。11軒の宿&立ち寄り湯がある妙見温泉は、温泉通にはよく知られた温泉地です。循環湯は一つもなく、すべての浴槽がかけ流し。どのお湯にも、ある程度の炭酸が含まれていて、中にはお肌にびっちり泡が付着するお湯もあります。個性的な極上湯が湧く温泉エリアです。
こちらの温泉地、ねこ好きさんからも注目を集めつつあります。なんと11軒ある温泉施設のうち7軒にねこがいるのです!これは、おそらく日本一のねこ密度(※10軒以上の宿がある温泉地の中で)。
ラグジュアリーな温泉旅館「妙見石原荘」から、歴史のある「おりはし旅館」、お手頃な湯治宿「楽園荘」まで、様々なタイプの施設にねこがいます。
妙見ねこのほとんどは、「ふらり」とその宿にやって来ました。
たとえば、昨年の冬、雪の降る日にやって来た「妙見温泉ねむ」のゆきちゃん。真っ白な長毛ふさふさのヘアがイケてる、ビッグサイズのオスネコです。目はキレイなオッドアイ。驚くほどフレンドリーなにゃんこで、人の声がすると、大きな体をゆさゆさと揺らしながら近づいてきます。なでなですると、気持ち良さそうな顔になり、こちらまで嬉しくなってきます。ユキちゃんは推定5歳。おそらく元飼いねこさんです。
保護してくれた支配人さんへのご恩返しなのか、「妙見ホテル」から「妙見温泉ねむ」へとリニューアルしたばかりの宿の、看板ねことして大活躍しています。
「妙見温泉ねむ」の川向かい、斎藤茂吉が命名した「くすしき国の虹のつり橋」を渡った先は、特にねこ濃度の濃いエリア。
現在、立ち寄り入浴だけを行っている「妙見館」には7匹のねこがいます。玄関先で出迎えてくれることが多いのが茶々丸くんと福助くん。
福助くんは、ほかのねこを舐めるのが大好き。しつこすぎて嫌がられているそうですが、茶々丸くんだけはお付き合いしてくれます。
そのすぐお隣にあるのが「湯治の宿 田島本館」。こちらには三毛ねこ2匹が暮らしています。つばめちゃんとすずめちゃんです。2匹のカワイイ姿を見たいとやって来る人も徐々に増えてきました。
妙見の看板ねこは全部で17匹。最年長は17歳のあんまんちゃん。最年少は昨年夏に生まれたチコちゃん。2匹ともドバドバと温泉が注がれている「秀水湯」で暮らしています。
妙見ねこのいる施設には、「妙見温泉ねこ巡りMAP」も用意されていますので、地図を参考に湯めぐり&ねこ巡りを楽しんでくださいね。2019年2月28日(木)までは妙見温泉ねむの特設会場で、「第1回 妙見温泉ねこ写真展」も開催中です。
TEL/0995-77-2201(「妙見温泉ねむ(旧妙見ホテル)」内 妙見温泉振興会)
住所/鹿児島県霧島市
アクセス/車:九州道溝辺鹿児島空港ICより車で15分
電車:JR 嘉例川駅よりバスで25分(日の出温泉経由)、JR 国分駅よりバスで22分
泉質/基本、ナトリウム・カルシウム・マグネシウムー炭酸水素塩泉
「妙見温泉」の詳細はこちら
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温泉ライター 西村理恵
じゃらん創刊時より記事を書きはじめ早20数年。現在は「じゃらん関東・東北版」で「小さな温泉」を連載中。入った温泉は国内外で1000湯以上。日本温泉地域学会理事。(公財)中央温泉研究所理事。長野県温泉審議委員。ねこいぬ温泉会主宰。