そろそろChromeにオサラバ、Safariに戻ったほうがよい理由

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  • author Adam Clark Estes - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
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そろそろChromeにオサラバ、Safariに戻ったほうがよい理由
Image: Victor Jeffries III(Gizmodo US)

時代は繰り返されるのでしょうか?

ブラウザといえばIE(Internet Explorer)とキマっていただなんて、もうとっくの昔のようです。世ではChromeがブラウザのスタンダードとして、すっかり定着してきたようなイメージがありますよね。でも、もしかすると、そんな我が世の春を謳歌できるのは、あともう少しだったりするのかもしれません。このほど米Gizmodo編集部のAdam Clark Estes記者は、Chromeを捨てて、Safariユーザーに戻ったことで経験した感動をまとめています。こういう流れが加速していったりするやも…。


ボクの記憶が正しければ、初めてGoogle(グーグル)のChromeを使いだしたのは、2009年も暮れようかというころだったと思います。あれはちょうどMac OS Xのベータ版がリリースされてすぐだったかな? Chromeの第一印象は、とにかく速いし、いろんな細やかな機能も完成度が高く、これはスゴいぜって感動ばかりでした。当時は、URLを打つアドレスバーからダイレクトに検索できるとか、とても驚かされたものです。ずっとChromeが大好きだったので、昨夏には、その想いを節目に綴ってみたりもしました。でも、その数か月後、ボクはSafariユーザーへと逆戻りしたんです。そして、いまはほかの皆さまにもおすすめしたいですね。

今のSafari、よくない?

macOS Mojaveの発表は、大きな感動を呼び起こしました。ダークモードの登場こそが、その感動の中心にあったことは否めませんが、ボクはSafariこそが陰の主役だったのではって感じています。昨年6月のWWDC(World Wide Developers Conference)において、新バージョンのSafariが発表されたとき、Apple(アップル)のエラいさんたちは、MacとiOSデバイスのデフォルトブラウザに備わるプライバシーの新機能をサラリと紹介した程度でした。サードパーティが、クッキーを使ってユーザーを追跡できないようにする「Intelligent Tracking Prevention」機能のアップデートは、その目玉機能です。FacebookやGoogleにとっては、そのデジタル広告の効果を薄れさせるほどの脅威ともなり得るでしょう。秋に買った靴の関連広告が、サイトを開くたびに表示されていくといったトラッキング広告に、もう毎日悩まされなくてよくなりましたからね!

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Image: Victor Jeffries III(Gizmodo US)

新たになったSafariは、ユーザーエクスペリエンスの向上に資するアップデートも満載でした。とにかく高速で、スピードでほかのブラウザを選ばなければならないと感じさせられることはないでしょう。そして、なによりも安定しており、Chromeを使っていると、いつクラッシュしてブラウザが再起動するのかとヒヤヒヤするものですけど、そういう不安から解放されます。それに、ようやくSafariにもファビコンが表示されるようになりました。とくに気に入っているのは、よく使うページのタブをピン止めしておくと、どのウィンドウを開いても、そのタブをキープして表示してくれる点です。おまけに、この連携は別のデバイスでも継続され、Macで開いたページが、そのままiPhoneでも表示されていくという感じのことが、わずか数タップでできてしまいますよ。そして、新しいダークモードのすばらしいことったら、ありゃしませんよね。

新機能のなかでも特筆すべきなのは、パスワードマネージャーの「AutoFill Passwords」です。これはiOS 12でもmacOS Mojaveでも使え、ネットライフが非常に快適になりました。たとえば、iPhoneでサインインを求められるページが出てくると、これまでならばパスワードを入力したものですが、いまはFace IDで顔をスキャンするだけで完了です。もういちいちパスワードを覚えておく必要はありませんし、Chromeで悩まされた、自動ログインの不具合とオサラバできました。きっと皆さんも、Chromeの自動パスワード入力が、誤ったパスワードをサジェストしてきてイライラしたことがあるでしょう? もうSafariなら、そんな経験とはお別れですよ~。

ちなみにAutoFill Passwordsは、2段階認証にも対応しています。その便利な連携ぶりといえば、Macで2段階認証を要求され、iPhoneへセキュリティコードが記載されたテキストメッセージを受け取ると、もうなにもしなくても、Safariが自動的に読み取って、Macでのサインインを完了してくれるといった流れですね。これはちょっとした機能に思えるかもしれませんが、1日に何度もMacで2段階認証を使うという人にとっては、いちいちiPhoneの画面から、届いたメッセージ内の6桁のセキュリティコードを探し出して打ち込む手間が省かれ、快適なことこのうえありません。

これらは、Chromeを10年ほど使い続けた後、ここ数か月でSafariに戻って発見した、ほんの一例にすぎませんね。実際には、まだまだSafariの新機能を使いこなせていないように感じています。わかりやすい例だと、Safariには、セキュアなパスワード自動生成およびキーチェーンへの保存機能が備わっています。もちろん、同種の機能はChromeでも使えます。ただボクは、まだ使ったことがありません。でも、きっと早く使うべきでしょうね。Safariは、同じパスワードの重複も調べてくれて、これもまた早く使うべきなんだろうなって感じています。

最強のプライバシー保護機能が魅力的に写る今だから

いまボクが心がけるべきことは、もう決してChromeに戻ってしまわないように気をつけるべきということ。Appleがプライバシーの重視を声高に叫んでいますけど、いまとなっては、寛大にもGoogleにトラッキングを許し続け、世界最大の広告業者に、何年も魂を売り続けてきたのが悔やまれます。Facebookだって、ユーザーのデータを吸いあげ続けた結果、いまやFTC(米連邦取引委員会)から数十億ドル規模の罰金を科されようとしているのですから。Amazonに目を向けても、Wi-Fiルーターのメーカーを買収し、この先どんな展開が待っているのかは不透明です。どんどん今後は、こうした企業に個人情報を吸いあげられてしまうのでは? いまこそ身を守る策を、本気で講じるべきときなのでは? だから、最強のプライバシー保護機能が標準で備わるSafariに、ボクは惹かれているんですよね…。

そこまで深刻に考えなくとも、ただ楽しいからSafariに戻ってみるというのもアリでしょう。でも、もし皆さんがWindowsユーザーなのであれば、ここは新しくなったFirefoxへの乗り換えを、真剣に考慮してみるべきタイミングです。なにはともあれ、Chromeを使い続けるのはよしたほうがいいかもしれませんよ。Chromeのセキュリティは、明らかに問題を抱えているはずですから。すでにChromeのアプリやエクステンションの85%は、プライバシーポリシーすら掲げられていないなんて指摘までありました。今後もボクは、しばらくSafariを使い続けることでしょう。このままいくと、きっと4年後には、Safariの20周年の節目に、ボクの熱い想いを綴ってみるつもりです。ちょうど先日、ボクがChromeに対してしたように。