フレンチドレッシングとも言われるビネグレットソースは、油と酢に各種調味料を混ぜて作るドレッシングの一種です。
とはいえ、酢は水をベースとする調味料です。化学の基礎知識を思い出していただければおわかりの通り、そのままでは油とうまく混ざりません。
文字通り「水と油」である材料を混ぜ合わせ、おいしいドレッシングを作るには、乳化剤の役割を果たすものが必要です。
マスタードは、酢と油を混ぜる乳化剤になる
乳化剤とは、簡単に言うと、油と水が分離せず、混ざり合うように促す材料のこと。
実はマスタードは、ドレッシングの風味付けに役立つだけでなく、乳化剤として、とても優秀なのです。これは、マスタードの種を覆っている粘液のおかげです。
とはいえ、出来合いのマスタードの場合、どれにも同じ量の粘液成分が含まれているわけではありません。つまり、どのマスタードを使ってもビネグレットがうまく混ざるとは限らないのです。
乳化力が強いのは、どんなマスタード?
一般的に言って、「マスタード」と聞いて真っ先に思い浮かぶ黄色いタイプには、あまり粘液成分が含まれていません。
「Cook's Illustrated」では、「粉からし」、「通常の黄色いタイプ」、「ディジョンマスタード」(マスタードの種をまるごと細かく挽いたもの)、「粒マスタード」の4タイプのマスタードで、同じビネグレットソースのレシピを使い、出来栄えをチェックしました。
その結果、粘液成分が多いディジョンマスタードと粒マスタードの2つが、ほかの2つに比べて、酢と油を混ざった状態に保つ力が強いことがわかりました。
ちなみに、ディジョンマスタード(細びきマスタード)を使ったドレッシングは数時間、粗びきマスタードを使ったドレッシングだと冷蔵庫保存で1週間、混ざり合った状態を維持できたそうです。
「粘液」と聞くと何だか気持ち悪い感じもしますが、その乳化力は否定のしようがないほど高いものです。
マスタードを店で買うときのポイント
では、実際にビネグレットソースに入れるマスタードを店で買うときはどうすれば良いのでしょう?
マスタードの種をまるごと使っているものを探しましょう。
このタイプを使えば、ドレッシングは見事に混ざり合い、長いあいだ乳化された状態を保ってくれるでしょう。
それに、(これは私の個人的意見ですが)普通の黄色いタイプを使うよりも、味もずっと良くなるはずです。
あわせて読みたい
Image: rawpixel / Unsplash
Source: Cook's Illustrated
Claire Lower - Lifehacker US[原文]