もろ刃の剣かもしれませんが…。
スマートスピーカー、使ってますか? 少しずつ普及してはいるようですけど、意外にも大活躍しそうなシーンとして、病室への配備が紹介されていますよ! 自由に動けないベッド生活でも、スマートスピーカーのおかげで、グンと快適に過ごせるように。そのうち日本にもやってくるのでしょうか?
ナースコールの代わりにアレクサ置いてみる
Amazon Echoを100の病室に配備する「Aiva」プロジェクトを進めているのは、米国ロサンゼルスのシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center)です。
入院患者が「トイレに行きたい」や「鎮痛剤がほしい」といったリクエストを、いわゆるナースコールで行なう代わりに、ベッド脇に取りつけられたAmazon Echoへと呼びかけるだけで、音声アシスタントのAlexaが、リクエストをスマートに処理してくれる仕組み。
テレビの電源をオンオフしたり、チャンネルを変えたり、お好みの音楽やニュース、天気予報、スポーツの試合結果などなどを教えてくれる、一般的なAmazon Echoの機能も使えるようになっており、なにかと退屈しのぎにもAlexaとの会話がお役立ちかもしれません。
これまでは看護師たちが、室内のテレビの操作にまで呼び出されて手いっぱいになることがありました。しかしながら、こうしたタスクはAlexaにお任せし、もっと重要度の高い看護に注力できるようになるメリットははかり知れません。
同医療センターのGolda Morales副看護師長は、このようにAivaの成果を評価しています。
Aivaのプラットフォームでは、Alexaが患者からリクエストを受けると、本当に看護師でなければ扱えない内容であれば、担当の看護師を呼んでくれます。でも、単純なトイレに連れて行ってほしいなどのリクエストはヘルパーを呼び出してくれます。こういったAI判断が駆使されるため、ただでさえ人手不足気味の看護業界にとっては大いに助けになると歓迎されているんだとか。
患者のプライバシーは要注意
しかしながら、やや懸念されているのは、病院内のコミュニケーションに、密にAlexaが絡んでしまうことで、プライバシーの保護は大丈夫なのかという点です。すでにAmazon Echoをめぐっては、まったく見知らぬ人の膨大な音楽プレイリストが、勝手に他人に参照されてしまうといったアクシデントが、ドイツなどで報告されているみたいですね。
だれがどこへどんな病状で入院しているのか? 特定の看護師の仕事内容や勤務シフトまで外部へ広く流出したりしないのか? Aivaでは、収集データが匿名化されると説明されてはいるものの、無期限にデータをAmazonが保存することも許可されており、万が一の入院患者や医療スタッフの個人情報流出時の被害は、取り返しのつかないレベルとなってしまう危険性もはらんでいます。
病院内で大活躍するスマートスピーカー。もしかすると、スマートホームの活用事例より、そのメリットは非常に大きいのかもしれませんけど、どこまで信頼してよいのか不安な気持ちになるのも否めないでしょう。ただやはりこうした時代の流れには逆らえないものもあるのでしょうかね。
Source: Cedars-Sinai Medical Center via Engadget