Samsung Galaxy S10レビュー:今1番ワクワクするAndroid端末

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
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Samsung Galaxy S10レビュー:今1番ワクワクするAndroid端末
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

こっちのほうが本命かも。

先日、Samsung Unpackedで発表されたGalaxy S10。発表会当日はいきなりGalaxy Fold登場でド肝を抜かれましたが、その後に出てきてもまったく見劣りしなかったGalaxy S10。ここに今のSamsungの本気(時に今年のやる気すごい)が全部つまっています。米Gizmodo編集部が実機を触ってきたので、レビューをどうぞ。


Pixel 3がソフトウェアの魅力を最大限発揮したGoogleのスマートフォンだとすれば、Galaxy S10は、Samsungがハードの魅力を最大限に魅せた端末。ノッチなし、パンチホールデザインのフロントカメラ、3種のレンズを搭載したリアカメラ、長時間バッテリー。これぞTHE・スマートフォンテクノロジだ!

Galaxy S10

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

これは何?:Samsungの最新フラッグシップモデル。

価格:Galaxy S10が900ドル/Galaxy S10+が1000ドル。

いいところ:美ディスプレイ。トリプル・リアカメラ。パンチホールデザイン。ハードのデザインが素晴らしい。容量128GB。ワイヤレスでリバース充電可能。脅威のバッテリーもち。

残念なところ:高い。一新されたOne UIがいまいまち。カメラ機能の中には見つけにくいものも。

注)今回、レビューで主に使用したのはGalaxy S10+です。

できる限りの技術を詰めつつ、軽量スリムで洗練されたデザインをキープしたボディ

Galaxy S 10にSamsungがどれだけ技術を詰め込んだかを考えると、拍手せずにはいられません。

Galaxy Note 9と同じくスクリーンサイズ6.4インチ、でもバッテリーは4100mAh(Note 9は4000mAh)、前と後ろにカメラのセンサ、リバース充電。なのに全体的には10%薄くなっているというね! 普通の生活では7.8ミリも8.8ミリも大差ありませんが、これが手の中のスマートフォンとなれば違いを感じることができます。これだけいろんなものが詰め込まれて、重さ175グラムというのも驚きの軽さ。

デザインも細部までのこだわりが伝わってきます。

Infinity-Oと呼ばれるパンチホール(穴あき)デザインで、昨年画面の邪魔だとさんざんディスられるノッチを回避。また、アルミシャーシも改良されており、持った時のグリップ感がいいので手にフィットしやすい。プリズムカラーというモデルは、その名の通り端末が光によってピンク、ブルー、パープルと色を変えるとても美しいデザイン。背面にあった指紋スキャナがディスプレイ下に埋め込まれたことで、背面がとてもスッキリしました。

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インカメラ周りのアニメーションがいい感じ。
Video: Sam Rutherford (Gizmodo)

ダイナミックAMOLEDは市場最高クラス。

S10でもっとも目を引くのはやはりスクリーン。2019年、SamsungはS10スクリーンを「ダイナミックAMOLED」と呼んでいます。

発表会でも何度となくでてきたこの言葉! スクリーンテストを行うDisplayMateが、ダイナミックAMOLEDに最高ランクという評価を出しています。テスト結果の数字やランクは重要なのはもちろんですが、ただ単純に見ているだけで美しいS10のスクリーンは間違いなく市場最高クラス。HDR+コンテンツ対応、HDR10+動画撮影可能。iPhone XSで見るよりも、Pixel 3で見るよりも、S10+で見た方がキレイ! さらにスクリーンの特徴として、ブルーライト大幅カットも忘れずに。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

ノッチをなくすため、Galaxyシリーズで過去2世代採用された虹彩認証を削除。顔認証で端末アンロックはできるものの、たとえばオンライン決済などのより高度なアクションではスクリーンに搭載された超音波式の指紋センサーを使用します。これ、Samsung曰く世界初のFIDO認定生体認証とのこと。個人的には、Face IDなどの顔認証よりも指紋認証の方が好きなのでうれしいアップデート。S10スクリーン内蔵センサの精度とスピードはかなりのものなので、顔認証派もきっと納得できると思います。

レビュー期間中で指紋認証がパっと作動しなかったのは、スクリーンが完全オフ状態で、指をあてるべきアイコンが表示されていなかった時の1度だけ。しかし、これは使うにつれて(僕の場合はレビュー2日目)どこに指を当てればいいのかが慣れてくるので大きな問題ではなし。

Pixel 3の最高のライバル! S10+のカメラテスト。

3つのリアカメラのうち1つは超ワイドレンズ。これは、LG V40HuaweiのMate 20にも見られるハイエンド機種カメラのトレンド。ただ、123度撮影と謳ってはいるものの、端っこの方はやはり多少画が伸びてしまいますけれど。レンズが3種あることで、撮影の焦点距離の幅が広くなる=撮影の幅が広がるのは間違いなし

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メインカメラで撮影。バルセロナ、カタルーニャ美術館のショット。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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2倍ズーム。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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超広角ショット。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Pixel 3がベストの例。背景の街路樹やクレーン(夜空に溶け込んでいて見えにくい)をチェック。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Pixel 3の写真はコントラストがよく、ハイライト部分のディテールがベター。好みもありますが接戦です。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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ろうそくの明かりで撮影。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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ナイトモードで撮影。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


モバイル・ワールド・コングレス(MWC)で行ってきたバルセロナで、S10カメラの良さを実感しました。せかっくスペインに来たので取材の間でちょっと外出。カタルーニュ美術館をS10の3つのレンズで撮影してみました。撮影時間10秒弱、遠くから撮影したにも関わらずクロースアップ画が1枚、目で見える景色そのままの引きの画が1枚、さらにもっと周辺を写し込んだワイドな画が1枚。この3枚セットは、GoogleもAppleも(現段階では)できない仕事です。

レンズはさておき、結局画質がすべてだ!という場合、残念ながらS10はPixel 3には劣ります。S10+、Pixel 3、iPhone XS Maxで撮影テストをすると、PIxel 3がもっとも背景や手前道路のテクスチャなどのディテールを捉えていました。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

S10では、シーン別撮影モードもアップデート。環境や撮影対象物によって、最適だと思われる設定をカメラが選んでくれます。S10は、猫と犬の違いも、靴と猫の違いも認識可能。暗所撮影では、自動で「Bright Night」モードを発動してくれます。

自動でやってくれてありがたい反面、問題もあります。これ、カメラが認識してくれないとモード発動されないのです。ユーザーが自分でマニュアル発動できないという。つまり、Bright Modeが発動するほど暗くはないけどそこそこ暗いという場合、カメラは助けてくれないのです。問題ではあるものの、メインカメラのf値が最大f/1.5あるので(Pixel 3はf/1.8)、そもそも暗所に強いとも言うこともできますけれど。

暗いところでろうそくの明かりのみでテスト撮影してみたところ、夜景モードなしだとS10の方がPixel 3よりも良かったです。しかし、ろうそくを1本消して(こうしないとモード発動してくれなかった)S10のBright NightとPixel 3の夜景モードでテスト撮影してみたところ、これはPixel 3の勝利。いや、Pixel 3すごいです。Gooleの夜景モードが発表されて半年、慣れてきたとはいえ、今でも驚くそのすごさ。ここは、Googleのコンピュテーショナルフォトグラフィ(デジタル処理による画像生成)に再び拍手を送りたいところ。

トリプルリアカメラにアップグレードしたSamsungが、今後開発に力をいれる&S10に改善の余地があるとすれば、それは画像プロセスですね。

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ディスプレイ内蔵指紋センサーの利点のひとつに、スマホをがテーブルの上に置いているときでも、電話を持ち上げずに指紋でロック解除できることがあります。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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オーケー、S10にはまだBixbyボタンがあるんだ。でも、少なくとも設定してアプリを割り当てたり、長押しなどでショートカット・コマンドを実行できる。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)


いまさらだけど、基本スペック。

Qualcommの855チップセット。RAMは8GB。ストレージ容量128GB。

ベンチマークによれば過去最速のAndroid端末よりも、15%から25%パフォーマンス向上とのこと。SamsungのAndroid 9スキンであるOne UIのおかげか、前モデルのS9よりもかなりスピードアップを体感できました。One UIは速さの他にもちょっとした気遣いも魅力。たとえば、片手で操作しやすい位置にボタンやアイコンを置いたり、通知画面がポップアップ表示されたりなど。

忘れちゃいけない脅威のバッテリー!

バッテリーを語らずして、S10+をレビューしたとは言えません。米Gizmodoが実施したテストでは、S10+のバッテリーもち15時間9分。Galaxy Note 9が14時間9分、Pixel 3が10時間50分なので圧倒的です。

MWC取材中、僕はメイン端末としてS10+を使用していました。トレードショー取材の最大の心配事は、スマホのバッテリーもち。1日中マメにSlackなどのコミュニケーションツールを使い、道を調べ、写真をとって、メモをして…。S10+、1回の充電でほぼ2日間丸々いけました。1日目就寝時は60%まで減っていたバッテリー。力尽きたのは、2日目22時半。2日間=48時間もったとは言えませんが、省エネモードなどを使うことなく、1日目の夜に充電することなくこれならお見事。トレードショー取材じゃなくて、通常運転の日ならもっともったかも。何がなんでも充電使い切る!とやっきにならない限り1日1度のチャージで、充電を心配することなく生活できます。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

バッテリーたっぷり。となればリバース充電ですね。S10のワイヤレス充電機能PowerShareは、約5ワットで他ガジェットを充電可能。もちろん、スピーディに充電はできないものの、バッテリーが少なくてちょっと困ってる!という友達をお助けするには十分。

Galaxy Watchユーザー(またはQi対応スマートウォッチユーザー)は、週末旅行くらいなら充電器もって行かなくていいでしょう。S10+をひっくり返して充電すればいいですから。

(注:S10のバッテリー残量が30%をきると、S10を充電しながらじゃないとワイヤレスリバース充電は使えません。)

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

正直、去年はS9でいまひとつだったSamsungですが、今年は魅せますね。HUAWEI Mate 20 Proと比較しても、Galaxy S10はスクリーンもカメラもデザインもバッテリーも負けません。あと、イヤフォンジャックもあるというね!

S10を買うのをためらう理由があるとしたら、それはやはり価格。S10が900ドル、S10+が1000ドル。ただ、Pixel 3は800ドル、iPhone XSが1000ドルなので、これはS10だけの問題ではなく昨今のハイエンド端末はみんな高額だって話ですけれど。

まとめ

・バッテリーもちがスゴい。1度の充電で約2日いけた!
・リバース充電のワイヤレスPowerShareの充電速度は遅いものの、ちょとしたヘルプなら十分。
・昨今のハイエンド端末はトリプルリアカメラが期待されて当然。S10のカメラ配置は、この流れの中でいまんとこベスト。
・パンチホールは、ノッチよりもはるかにいい!
・カメラの撮影シーンによる自動モード発動は、手動でもできるとよかったな。(特にBright Nightモード)
・基本の容量が128GB、これが2019年だ! あといまだにイヤホンジャック続行してくれるの嬉しい。


レビューの感想を一言で言うと…べた褒め! 今年のSamsungは強いです。

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