新規格「USB4」発表。何がどう変わるか、今知っておくべきこと

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新規格「USB4」発表。何がどう変わるか、今知っておくべきこと
Image: David Nield/Gizmodo US

USBの次世代規格「USB4」の概要が発表されました。

数年内にデバイス、ポート、ケーブルをまた一新していかなくてはいけないんだけど、実際今はどうなってて、今後どうなっていくんだっけ? USB4発表に合わせて、今知っておいたほうが良いことを説明していきます。

USB規格の現状

現在実用的に使われている最新の規格はUSB 3.1ですが、それを採用しているデバイスはそこまで多くないのが現状です。(最新のMacBook Proは採用しています)USB 3.2については2017年に仕様が発表済みで、対応デバイスは2019年後半に市場に登場予定です。USB 3.2ですらまだ誰も使っていない状態のなか、USB4を発表するとは一体なにごとか、混乱は極まります。

USB4発表に伴い既存規格の名称が変更に

USBの規格を策定しているUSB Promoter Groupは、USB4の新しい技術仕様の発表に加えて、今回の「USB4」から、"USB"とバージョン番号の間のスペースを削除(細かい)。さらに、既存のUSB 3.0を「USB 3.2 Gen 1」、USB 3.1を「USB 3.2 Gen 2」と呼ぶことにし、パフォーマンスの向上を予定しているとのこと。ちょっと話が複雑すぎじゃないでしょうか!

さらにもうすぐ市場に投入される最新の規格USB 3.2は、今後「USB 3.2 Gen 2 x 2」となります。「2 x 2」では、同じケーブルで2つの高速チャネルを使用することで、転送速度は最大20 Gbpsになります。従来のUSB 3.1(今後USB 3.2 Gen 2)は10 Gbpsを超える速度、 一方、従来のUSB 3.0(今後、USB 3.2 Gen 1)は5Gbpsとなります。

見た目は同じでも内部の仕様が異なる

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Image: David Nield/Gizmodo US

また、すべてのUSB-Cプラグは内部に用いられている技術が同じというわけではありません。USB 3.2 Gen 2x2はUSB-Cコネクタを必要とするなど、USBプラグの形状とUSBプロトコルはには関連があることもありますが、これらはあくまで別のものであることにも注意が必要です。製造メーカーは製品で実現したい転送速度やかかるコストを踏まえて、性能の異なるUSB-Cプラグを作ってくるということです。

特定のUSB規格をサポートするには、それをサポートしているPCやスマホなどのデバイスと、USBポート、そしてケーブルが必要で、それらをすべて満たさないと、最大値に近い速さの転送速度は得られません。

USB4は速い

そんなUSB規格が乱立しすぎて混乱の極みの中、USB4はどんな良いことがあるのでしょうか?

発表では、USB4は帯域幅が2倍になり最大40Gbpsの転送速度を実現します。これは速い。

スループット(実際の処理速度)は、使用しているデバイスの性能などさまざまな原因により、常に帯域幅(理論速度)以下になります。 USB4ポート、対応デバイス、および対応ケーブル、すべて満たした場合は、帯域幅で許容される最大40 Gbpsのスループットの恩恵を受けることができます。

Thunderbolt 3がUSB4に組み込まれことによるメリット

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Image: Alex Cranz/Gizmodo US

また、USB4は、インテルの「Thunderbolt 3」をベースとしてつくられることがわかりました。これによりUSBは、今までのようにThunderbolt 3と競合することがなくなります。

それは、Thunderbolt 3が、USB4に組み込まれることを意味し、複数のデバイスを同時に利用するときに、データ転送速度の面で、より汎用的に多用途に使うことができるようになります。MacBook Proには、両側にそれぞれ2基のThunderbolt 3 ポートがありますが、一方「MacBook」は「USB Type-C(USB-C)」ポートが1つで、Thunderbolt 3ポートと見た目がまったく同じです。

公式のプレスリリースではUSB4は、「様々なアプリケーションのデータ転送に最も適した、単一の高速リンクを、複数のエンドデバイスとダイナミックに共有する方法を定義しています」としています。

旧規格と互換性あり

さらに良いニュースとして、USB4は従来のUSB 2、USB 3、Thunderbolt 3との互換性があることです。つまり既存のデバイスは、USB4ハードウェアと接続可能だけど、単に速度が遅くなるだけ。今まで使えていたポートが、USB4になることで、使い物にならなくなるということはありません。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

デイジーチェーン接続(複数の電気・電子機器をつなぎにする、あるいは全部まとめて1つの輪にするような接続方法)されたデバイスに、2倍の帯域幅、さらに汎用性の高い、Thunderbolt 3との統合。USB4は、USB 3.2から格段に強くなりそう。

USB4ハードウェアは2020年終わり頃に登場か

ではいつになったら、この魔法のように素晴らしい新規格、USB4を実際に使うことができるようになるのでしょう?

USB4は2019年中頃に正式に確定され、公開される見込みです(USB 3.2デバイスが市場に出回るころですね)。同時に、USB-C規格もUSB4に合わせたアップデートが行われ、おそらくUSB4対応のハードウェアは、2020年の終わり頃に登場し始めるはずです。

このUSBの規格を策定するUSB Promoter Groupは、Apple(アップル)、HP、インテル、Microsoft(マイクロソフト)、ルネサスエレクトロニクス、STマイクロエレクトロニクス、およびテキサスインスツルメンツの代表者で構成されていて、認証などを扱う非営利団体の USB Implementers Forum(USB-IF)によって支援されています。

今は、「USB 3.0(これからはUSB 3.2 Gen 1)」、「USB 3.1(これからはUSB 3.2 Gen 2)」が世の中に出回り、もうすぐ20Gbpsの「USB 3.2(これからUSB 3.2 Gen 2 x 2)」が登場予定で、今回USB4も発表され、2020年ごろからその規格をサポートするデバイスが登場予定です。

名称と種類が多すぎて息が止まりそうですね。