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ITの現場にはトラブルがつきもの。時として「謝る」場面がある。しかし謝り方を間違えると、かえって火に油を注ぎかねない。4日間で、上手な謝り方をマスターしよう。

 あるシステム開発のプロジェクトでトラブルが発生。その直後に開かれた打ち合わせの場での話だ。立腹気味のユーザー企業のシステム担当者に会うなり、システム開発会社のITエンジニアが最初にこう言ったという。「今直面しているこの問題、解決させましょう」――。

 システム開発会社側の火消し役としてその場に居合わせた、大手SIerのAさんは「謝りもせずにいきなりそう言うとは…」と、ITエンジニアの一方的な態度にあっけに取られた。

 「今こそユーザーの協力が必要だというのに」――。Aさんがおそるおそるユーザー企業の担当者の様子をうかがうと「勝手に解決すればいいじゃないか」という表情。Aさんは「とても協力など得られそうにない雰囲気になってしまった」と振り返る。

 トラブルが起きたとき、ITエンジニアは「安易に謝らないのが得策である」と考えがちだ。確かに、明らかに自分に非がないのに謝るのは、気が進まないかもしれない。また「謝るより先に、解決するという姿勢を見せたい」と考えるかもしれない。

 冒頭のITエンジニアの発言は、後者の例だろう。特にトラブルの原因が別会社のミスだったり、契約にないケースでのトラブルだったりする場合、そうした傾向は強い。

安易に謝らない方がよいという考え方は愚
安易に謝らない方がよいという考え方は愚
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