テレビの背面から伸びるケーブルが消えるか。サムスン、ワイヤレスなTV壁付けシステムを特許申請

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本 紺
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テレビの背面から伸びるケーブルが消えるか。サムスン、ワイヤレスなTV壁付けシステムを特許申請
Illustration: WIPO

ワイヤレスは、美しい。

壁に大画面のテレビを設置するのは多くの人の憧れでもあり、実際に壁にマウントを取り付けている人も多いでしょう。しかし問題になるのはテレビの背面からぶら下がる多くのケーブルです。

電源であり、HDMIケーブルであり。色々な人によってこのケーブルを見えなくするテクニックが提案されていますが、昨年3月にサムスンが特許申請をした技術を使えば、完全にケーブル自体を消すことができるかもしれません。ケーブル無しでスマホを充電させてくれる技術は少しずつ普及しつつありますが、そういった様々なワイヤレス技術を使ってテレビからケーブルを解放しようというものなんです。

TVメーカーの中でも、不格好なぶら下がるケーブルを消すという課題に最も熱心に取り組んでいるのがサムスンです。CES2017で発表されたQ9 quantum dot TVの機能もそんな取り組みの1つでした。通常ならテレビの背面に見つかるたくさんのAVポートが外部ボックスに移され、テレビ自体には非常に細いケーブルが一本だけつながる仕様でした。ケーブルは壁に簡単にテープで貼り付けられ、上から壁と同じ色に塗ることができます。

それでも、そもそもケーブル自体を消すことができれば、ベストなわけです。ワイヤレスHD、WHDI、そしてWiGigといったフォーマットはHD動画や、4K動画ですらTVにワイヤレスで送ることができます。テクノロジーの分だけ上乗せされる値段を気にしないのであれば、醜いテレビの電源ケーブルが見えなくなる日が来るかもしれません。LetsGoDigitalが発見したサムスンによる特許申請を見ると、スマートフォンをワイヤレスに充電する仕組みを想起させられますが、この場合はデバイスの間の距離が非常に大きくなっているわけです。

ようやくマーケットに登場し始めたワイヤレス電源システムです。OssiaのCotaチップとトランスミッターのように12フィート(3.65メートル)も離れた状態で電気を取り込むシステムも登場しました。しかしこの特許申請で説明されているシステムはそれとは違い、電線のコイルと電磁力を使って流れを生み出す仕組みを使うもののようです。スピーカーバーに似た受信機がテレビの底部に取り付けられます。そして送信機はその下、離れたところに置かれ、そちらは電源コードが飛び出す形になっています。

細いケーブル数十センチ分を排除するためにここまで大げさなハードウェアを必要とするのは、ある意味滑稽でもあります。しかしこの技術が実際に完成されれば、多くの人が大枚をはたいて喜んで購入するでしょう。わざわざ業者を呼び、壁に穴を空けてケーブルを通すのと比べれば、こちらの方が安いかもしれません。

もちろん、これがサムスンのフラッグシップTVに搭載されるかどうか、いつ搭載されるかは分かりません。あくまでも特許申請であり、サムスンは結局作らない可能性もあります。しかしおそらく、近い将来CESに出品されることは間違いないでしょう。CESでは多くのメーカーが最新の、最も高価なテレビ関連のイノベーションを発表するために激しい競争を繰り広げているからです。サムスンがその機会を逃すとは考えづらいでしょう。


Source: World Intellectual Property Office via LetsGoDigital via Slashgear