SXSWはこういうのがいい!
テキサス州オースティンで開催中のSXSWにて、4日間(3月9日から12日)出展していたソニーブース「WOW Studio」に行ってきました。
ソニーが「WOW」としてSXSWにブース展示するのは今年が3回目(2017年は「the WOW Factory」)。映画や小説でも3部作ってのはヒットシリーズの基本ですが、3回目の今年は集大成と言っていいほど今まで以上にエンタメ感の強い、実にSXSWらしいブースになっていました。
ブースの外観、そして、中にはいってすぐ目に付くのはジミ・ヘンドリックスのイラスト。横にはブースのキャッチコピーである「Are you the next Hendrix?(次のジミヘンはキミか?)」の文字。ソニーブースの今年のテーマは「テクノロジー×クリエイティビティ」。テクノロジーは人間の創造力を拡張するのかという課題に取り組んでいました。
aibo(かわいい)を横目に奥にすすむと、そこはもうアミューズメントパークです。複数の黒いブースの周りに人が並んでいますが、この黒ブースの中がアトラクション。
どれも大人気だったので一つだけ体験してきた
アトラクションは4つあり、それぞれ外に説明文がでているのですが、これが読んでもさっぱり。説明が高尚&オシャンティすぎて、結局中で何やってるのかわからんのです。じゃ、体験するしかない! しかしアトラクションはどれも行列だったので、4つのうち1つ「CAVE without a LIGHT」を体験してきました。
真っ暗な洞窟の中、知らない人とドラム演奏会。
「CAVE without a LIGHT」は視覚に頼らない音楽体験。4人1組で体験スタート、それぞれが乗り込んだ小さなリフトが真っ暗な中を急降下して洞窟へ行くという設定。リフトには小さな太鼓がついており、音の響く洞窟内で4人でセッションを楽しみました。真っ暗&音が響く上に、洞窟へ案内してくれるスタッフがディズニーランドのキャストみたいで気分がいい! さらに、リフトからの振動がアトラクションとしての完成度を高めていました。
各アトラクションは、最新技術への挑戦や社会的課題への模索があって初めて実現するわけで、それはとても重要なことです。が、ソニーブースのアトラクションが発するのは、そんなことさておきとにかく楽しんでくれ!というエンタメ感。そして、その姿勢はSXSWにとてもふさわしい雰囲気だと思います。
SXSW常連のソニーの芸
SXSWってのは、インタラクティブ(技術)、映画、音楽ジャンルが混ざり合った大型イベントで、一言で何が何なのかを説明するのは不可能。技術なんてまったくわからないドラマ脚本家がふらっとブースにくることもあれば、世界中から人が集まるので日本語が話せない人はもちろん、英語が得意じゃない人もやってきます。なので、来場者に技術について詳しく説明するのは至難の技。結果、(トークセッションは別として)企業ブースは、言葉や専門知識に頼らない、インパクトあるものがお祭り騒ぎのSXSWには向いている、SXSWらしいと言っても過言ではないでしょう。現にSXSWラウンジで隣り合わせた音楽プロデューサーという男性は、担当の音楽イベントまで暇でいろんなブースをぷらぷらしているといい、「ソニー面白かったよ。行った?」とオススメしてくれました。
ソニーブースは多種多様な国の人でかなり賑わっていましたが、なるほど、インパクトあるだけに口コミ効果も高かったのかもしれませんね。そう考えると、ソニーは複雑なSXSWの全体像を掴み、SXSWでの大企業の役割をうまく果たしていると感心しました。何回も出展しているから慣れてるんですね。そもそも、テクノロジー、映画、音楽を有するソニーは、最初からSXSWに適した企業なんですよね。
ってことで、WOW Studio楽しかったです。「過去最高益だー! 金はある、派手にいきましょうや!」ってエラい人が言ったか言ってないか知りませんが、言っててもおかしくないほど派手に楽しませてくれるブースでした。もし、これで予算厳しいんですとかだったら、金持ちの友達がコンビニで「今月ピンチだから」と言いながらハーゲンダッツ買ってるようなもの。感覚が違うぜ。…なんて下世話でレポート終わります。
※ギズモード・ジャパンはGROOVE X社さまのご招待を受けてSXSW 2019を取材しております。
Source: Sony Japan | SXSW2019, 日本経済新聞