Fujiyama! Sake! Karaoke!
テキサス州オースティンで開催中のSXSW。経済産業省の主催で3日間設営された日本館「The New Japan Islands」に行ってきました。SXSWにはいろいろな国や街が、文化やアート、テクノロジを世界に発信するため展示を行っているのですが、日本の「The New Japan Islands」は群を抜いて力はいってましたよ。外装内装ともに「!」または「!?」、むしろ「?」とならざるをえないパンチ力。それもそのはず、The New Japan Islandsの統括ディレクターを担当したのはメディアアーティストの落合陽一氏。
和牛あり、ガチャガチャあり、お坊さんが横を通ったかと思えば、ロボット研究者の石黒浩氏がこたつに入ってトークしてました。まさにカオス! カオスとしか言いようない! 私ができる最大限の例でこのカオスを説明するとしたら、『うる星やつら』の世界です。うる星やつらでちょいちょいでてくる学園祭の風景が現実になった感じ。明らかにおかしい(怪しい)のに、まったくおかしくない。馴染んでる。違和感ない。そんな世界。
The New Japan Islandsのコンセプトは「デジタル発酵する風景」。そう言われると、デジタルって発酵するとこうなるんだ!と、カオスな風景が急に1つの集合体に見えてくるから不思議です。
そもそも、外観・エントランスからカオスです。天井には逆さ富士、そして土偶。「昨日は土偶が神輿をかついだんですよ」という説明を受けましたが、それすらカオス。「そうなんですねぇ」と言いながら、頭の中は「土偶って神輿かつぐっけ?」とすでに「?」です。
展示場内に入るには、靴を脱ぎます。中は畳敷き! 1段高くなった畳の上を歩くもよし、床部分を歩くもよし。床は靴で歩いている人もいて、靴ありが正解なのか、無しが正しいのか、1段高いのか低いのかわからなくなってきてまたカオス。
そんな畳の上では、日本のロボティクス企業GROOVE Xの「LOVOT」がころころしててカオス。
奥でパチンコ(デモ)を打っている人がいてカオス。
ふと向こうをみると、いきなり永平寺(福井県)ブースがあってカオス。
トイレ行こうかと思ったら、ソフトバンク(協賛)がスナック感だしてきてカオス。
会場内中心では、落合さんがこたつにはいっててカオス。
日本ハウス開催中は、座禅やスタートアップのピッチ、日本グルメにJポップディスコ、吉本のお笑いライブなど、トークショーやスペシャルイベントのスケジュールがキッチリ真面目に組まれていてそこはノンカオス。
古きよき日本の景色、海外でもすでに人気の高い日本酒やアニメ、ロボット、ネットで話題になりがちな日本のヘンテコサブカルチャー、そこにテクノロジーが混ざったカオス! でも、この喧騒が不思議と居心地いいというね。発酵食品ってクセあるけど美味しいもんね、体にいいし。デジタル発酵とやらもそうなのかい?
案外、日本人だからこそ、日本の常識を知っているからこそ感じたカオスかもしれません。あ、これがThe New Japan Islands=新しい日本なのか。もしかして海外の人からしたら、すでに日本はこう見えているのかもしれませんね。
※ギズモード・ジャパンはGROOVE X社さまのご招待を受けてSXSW 2019を取材しております。
Source: THE NEW JAPAN ISLANDS