長時間露光やスローシャッターは、高価な機材を持つプロの写真家だけが使えるテクニックでした。しかし今やスマートフォンでも、そうした写真を撮影することができます

iPhoneのカメラのシャッタースピードを変えることはできませんが、iPhoneで長時間露光写真を撮影する方法がいくつかあります。

方法は3つあります。iOSの標準機能を使う、サードパーティの長時間露光アプリを使う、iPhoneにクリップオンカメラを接続するという方法です。この3つ方法を詳しく解説していきます。

方法1:Live Photoを長時間露光写真に変換する

AppleのLive Photos(Live Photosの使い方はこちら)は、シャッターを押す前後3秒間の映像を撮影してくれるクールな機能です。 iOS11では、この機能がさらなる進化を遂げています。

あまり知られていませんが、スワイプしてタップするだけで、Live Photoを長時間露光写真に変換することができます。

つまり、「シャッタースピード」とか「露光」という言葉を知らない人でも、驚くほど素晴らしい写真を撮ることができるということです。

Live Photoを長時間露光写真に変換する方法

まずはLive Photoを撮影することから始めます。すべてのLive Photoが素晴らしい長時間露光写真に変換できるわけではありません。

少なくとも1つは、動きのある要素(走る車の列、駅に入ってくる列車、流れ落ちる滝など)があり、背景がクリアで動きがない写真である必要があります。

たとえば、あまりに多くの人が走り回るLive Photoは、ぼやけた、わけのわからない写真になってしまいます。

Live Photoを撮ったことがないなら、以下の手順に従ってください。

  1. カメラアプリを開く
  2. 画面上部にあるLive Photosのアイコンをタップする。同心円の形をしたアイコンで、機能がオンになると黄色になる
  3. 写真の構図を決める
  4. iPhoneを安定させ、シャッターボタンを押す
  5. そのまま2秒間保持する。シャッターボタンを押す前1.5秒と後1.5秒の映像がLive Photosとして保存される

次は、Live Photoを変換して、本当に長時間露光写真になるかどうかを確かめてみましょう。

  1. 写真アプリを開く。
  2. 撮影したLive Photoを探す。
  3. 上にスワイプして、[エフェクト]を表示する。
  4. [長時間露光]が表示されるまで右にスワイプする。
  5. [長時間露光]をタップして、少し待つ。
iPhoneで長時間露光写真
iPhoneで長時間露光写真

すると、Live Photoの全フレームがオーバーレイされ、うまくいけばちょうどよくボケの入った、かっこいい写真が仕上がります。出来た写真は、デフォルトの写真アプリや無料の写真編集アプリで、いつもどおりに編集することが可能です。

完成した写真は、[写真]>[メディアタイプ]>[長時間露光]か、カメラロールで長時間露光バッジがついた写真を探してください。

写真をLive Photoに戻したい場合は、次の手順を実行してください。

  1. 写真アプリで長時間露光写真を開く。
  2. 上にスワイプして[エフェクト]を表示する。
  3. エフェクトから[Live]を選択する

方法2:iOS向けの長時間露光アプリを使う

iPhoneで長時間露光写真
iPhoneで長時間露光写真

Live Photoからの長時間露光写真への変換は、動いている被写体に対しては便利で効果的なテクニックですが、光の軌跡を捉えようとすると、がっかりした結果になります。

とはいえありがたいことに、専用のアプリを使えば憧れの写真を撮ることができます。

いくつかの長時間露光アプリを試してみましたが、私のオススメは、使いやすさと機能性が完璧なバランスの『Slow Shutter Cam』です。

主要なモードが3つあり、そのうちの1つは、光の軌跡を捉えるためにデザインされています。また、このアプリは余計な機能がほとんどないので、プロ仕様のカメラよりも習得が簡単です。

Slow Shutter Camを使うと、撮影内容に応じてシャッタースピードを調整したり、音量ボタンをシャッターボタンとして利用したり、セルフタイマーを設定して手ぶれを最小限に抑えることができます。

そしてなによりも、価格がお手頃です。

方法3:iPhoneにクリップオンカメラを接続する

上の2つのように複数枚の写真を重ねるやり方ではなく、本物の長時間露光、つまり実際にシャッターを長時間開いたままにするには、特別なハードウェアが必要となります。

iPhoneのカメラはシャッタースピードを変えることができませんが、多目的な外付けカメラを利用することで長時間露光写真を撮影できます。

DxO One』は、AirPodsのケースより少し小さく、LightningとWi-Fi経由でiPhoneに接続できるクリップオンデジタルカメラです。

iPhoneの画面をビューアーにして、専用アプリで操作が可能。スポーツ、夜間撮影など、さまざまなモードが選べるほか、最大30秒までシャッタースピードを遅らせることができます。

このカメラそのものがiPhoneカメラのアップグレード版といった感じです。iPhone XSのカメラよりも高い解像度(20MP)を持ち、小型ながらもデジタル一眼レフカメラの機能を備えています。

長時間露光のほか、ボケ効果のあるポートレイトや、フルHD動画も撮影できます。ソフトな光できれいに見せるセルフィーモードもあります。

iPhoneで長時間露光写真を撮影しましょう

iPhoneで写真撮影を始めたばかりの人も、Instagramで#shotoniphoneを付けて紹介されるほどの腕前の人も、ここで紹介した方法を試せば、うまく長時間露光写真を撮影できるはずです。

さらに、三脚を使ってiPhoneを完璧に安定させれば、ブレのない背景の中で被写体が描く美しい軌跡を撮影することができます。

長時間露光は、マスターする価値がある撮影テクニックですが、そこで終わりにしないでください。iPhoneでの撮影技術をさらに磨きたい人は、スマートフォンの写真講座をチェックしてください。

また、スマートフォンで写真を撮る時には、スマートフォン写真でよくある過ちをおかさないように気をつけましょう。


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Image: Hadrian/ shutterstock

Source: 3 Ways to Take Long Exposure Photos With an iPhone(英文)/ MakeUseOf