やっちゃえ日産。あのキャッチコピーそのまんまな勢いがあります。
CES 2019において、日産自動車は見えないものを可視化する技術「I2V」(Invisible-to-Visible)を発表しました。車内外に組み込んだセンサーで車内外の情報をスキャン。クラウドにアップロードして、周囲のインフラが持つデータなどと合わせてドライバーにフィードバックする技術なんだそうな。ふむ?
具体的にどんなことができるかというと、見えないカーブの先を教えてくれたり、人が道路を横断しそうだということを教えてくれたり。おお、より安全がドライビングができるってことですね。
離れたところにいる、VRゴーグルをつけた人の3D CGアバターといっしょにドライブできる...って、ちょっとお待ちください。なんか斜め上の方向にアクセルを踏まれた気分です。そっちのバーチャル方向ってガードレールあるの? いいの!?
それも、車内のナビディスプレイに表示するものではありません。ARゴーグルを通して、ドライバーの視界の中に受肉するんです。
アバターが乗る席はセッティング次第の様子。願えば、助手席に乗ってもくれます。というか近いです。僕のATフィールドが持ちません。
最初のほうにも記しましたが、この技術は来る危険性を視覚的に通達してくれるものだと思っていました。しかし技術の日産は、高速&低遅延なNTTドコモの5G通信を用いてひとりぼっちでも楽しくドライブができるというエンタメ性も追求してきました。なんでしょう。このうれし恥ずかしなトキメキは。
あくまで既存のギアを駆使した、I2V体験デモ。ゆえに装着するARゴーグルの性能によりますが、現時点では同乗しているアバターが見える視野は狭め。没入感はまだまだ。
それでも好きな場所をドライブしながら3D CGなキャラクターと楽しくトークできる感覚は今までに味わったことがないもの。僕らはもうオンラインの中で、自分も好きなデザインのアバターを身にまとって生きればいいんじゃないかとまで思えてきます。オフラインの、ドライブという実体験の楽しさを訴求している自動車メーカーがこんなことやっていいのでしょうか。
実は、そこにこのデモのポイントがありました。車内の人と、車外の人を相席させるこの技術は、寝たきりな人にドライブのバーチャル体験を提供できる可能性を秘めています。しかも他の人と同じ景色を見ながら会話をしながらだから、1人で楽しむVRコンテンツを超える臨場感があるでしょう。
また見知らぬ場所をドライブ中に、アバターの現地ガイドに受肉してもらっておすすめ観光スポットを教えてもらうことができます。
「右に見えるあの部分、いったい何があるんですか?」と、目標となる場所を言語化できなかったとしても、車外のガイドが同じ方向を見れば「古くからある遺跡なんですよ」などとスムースにガイドできるメリットがありますよね。また自宅にいながらガイドの仕事ができるといった新しい雇用を生むかも?
なおアバターを操作している人のVRゴーグルには、リアルな車外の様子と、SFチックなスーツ姿の同乗者アバターが表示されていました。これもなかなかにシュールだなあ...。
Source: 日産自動車