HP Reverbハンズオン:クリアなVRにまた近づいた

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
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HP Reverbハンズオン:クリアなVRにまた近づいた
Image: Sam Rutherford (Gizmodo)

高解像度で広角で軽い!

VR革命は、たくさんの人たちが思ったほど実際に世界に浸透してはいないようです。とはいえ、着け心地、レンズ、価格帯などで、まだまだその存在感を広げられる余地はあると思われます。

HP Reverbは、今日VRゴーグルが抱えている問題をすべて解決したわけではありませんが、商業用と家庭用のどちらにも使えるようデザインされ、上記3つの問題で大きな改善が見られます。

それでは、手に取ったインプレッションを見てみましょう。


ヘッドセット:かぶりやすい

商業用家庭用には、どちらも同じデザインでちょっとした微調整が施されています。家庭用には、顔に当たる部分に取り外して洗濯が可能な布が採用されています。対して商業用には、そこに人工皮革を使ったパーツを選べ、手軽にアルコール消毒などが出来ます。

また二股になった長短のケーブルが、たとえばアミューズメント施設で背負うVR用バックパックの使用でも、従来のようにデスクトップで使う場合にもすぐ対応できるようになっています。

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Image: Sam Rutherford (Gizmodo)

ですがもっと大事なのは、どちらのモデルも骨組みがVive Proより33%も軽くなっていること。軽量化と簡単に調節できるべルクロのストラップと、おでこから後頭部をグルっと周る環状スタイルを統合すると、今のところ一番かぶり心地が良いヘッドセットではないかと思われます。そして3.5mmのイヤホン用ジャックがあるものの、ヘッドフォンもあり、3D音源をサポートしてくれます。

レンズ:2K×両目で立地な映像

解像度は片目2160 x 2160ピクセルが左右ふたつ搭載されています。Vive Proが片目1440 x 1600ピクセルなので、その違いは明らかですね。そしてレンズは真円ではなく、眉間に向けてちょっと絞った水滴みたいな形状をしているおかげで、ユーザーに114度の広い視野を見せてくれます。

HPいわく、レンズが高解像度なため、一般的なゴーグルでスクリーンドア効果(ディスプレイがピクセルの縁取りで網目模様に見えてしまう問題)を減少させるディフュージョン・フィルターを使わなくても済むようになり、もっともシャープな画質が楽しめるものとなったとのことです。リフレッシュレートは90Hzで、視野が広角なことと併せて仮想現実世界でリッチな画が楽しめるのです。

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Image: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Image: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Image: Sam Rutherford (Gizmodo)


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Image: Sam Rutherford (Gizmodo)


難点もある

しかしながら、高性能になった代わりに残念なことがふたつあります。ひとつは解像度を上げたためハードウエアに必要なスペックも高くする必要が出てしまいました。HPが推奨するのは、最低限Nvidia GTX 1080AMD Vega 56 GPUといったグラフィックボードです。

ふたつめは予期せぬ欠点で、たくさんのピクセルを集約させた表示でスクリーンドア効果をなくしたため、4つ別々のピクセルが交わる箇所に小さな黒い点が見えてしまうこと。なのでReverbはソリッドに美しい画面が見られるってワケではないのです。それでも2016年に爆発的に登場したそのたのヘッドセットより、かなりの進化を遂げています。

価格

ふたつのWindows MRコントローラーと必要なケーブル類が同梱されて、600ドル(約6万7,000円)と、1,100ドル(約12万2,800円)のVive Proスターター・キットのほぼ半額というお値段となりました。それにReverbはSteam VRと互換性があるため、ViveとVive Proで遊べるタイトルもプレイ出来ることでしょう。

VRはいまだにニッチなメディアですが、600ドルなら手が出しやすいお値段ですよね。3年でここまで高性能でお手頃になったのも凄いことです。


VRはエンジニアリングや建築、それに医療などにも重要な技術になっています。ここまで高解像度になれるのであれば、人々が毎日見ているモニターが、いつの日かゴーグルに取って代わる日が来るかもしれませんね。

HP Reverbは、4月に発売予定とのことです。