新元号「政府の最有力案」葬儀社名に使われ断念

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 新元号の選定にあたり、政府が一時、万葉集などを出典とする「天翔てんしょう」を最有力案と位置づけていたことが30日、わかった。今年に入り、安倍首相を交えて開いた協議で賛成意見が多数を占めた。しかし、葬儀社の社名などに使われていることが判明し、最終案には含めなかった。

 新元号選定では、古谷一之官房副長官補ら内閣官房幹部が、古典の学者が提出した100以上の案から候補を絞り込んだ。そのうえで、首相や菅官房長官、杉田和博官房副長官らごく少数の幹部に示した。この中に「天翔」があった。万葉集のほか、「古事記」にも由来を持つ案だったという。

 協議では、「イニシャルのTが大正と重なる」「画数が多い」などの慎重意見も一部にあった。だが、首相はかねて万葉集などの国書(日本の古典)からの引用が望ましいと考えていた。「天翔が一番のお気に入りの案」(首相周辺)となり、他の出席者もおおむね支持したという。

 一方、政府が元号を選ぶ際の基準として、「俗用されていない」ことなどが条件となっている。天翔は葬儀社名などに使われていることがのちに分かり、「新元号としてふさわしくない」として見送った。

 このため、首相は3月20日以降に古谷氏らに指示し、学者に追加の案の検討を依頼した。万葉集研究の第一人者、中西進・国際日本文化研究センター名誉教授が追加提出した案に「令和」があった。3月27日の少人数の会議で令和を見た首相は、「待ったかいがあった」と喜んだという。

 また、政府が4月1日の「元号に関する懇談会」に示した6案中、4案について「首相談話」を作っていたことも分かった。懇談会が令和以外の案を支持すれば、その案を採用するつもりだったという。

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