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座りっぱなしの生活を送っていても1日数十分の運動で健康リスクを相殺できる

by Alexas_Fotos

デスクワークが当たり前になった現代、1日の大半を座って過ごす人も多いはず。座りっぱなしの生活は必然的に運動不足となる上に、腰や心臓にも負担がかかるといわれています。2019年4月にアメリカ心臓病学会で発表された研究では、1日におよそ20分から40分の運動を行うことで、1日中座りっぱなしでいることによる健康リスクを排除できると論じられています。

Sitting Time, Physical Activity, and Risk of Mortality in Adults | JACC: Journal of the American College of Cardiology
http://www.onlinejacc.org/content/73/16/2062


How much do sedentary people really need to move? It's less than you think
https://theconversation.com/how-much-do-sedentary-people-really-need-to-move-its-less-than-you-think-114824


長時間座りっぱなしになると立っている時よりも背中に圧力がかかるため、腰に負担がかかりやすくなるといわれています。特に、PCを使うデスクワークでは猫背になったり足を組んだりと、姿勢が悪化しがちになり、余計に負担が大きくなります。

また「足は第二の心臓」と呼ばれるように、人間は足を動かすことで血液を全身に循環させています。そのため、座りっぱなしの生活は血液循環の役割をすべて心臓に負担させることとなり、心臓へ過度の負荷がかかるために狭心症や心筋梗塞などのリスクが増大するといわれています。

by ashokorg0

シドニー大学のEmmanuel Stamatakis教授率いる研究チームは、座りっぱなしによって引き起こされるリスクが運動によってどれだけ相殺されるかを調査するため、オーストラリアの15万人の成人を対象にした45年以上にわたる研究の膨大なデータを分析しました。

分析によると、運動をせずに1日8時間以上座っていたグループは、1日1時間運動してかつ1日に座っていた時間が4時間以下のグループ(最適群)と比べて、心血管疾患による死亡リスクが2倍以上も高かったことが判明しました。また、「座りっぱなしでなければ大丈夫」というわけでもなく、1日に座っている時間が4時間以下だった人でも、1週間の運動時間が150分を下回ると心血管疾患による死亡リスクは最適群にくらべて44~60%高かったことが判明したそうです。

そこで、研究チームは「座りっぱなし1時間分」を「ガーデニングや家事のような中程度の運動1時間分」に置き換えたところ、心血管疾患による死亡リスクが20%程度減少したとのこと。また、「水泳・エアロビクス・テニスなどの活発な運動1時間分」に置き換えたところ、心血管疾患のリスクが64%減少したとのこと。

by Matan Ray Vizel

研究チームは、1日中座りっぱなしという生活がもたらす健康リスクを相殺するには、1日約20~40分の運動でいいと結論づけています。Stamatakis教授は「これまでは1日1時間の運動が必要とされてきましたが、今回の結果からはもっと短くてもよいということがわかりました」と論じました。

なお、この毎日行う運動では特にスポーツを行う必要はなく、意識的に速く歩いたり、車ではなく自転車を使って移動したり、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上ったりといった、日常の中でできるちょっとした運動でもかまわないとのことでした。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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