暖かい陽気に、心も躍る季節。晴れた日は、外に出かけたくなりますね。
せっかくの春なので、この季節らしい食べものを召し上がってはいかがでしょう。今の時期、とてもおいしいのが「新じゃが」です。
新じゃがの特徴
まず、新じゃがと、普通のじゃがいもの違いをご説明しましょう。
普通のじゃがいもは、収穫してからいったん貯蔵するのに対し、新じゃがは収穫後すぐに出荷されます。よって、春先から夏にかけて出回るのが新じゃがと言われます。
収穫したばかりなので水分を多く含み、みずみずしいのが特徴。皮が薄くて風味も良いので、皮をむかずに使うのが鉄則。時短調理になるのも嬉しい食材です。
お酒もすすむ。新じゃがレシピ2つ
今回は、新じゃがの特徴を活かした、簡単に作れておいしいレシピを2つご紹介します。
新じゃがの重ね焼き
▼材料 (1~2人分)
新じゃが……1個
塩……2つまみ
オリーブオイル……適量
▼作り方
STEP1.
新じゃがは洗って、5ミリ幅くらいに切る。
STEP2.
耐熱皿に並べ、塩をふってトースターで焦げ目がつくまで焼く(時間がかかるので、何かほかの作業をしていてもOK)。
塩の分量の「ひとつまみ」は、親指、人差指、中指の3本の指先でつまむくらいの量のこと。このレシピの「2つまみ」は、それを2回繰り返した量をいれてください。
STEP3.
オリーブオイルをたっぷりまわしかけて、できあがり。
このレシピのポイント
スライスした新じゃがを、器に沿って花びらのように並べた様子が可愛らしく、見栄えがします。崩してしまうのがもったいないような仕上がり。1枚ごとに付いた焦げ目の色合いも良く、食欲が掻き立てられます。
噛むと、甘みが口のなかに広がり、香ばしさが鼻に抜けていきます。皮の食感も良いアクセントとなり、次から次へと頬張りたくなるでしょう。残ったオイルをパンに付けて食べてもおいしいですよ。
気温が上がってビールがおいしい季節になりましたし、おつまみにもピッタリだと思います。
バジル風味の新じゃがのポテサラ
▼材料 (3~4人分)
新じゃが……3つ
★塩……2つまみ
★オリーブオイル……大さじ1
★ツナ……小さめ1缶(オイルタイプ)
★乾燥バジル……小さじ1
★マヨネーズ……大さじ2
▼作り方
STEP1.
新じゃがはひと口大に切り、タッパーなどの耐熱性密閉容器に入れ、レンジで柔かくなるまで加熱する。
STEP2.
温かいうちに★の材料を入れて、フォークなどで粗く潰してできあがり。
このレシピのポイント
通常のポテトサラダであれば、ジャガイモの皮をむかなくてはなりません。これがなかなかの手間。
でも新じゃがなら、皮も一緒に調理できます。むしろ皮がある方が香りや食感が良くなるので、手抜きしつつもクオリティの高い一品に仕上がります。
新じゃがの優しい甘みとバジルの香りがきいて、お酒のおつまみにもピッタリ。スパークリングワインなんかと合わせるとオシャレですね。
新じゃがを買ったときに気をつけること
おいしく時短調理もできる新じゃがですが、水分が多いので普通のじゃがいもより日持ちしません。なるべく早く、新鮮なうちに召し上がってください。
新じゃがの旬は、通常は3月~6月。国内最大の生産地である北海道産は7月~8月と言われています。今回ご紹介したレシピを活用して、たっぷり楽しみましょう。
レシピ・文/オガワチエコ
料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。
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Photo: 大崎えりや