ボールを3秒しか持てない、忙しい競技です。
たとえばドローン・レースはとても人気ですし、セグウェイ・ポロもまだ現役であるように、新しい技術を採り入れて新ジャンルのスポーツを生み出すのは、そんなに珍しいことではありません。
そこで今度は、人工知能に新スポーツを考えてもらうことにしました。そのスポーツが「Speedgate」なのですが、どこまで世界で流行するのか? それともただ、これを作った広告代理店が遊んでおしまいになるのか? その様子を見て判断してみましょうか。
6対6のラグビーみたいなスポーツになったんですね。ハードそうですが、楽しそうでもあります。
「Speedgate」をAIに考えさせた広告代理店AKQAは、これまでにもNikeやBeatsなどの仕事を手掛けたことがあります。そして「Speedgate」は、、先週開催されたDESIGN PORTLANDにてプレイされました。
AIに教えたスポーツは400種
「Speedgate」は、ニューラル・ネットワークに400種の既存スポーツを学習させ、それらがどのようなルールで勝敗を決め、どのようにプレイされるのかを叩き込まれました。
たとえばAIを使ったフェイス・スワップは何千ものデータベースを読み込ませますが、400だとちょっと心もとない感じですね。なので人間が導いて、精度を高めるお手伝いが必要だったのだそうです。
AKQAのクリエイティヴ・ディレクター、ウィットニー・ジェンキンスさんがTechCrunchが話したコメントでは、AIが学んだスポーツにはフリスビー、熱気球を使うもの、それに綱渡りまで含まれていたのだそうです。
その結果、AIは1,000種のスポーツを提案してきたのですが、最終的に3種を人間が実際にテストすることになり、彼らは「Speedgate」のルールを調節してこれに落ち着いたのでした。
ゲームの進め方
そして生まれたのが、ラグビー、サッカー、ハンドボールをひとつにしたような競技。フィールドの大きさは広くても狭くても柔軟に対応できます。これから公式の専用ボールが発売される予定ですが、それまでは練習用ラグビー・ボールを使用し、投げてパスしたり、蹴ったりするアクションが競技のメイン動作です。
フォールドには大きく丸いゲートが3つ描かれます。相手方のゲートにボールをシュートすれば特典が入るのですが、その前に中央のゲートにボールを蹴って通さなければならない、というルールです。
プレイヤーはたった3秒しかボールを持つことが許されないため、一瞬でいろんな状況を判断する必要に迫られてしまいます。これがスピードゲートたる所以なのでしょうね。ルールのすべては公式サイトに載っているので、興味のある方はご覧ください。
AKQAは本腰を入れて「Speedgate」を広めようとしているようです。これが一企業のビジネスだというのは一旦置いておいて……ひとつの分野のものを何千も学習させられる、AIが活躍が目立つようになりましたね。
「Speedgate」はお高いドローンやセグウェイを必要としない分だけ、普及しやすいかもしれません。みなさんプレイしてみたくなりましたでしょうか?
Source: vimeo (1, 2), AKQA, DESIGN PORTLAND, TechCrunch