元「ネトウヨ」の新聞記者「レッテル貼りが対話奪う」

有料記事報道の自由はいま

木村司
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 元「ネトウヨ」と公言する新聞記者の若者がいる。沖縄の地元紙、琉球新報の塚崎昇平さん(27)。かつて中国や韓国、沖縄への批判をネットでつぶやいていた。だがそれは、誰かに沈黙を強いたのかもしれないと、いま思う。憲法21条のいう「表現の自由」とは何か。時に激しい言葉も飛び交う取材現場で悩み、考えている。

 大分出身。自衛隊の航空ショーなどが好きで、安全保障に関心を持った。2010年、進学で沖縄へ。アパートで深夜、国防や国家についてツイッターでつぶやいた。

 〈(大統領の発言で)大韓民国の国家としてのレベルをうかがい知った〉

 〈琉球新報としては賛成の民意はどうでもよいということですね〉

 批判の矛先は決まっていて、沖縄の地元紙や、米軍基地建設に反対する人たちは「反日勢力」ととらえていた。「ネットという自由の海で発信することが、国を良くすることにつながると信じていた」

 迷いが生じるきっかけは実社会での対話だった。ヘリパッド建設反対で座り込む人たちを論破しようと東村高江に行くと、「日当をもらっている人」も「中国や韓国の人」もいないばかりか、生活を守りたいという「想定外」の市民の言葉に気おされた。友人とも議論を重ね、自分に都合の良い情報ばかりに触れていたと気づいた。

 沖縄に関わりながら、現場に…

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